■連載/文具ソムリエール菅 未里の「誘惑文具」
Q.アップルペンシルを長時間持っていると、手が痛くなります。解決策はありませんか?
A:iPad専用のアップルペンシルなど、タブレット用のペンが手に合わない方は少なくないようです。こういったペンは文房具というより電子機器かもしれませんが、文房具界にはちゃんと解決策があるのでご紹介しましょう。
それがクツワの「プニュグリップ」です。どうやって使うのかというと……。
このようにペン軸に装着してグリップにするのです。エラストマー素材でできたプニュグリップは柔らかいので、ペンを長時間握っても指が痛くなりにくく、また、指が滑りにくいので安定感もあります。
実はプニュグリップは前からあった商品なのですが、学童用品で知られるクツワらしく、ちょっと児童向けという感じだったのです。
しかし最近追加されたモデルは、特に大人向けとうたっているわけではありませんが、明らかに大人っぽくなり、一新されたパッケージもこのとおり、落ち着いています。
形状は4種類用意されていますが、とくに重要なのは断面形状の違いです。断面は丸型と三角型の2種類ですが、安定感というか、固定力なら三角断面がベストでしょう。鉛筆と同じように指の間にぴったりと収まります。
ただ、どんな持ち方にも対応する点では、丸断面のほうがお勧めです。だから、イラストを描く場合などは丸断面、文字を書く場合は三角断面、などと使い分けるといいでしょう。
パッケージによっては丸断面と三角断面が一緒に入っているものもありますから、好みで選んでください。
あと、細かいのですが、パッケージがいい。開封後にも開け閉めが可能なので、中身が転がり出ることがありません。
これをつけるとタブレット用のペンが持ちやすくなるのは言うまでもなく、職場や家の中に同じタブレット用ペンのユーザーがいる場合に、「自分の物」という目印にもなりますね。
それからもちろん、直径が8㎜前後ならば鉛筆などの筆記具一般に使うことができますので、お手持ちの筆記具がどうも手に合わない……という方も検討する価値があります。
装着した状態ではアップルペンシルの充電ができないのが唯一の弱点かもしれませんが、付け外しは簡単です。保管にも使えるパッケージに4つ入りで180円(!)とびっくりするほど安価なので、いろいろな形・色を試してください。
文/菅未里
構成/佐藤喬