購入する自動車を決める際の重要なポイントはボディーカラー
色の心理的性質は、自動車の購入決定に強い影響を与える要因の1つ。車のボディーカラーは、車のオーナーの個性を反映していることが多い。
アクサルタ社の「自動車色の消費者選好調査2021年版」の調査結果で興味深いのは、回答者が望む車のボディーカラーの特徴で圧倒的に多かったのが、優雅さ、安定性、積極性だったことだ。
消費者が購入する自動車を決定することと自動車のボディーカラーの関係を分析することを目的とした「自動車色の消費者選好調査2021年版(Automotive Color Preferences 2021 Consumer Survey)」を発表した。
この調査では、4大自動車生産国(中国、ドイツ、メキシコ、米国)の4,000人以上の参加者(25歳から60歳まで)の88%が、「購入する自動車を決める際の重要なポイントはボディーカラーだった」と回答した。
今回の調査では、今後のトレンドとなりうるものを理解するため、消費者が求める車のボディーカラーを分析した。消費者が好み、求める色はさまざまだが、個人の好みが国によって異なることがわかった。
また、今回の調査では、塗装仕上げと塗装効果の好みも調べた。全ての調査対象市場(中国を除く)で高光沢仕上げが好まれていることが、はっきりと示された。
中国での好みは、高光沢仕上げとつや消し仕上げにほぼ二分された(高光沢:48%、つや消し:52%)。塗装効果の場合は、塗装仕上げの場合と対照的に、国ごとに傾向が異なり、好ましい塗装効果として最も回答が多かったのは、米国と中国では「ソリッド効果」、ドイツでは「パール色」、メキシコでは「粒子の粗いメタリック色」と「パール色」となった。
アクサルタ社は、過去68年間、自動車人気色調査報告書を毎年作成し、発表してきた。これは、自動車OEMメーカー向け販売量に基づいた調査報告書で、自動車業界に対して、路上を走行する車両の色の今後の動向を示す役割を果たしている。
一方、アクサルタ社の「自動車色の消費者選好調査」は、同社のカラーに関するリーダーシップと専門知識に基づいて発展させたもので、ボディーカラーと塗装の妥当性に関する自動車消費者の斬新な視点と見解を示している。
国別の調査結果
中国
回答者の99%が自動車を購入する際にボディーカラーを重要視している。好みの色はホワイト(29%)とブラック(26%)で、レッドが5位で、ブルーは6位。調査対象者の64%は、好みの色が見つからなければメーカーを変えると回答した。
また、回答者の93%は、購入する車の色を自分で決め、7%は決定を行う際に他者の支援を受けていた。
ドイツ
調査対象者の83%は、車を購入する際にボディーカラーを重要視すると回答した。車両の色については、回答者の63%が自分で決め、37%が家族と相談しながら決定している。好みの色は、ブラックが32%で1位、ブルーが16%で2位となった。
ドイツの回答者は、ブラックが優雅さ、ブルーが安定性を表す色と考えている。この地域では、調査回答者の4分の1強(27%)がブラックの小型車を所有している。
メキシコ
回答者の90%が、車を購入する際にボディーカラーを重要視。22%がレッドを好みの色と回答しており、レッドは、男女ともに最も好まれる色になっている。
メキシコでの調査では、10人中4人が、探している色が見つからなければメーカーを変えると回答している。また、調査対象者の64%がセダン型の車を所有。メキシコの回答者は、レッドが優雅な性格を反映し、ブルーが積極性を表していると答えている。
米国
回答者の79%は、車を購入する際にボディーカラーを重要視しており、全回答者の半数近く(46%)は、ボディーカラーが非常に重要または極めて重要だと考えている。
調査対象者の82%が車の色は個人が決めるものだと答え、53%の世帯が2台以上の車を所有。全体的な傾向としてはブラックが多いが、トラックのオーナーは、色鮮やかなブルー(第2位)とレッド(第3位)を選んでいる。米国の調査回答者は、心の中で、ブルーが積極性を反映し、レッドが冒険心を表していると考えている。
構成/ino.