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全部入りでコスパ最強!時代に合致した進化を遂げたフォルクスワーゲンの新型「ゴルフ 」の買い得度

2021.06.30

8代目となるフォルクスワーゲンゴルフは、eTSI と呼ばれる48Vマイルドハイブリッドによるパワーユニットと、デジタルコクピット、さらに強化されたモバイルオンラインサービス、そして210km/hまで対応(機能)するACCとレーンキープアシストで構成される運転支援システムの「トラベルアシスト」の採用が大きな目玉となる新型だ。

ボディサイズは先代のゴルフ7とほぼ変わらず、全幅は日本の路上、駐車スペースでも扱いやすい1790mmにとどまっている(先代は1800mm) 。ちなみに、ホイールベースは先代より15mm短くなった2620mmだが、今後追加されるワゴン=ヴァリアントは60mm以上、延長されるようだ。このあたりのつくり分けは、ゴルフとして初めてのことではないだろうか。

スタイリングはどの角度から見てもゴルフそのもの、ゴルフ7の延長にある、シャープなエッジが効いたものだが、ディティールはまったく新しい。とくに、フロントフェイスは左右のヘッドランプをつなぐLEDライトバーが備わり(StyleとR-Line)、夜には新型らしさを強調する。

室内空間は先代とほぼ変わらないスペースだ。ただ、後席頭上空間は、全高を低めたこともあって、やや狭まった印象である。うれしいのは、3ゾーンフルオートエアコンが備わり、後席エアコン吹き出し口の温度調整が独立して行えることになったこと。

1.5L Styleグレードのフロントシートはスポーツコンフォートシートで、かけ心地の良さは先代ハイラインのスポーツシートに準じるもので、1L Activeグレードのソファ感覚のフォルクスワーゲンらしからぬかけ心地とは別物と言っていい。

ちなみに、前席左右背後には、一般的なシートバックポケットのほか、スマホ時代を象徴する、2つのスマホなどが入るミニポケットも用意されている。

クルマのデジタル化、スマホと連動したコネクテッド機能の充実も新型ゴルフのハイライトだが、メーター周りの先進感、操作性の先進性は目をみはるばかり。そのぶん、覚えることは山ほどあり、先代モデルから乗り換えて、すぐにすべての機能が把握でき、操作できるというわけでは決してない。まぁ、ゴルフユーザーは1台のクルマと長い付き合いをすることが普通だから、ゆっくり、じっくり覚えていけばよいだろう。

また、ラゲッジスペースは380Lと先代と変わらない、しかし十二分なスペースが確保されている。ただし、床下収納スペースは、ない。

そんな新型ゴルフの1.5L、48Vマイルドハイブリッドモデルのe TSI Styleを走らせれば、こう言っては何だが、1Lモデルとは別物のドライブフィールを味わせてくれるのだ。

簡単に言えば、先代までの流れをくむ、ゴルフらしい走りっぷりである。具体的には、タイヤが16インチから17インチになったこともあって、大径ホイールの見た目のカッコ良さはもちろん、ドシリとした、骨太かつフラットで上質な乗り心地、より手ごたえあるステアリングフィール&意のままに操れる自在感ある操縦性、エンジンの低回転域から湧き上がる図太いトルク、そこから発揮される一段と伸びやかでトルキーな加速力が1.5Lモデルらしさと感じた。先代のゴルフ7、7.5から乗り換えて、違和感がないのは、間違いなくこちらである。というのも、筆者自身が今もゴルフ7のオーナーであり、試乗日に乗り比べることができたからである。

筆者自身を含むゴルフ7初期型のオーナーの悩みと言えば、ギクシャクしたDSGの変速ではないだろうか。しかし、新型のゴルフ8ではDSGのマナーも激変した。そう、バイワイヤー化され、小さなシフトセレクターで操作するようになった7速DSG(セミオートマチックミッション)は、発進時、シフトチェンジを含むすべての領域で、まるでAT、CVTのような、スムーズ至極な変速を行ってくれるようになったのである。これはゴルフ7.5以降でも改善された点だが、それに、発進時やアイドリングストップのON/OFF時のも威力を発揮する48Vマイルドハイブリッドの、微力とはいえ、モーターアシストの付加が大きく影響しているはずである。とにかく、もうDSGのギクシャク感とは無縁のドライブが楽しめるようになったということだ。

なお、ドライブモードはこのe TSI Style以上のグレードに装備される。モードはエコ、コンフォート、スポーツ、カスタムで、ゴルフ8ではコンフォートがデェフォルトのようだ。それぞれのモードにメリハリがあるのも、宝の持ち腐れにならない、”使える”ポイントと言っていい。

ゴルフ7、7.5からの進化はまだまだある。例えば車内の静粛性。ボディの空気抵抗値が0.30から0.275に改善され、マイルドハイブリッドを採用したこともあって、とにかく静さは向上している(ロードノイズの遮断はもう一歩)。また、新型ゴルフは走行中、頻繁に、滑走感あるエンジンが停止したコースティングモードに入る。これもまた、車内の静かさ、そして燃費向上に貢献していることは間違いないところ。コースティングモードからエンジンが始動しても、そうとは気づかせない制御もさすがである。

そうそう、先進運転支援システムの、新しいトラベルアシストの動作も見事だ。前車追従時の加減速のスムーズさ、レーンキープ性能の確かさ、自動減速から再加速する時の歯がゆさのない加速制御、そして前車が完全停止したあとの再発進動作も文句なしである。前車が完全停止した際の追従車間距離はけっこう攻める感じで、割り込み防止効果!?もありそうだった。

と、まさに時代に合致した進化を遂げた新型ゴルフだが、このe TSI Styleの価格は370.5万円。試乗車に付いていた、装着不可欠と思えるディスカバリープロパッケージ(ナビ)19万8000円、LEDマトリックスヘッドライト”IQライト”、ダイナミックコーナリングライト、パークディスタンスコントロール、ヘッドアップディスプレーなどを含むテクノロジーパッケージ16万5000円をプラスすると400万円オーバーの406万8000円(フロアマットを除く)に達する。とはいえ、ドイツ車然とした走りが魅力的だった先代ゴルフからの乗り換えなら、1.5Lのe TSI Style以上のグレードを選ぶのがベターだ。フォルクスワーゲン、ゴルフらしさという点で、軽やかな走りが特徴的な1Lモデルとは別物の、従来通りの骨太な乗り味を示してくれるからである。

とはいえ、ゴルフ2の時代から、そしてゴルフ7の初期型に乗る者としては、新型ゴルフの標準的グレード(e TSI Style)の純正ナビ付きで400万円かっ!!と思わずにはいられないのも本当だ。が、標準で先進運転支援機能てんこ盛りのフォルクスワーゲン オールイン.セーフティや通信モジュール、モバイルオンラインサービスとして10年間無償のWe Connect、3年間無償のWe Connect Plusが装備、付帯されるなど、中身、機能はゴルフ7、そして7.5からも大きく進化しているのだから、納得するしかないのだろう。

GTIやRではないゴルフに400万円という価格を受け入れるのであれば、R-Lineもお薦めだ。迫力ある専用バンパー、専用アルミホイール、専用スポーツサスペンション、ファブリック&マイクロフリーストップスポーツシート、一部パンチングレザーのマルチファンクションステアリングホイール、アルミ調ペダルクラスターなどが加わっても、価格は、何かの間違いじゃないか!!と思える、e TSI Styleのたった5万円増しなのである。なお、新型ゴルフe TSI R-lineの試乗レポートは、改めてお伝えしたい。

e TSI R-line

VWゴルフ
https://www.volkswagen.co.jp/ja/models/golf.html

文・写真/青山尚暉

モータージャーナリスト。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。自動車専門誌の編集を経て、現在、モータージャーナリスト、愛犬との快適安心なカーライフを提案するドッグライフプロデューサーのふたつの肩書を持つ。小学館PETomorrowでも「わんこと行くクルマ旅」を連載中。最新刊に「愛犬と乗るクルマ」がある。

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