サウナ室での体の温まり方で差が出る要素としてしばし語られるのが、そのポーズである。
サウナ室で最もよく見かけるポーズは、ベンチに普通に腰掛けるスタイルだが、それとは違うポーズでより体を温めようとするサウナ好きも多い。
それが足先を座面と同じ高さに持ち上げた状態で座ることのできる〝体育座り〟や〝アグラ〟である。
足先を温めると体全体もよく温まるいうが、このポーズならば、そんな足先の温度がベンチ1段分、つまり10℃高い位置にくることになる。
そこで! 普通の座り方と、足先がより温まるはずである体育座りで、どの程度温まり方に差が出るのかを検証してみた。
足先の温まり方はもちろん、足先の温まり方が変わることで、体全体の温まり方も変わってくるかもしれない。
さらに水風呂に入って出た直後や、休憩した後の体温の回復の仕方にも差が出る……かもね!
とまぁ、この時点では、どんな結果になるか見当もついてません。
座り方で温まり方はどう変わるのか?
結論!
〝体育座りも普通の座り方も温まり方に差はない〟のか? ただサーモグラフィーはあくまで体表の温度。芯の温まり方に差があれば休憩後に違いが出るはず。
サウナーの常識は真実か?解き明かされる2つの結論!!
この3度目の検証でわかった重要なポイントは2つ。
ポイント(1)/2人とも1回目、2回目の検証の後とは比べものにならないほど温まっている。
ポイント(2)/サウナ室から出た直後や水風呂から上がった直後では、ほとんど体温に差のなかった2人だが、休憩後には体育座りをしていた左・イシザキのほうが圧倒的に体温が熱くなっていた。
ポイント(1)に関しては、これは検証が、連続して行なわれた3回目であったということが大きな要因だろう。要するにいわゆる〝3セット〟行なった後であるということが重要なのだ。〝サウナは3セットくらいやるといい〟というが、その言葉を実証するかのような温まり方。
1セット目と2セット目で、体の芯に少しずつ蓄積されたであろう熱(体表の熱を測るサーモグラフィーでは計測できてない)が、3セット目でついに爆発したのだ。〝水風呂で冷えた体が休憩した後にポカポカしてくる〟という感覚を求めるなら、座る場所やポーズにこだわるよりも、とにかく3セット行なうのが一番の早道。これが第一の結論。
ポイント(2)について考える。
休憩後、体育座りをしていた左・イシザキの方が胸から背中にかけて圧倒的に熱くなっている。体表の温度には出てこないが、おそらく体育座りをすることで、足の芯に熱が蓄積されたのではないか? そして蓄積された熱が、休憩中にどんどん体を温めていったのではないか? 全身の体温回復に大きな貢献をしたのではないか? そんな考察ができる。
体育座り……確かに効く。これが2つ目の結論。
ただこの結論をサウナの入り方として強要するワケではない!
あくまでこの結果を参考に、自分にあった最適なサウナの入り方を見つけていただきたい!!
右)上半身の体温が、1回目、2回目の検証の休憩後とは比較にならないほど、平常時以上に熱くなっている。これは何を意味するのか?
左)衝撃!! これまで普通座りと温まり方にまるで差がないように見えた体育座りが、この時点で、ついに圧倒的な体の熱さをもたらした!
サウナと水風呂の温度差驚愕の100℃!いやいやそれ以上!!
『サウナレインボー新小岩店』といえば、何といっても〝サウナ室114度・水風呂14度・その温度差ジャスト100度!!〟という、驚愕の寒暖差!
それだけで、もうほかのものは何もいらないっていうくらいに有り難い寒暖差だが、いやいやいや、実際はもっとあるぞ寒暖差!!
本項で行なった検証も、検証前はサウナ室に入る時間を10分にする予定だったが、「10分はキツすぎる!」という現場の声で7分にしたというくらい、体感は114℃を遠慮抜きで大幅に超えている!
水風呂はどうにか1分我慢してもらったが、持っていった正確な水銀温度計で水温を実測したところ、12.5℃!
サウナレインボーの温度差100℃というのは、客が多かったりして、施設の本調子が出てない時でも確実にキープしている、最低限守られている温度差ってことだ!
もはやありがたすぎるにもほどがあるサウナ!!
そこまで寒暖差は『ご勘弁!』という皆様には、低温サウナ室にナノミストサウナがマイルドテイストでお待ちかね!
食堂のメニューも胃袋鷲掴み!!
単純明解に『熱(上)冷(下)』。人はなぜこんなに寒暖差が好きなのか? 気持ちいいからだ!
【ご協力いただいたサウナはコチラ!】
サウナ&カプセルホテル レインボー新小岩店
[住]東京都葛飾区新小岩1-49-1 [電]03・3653・5122 [休]年中無休24時間営業 [料]3時間/1600円。休憩コース(5:00〜15:00まで滞在可能)/1700円。普通コース(9:00〜24:00まで滞在可能)/2100円(24:00以降在館時+1200円)。男性専用。
サウナーたちの伝説のバイブル復汗!SJ MOOK『Saunner+(サウナープラス)』
サウナを愛してやまない「サウナー」のための本、現在のサウナブームの火付け役となった伝説のサウナ専門誌『Saunner』(2014年、小学館刊)が、7年の時を経てついに復汗(刊)! コロナ禍による危機を超え、ブームを超え、日本のサウナの未来を考えるというテーマのもと、パワーアップして再登場!
定価1320円(税込)
B5判/132ページ
https://www.shogakukan.co.jp/books/09104252
取材・文/カーツ佐藤