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社名にも使われている「瓦斯」の読み方と意外な使い方

2021.07.03

「蟠り(わだかまり)」「凡そ(およそ)」など、日常的に耳にしていても漢字で書くと意外と難しい言葉がある。こうした難読漢字は知っていないとなかなか読めないため、クイズ番組で出題されることもしばしば。

本記事では、そうした難読漢字の一つ「瓦斯」について読み方や表記の由来、関連する言葉について詳しく解説する。社名などにも使われ、ビジネスシーンでも目にする言葉なのでこの機会に覚えておきたい。

「瓦斯」とは何を表す言葉?読み方は?

難読漢字には「蟻食(アリクイ)」「磯巾着(イソギンチャク)」のように漢字の元々の読みが反映されているものや、「向日葵(ヒマワリ)」「百足(ムカデ)」など外見や独自の特徴が表されているものがあるが、「瓦斯」の場合はいずれも当てはまらず、漢字から読みを推測するのは難しい。そこでまずは、読み方や由来について理解しておこう。

読み方は「ガス」、英語で気体のこと

「瓦斯」の読み方は「ガス」。英語で気体を表す「gas」をそのまま漢字にしたものだ。基になったgasの語源は混沌を意味する「カオス」のフランドル風の発音で、気体の研究者だったフランドルの医師ヤン・ファン・ヘルモントが呼び始めたことが始まりと言われている。

英語におけるgasは気体そのものやガソリン、燃料、また俗語として「面白いこと」や「無駄話」の意味も持つが、現在日本で使われる瓦斯は主に石油ガスやプロパンガス、天然ガス等の燃料になる気体を指していることが多い。

「瓦斯」は日本で作られた当て字表記

「瓦斯」の瓦は「かわら」、斯は「これ、この」を表す漢字。どちらもガスとはあまり関係なく、単純に読み方を当てはめたいわゆる「当て字」だとされる。1870年から数年に渡り発行された滑稽本『西洋道中膝栗毛』の中でこの表記が使われており、この頃にはすでに人々の間に浸透していた様子がうかがえる。ちなみに、中国語でもガスを「瓦斯」と表す。もともとは日本で作られた当て字なので、日本から中国に伝わった説が濃厚だ。

日本における瓦斯の歴史

世界で初めてガスが使われたのは1792年。スコットランドにおいて、当時主流だった燃料の石炭を炉の中に入れ、蒸し焼きにして作られたガスを使って灯されたガス灯がはじまりと言われる。

その後世界に広まっていくようになるが、当時日本は鎖国の最中だったため、日本で本格的にガスが使われるようになるのはそれから80年後のこと。明治に入り、「文明開化」によって海外の文化や技術が日本に伝わったことから、1872年に日本で初めてのガス灯が横浜で灯され、以降人々の生活の中に普及していった。

「瓦斯」を用いたさまざまな名称

ガスを表す漢字、「瓦斯」。日常生活で目にする機会は少ないが、冒頭でも触れたように会社名として用いている企業は意外と多い。ここからは、実際に「瓦斯」が使われている場面を具体的にいくつか紹介しよう。

会社名の正式名称

1870年に日本で初めて誕生した「横浜瓦斯会社」は、その後今の東京ガスと合併したが、この東京ガスの登記上の商号は「東京瓦斯株式会社」。また、CMでもお馴染みのニチガスの商号も「日本瓦斯株式会社」だ。この他にも、小型ガスのカートリッジで世界的なシェアを誇る日本炭酸瓦斯株式会社など、ガスに関連する事業を行う会社の正式名称(登記名)には瓦斯という漢字が使われているケースが多い。

ガスに関連するものの名前

瓦斯管、瓦斯灯など、ガスと繋がりの深いいくつかのアイテムには今でも「瓦斯」の表記が使われることがある。ガスが普及し始めた明治の頃と比べ、安全性や利便性の点で素材や使用頻度は変わってきているが、いずれも現役で使われている。特に瓦斯灯は、都市景観や商業施設のエクステリアとして今でも人気があり、さまざまな場所に設置されている。

サッカーFC東京のサポーター

一見ガスとは無関係に思えるサッカーにも「瓦斯」と関連する用語がある。一部のサッカーファンやネット上では現在J1リーグのサッカーチームFC東京を「瓦斯」、サポーターを「瓦斯サポ」と呼ぶが、これはFC東京の前身が東京ガスのサッカー部だったことが由来している。ちなみに、FC東京のサポーターはアウェイゲームが行われる各地のスタジアムグルメを食べつくすことでも知られており、この様子から「イナゴ」と呼ばれることもあるそうだ。

文/oki

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