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「手塩にかける」ってどんな意味?由来は江戸時代の食習慣だった

2021.07.03

「手塩にかける」とは、自ら世話をして大切に育てることを意味する慣用句。日常会話やビジネスシーンでも「手塩にかけた甲斐があった」「手塩にかけようと思っている」などの使われ方をする。ではなぜ「塩」という言葉が使われるのだろうか?

そこで本記事では、「手塩にかける」の意味と由来を解説する。具体的な例文を併せてチェックして、日常会話で使ってみよう。

「手塩にかける」の意味と由来

手塩にかけるの読み方は「てしおにかける」。まずは、この言葉の正しい意味とその由来について見ていこう。

「自ら世話をして大切に育てること」を意味することわざ

手塩にかけるとは「自ら世話をして大切に育てること」を意味することわざ。きめ細やかな世話をするという意味に加えて、「他人任せにしないで、自分で行うこと」というニュアンスが含まれる。

具体的には、「手塩にかけた子供」「手塩にかけた部下」「手塩にかけた野菜」「手塩にかけた作品」など、言葉を使う対象としては人物や植物、物など、さまざまなものを対象にできる。

時間や労力を惜しまずに、自らが面倒を見ることは、対象となるものに対する愛情が感じられる。つまり、「手塩にかける」とは、「大切なものを自ら世話して大事に育てる」ことを表す。

なお、稀に「手塩をかける」としているケースがあるが、これは誤用。「手塩『を』かける」ではなく、「手塩『に』かける」が正しい使い方だ。

由来は「江戸時代の塩の使い方」

「手塩にかける」の手塩とは、“手塩皿”の略で、食膳に備えられた食塩のことを示す。江戸時代の日本には、今のようにさまざまな調味料が存在しなかったため、ほとんどの味付けが塩で行われていた。

この時代の人々は、小皿に少量の塩を盛った手塩を食膳に置き、それを使って料理を自分好みの味付けにしていたという。手塩皿を使って細かく味を調整する様子が転じて、自分で面倒を見ることを「手塩にかける」と表現するようになった。

「手塩にかける」を使った例文

ここでは、実際に「手塩にかける」を使った例文をいくつか紹介する。誤った使い方をしないよう、前後の文脈も併せてチェックしておこう。

【手塩にかけるの例文】

「手塩にかけて育てた息子が、全寮制の高校に行くことになった。離れて暮らすなんて寂しい」
「手塩にかけて指導してきた新入社員が、新プロジェクトのメンバーに抜擢された。先輩としてこんなに嬉しいことはない」
「手塩にかけて育てた盆栽が枯れてしまった」
「スーパーで買う野菜よりも、家庭菜園で手塩にかけて育てた野菜の方が美味しく感じる」
「明日は、手塩にかけて育てた娘の結婚式。泣くのを我慢するのは難しいだろう」
「手塩にかけた弟子が、一人前の料理人になったことを指導者として誇りに思う」

「手塩にかける」の類語

「手塩にかける」の類語は数多く存在するが、ここではその中から2つの言葉を紹介する。

手にかける

手にかけるとは、「自分で世話をすること」「人に処理などを頼むこと」「自分の手で人を殺すこと」など、さまざまな意味を持つ慣用表現。使い方やシーンによって、その意味が変わることがあるため、前後の文脈から正しく内容を読み取ることが大切だ。

「手塩にかける」と似た意味で使われるのが「自分で世話をする」という意味を持つ場合。具体的には、「手にかけた盆栽」「手にかけた野菜」など、前後の文脈の中でその物を大切にしていると判断できる時に使う場合は「手塩にかける」と似た意味になる。

育成する

育成するも、手塩にかけるの言い換え表現として使える。「教育や訓練を施し、立派に育て上げること」を意味する言葉だ。ビジネスシーンやスポーツ界では「人材育成」と表現されることが多い。

自ら世話をして大切に育てることを意味する「手塩にかける」と、教育や訓練を施し、立派に育て上げることを意味する「育成する」は、「労力や時間をかけて育て上げる」という部分で共通している。

「手塩にかける」の英語表現

「手塩にかける」を英語で表す場合は、「brought up with great care/大切に育てる」を用いるのが一般的。「She brought up her only daughter with great care./彼女は一人娘を大切に育てた」「I brought up my children with affection./私は子供たちを手塩にかけて育てた」などの表現を用いると、「手塩にかける」のニュアンスが伝わりやすい。

文/oki

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