この広いサウナ室で最も熱い場所は意外な場所だった!
草加健康センターのサウナ室は、ガス遠赤外線ヒーターと電気ストーンヒーターに加え、湿度調整用の加湿器の3基構成で温度96℃、湿度28%の環境を保つ。
「赤外線ヒーターの横。柵の中を覗くと見えるんですが、そこに加湿器も置いています。ところで!」
ところで何でしょ?
「ウチのサウナ室で一番肌を焦がす様な直接的な熱さを感じられる場所はどこだと思います?」
熱い空気は上に溜まるもの。そう考えれば、普通は一番奥の最上段と答えたくなるものだが……。
「実は入ってすぐの遠赤外線ヒーターの正面なんです。この遠赤外線ヒーターは、入り口からの冷たい外気の侵入を、その放射熱で防ぐエアカーテンの役目もしてるんです」
そこまで工夫した理由とは!
「この遠赤外線ヒーターの正面だけは、下段のほうがヒーターに近いので、通常時は上段も下段も体感温度の差がほとんどないんです」
草加健康センターでとにかく直線的な熱を感じたいなら入り口すぐの遠赤外線ストーブ前が正解なのだ。
「それとウチのサウナ室最大の特徴は、何といってもこの壁材です。珪藻土のブリックタイルを使っているのですが、断熱性に優れ、呼吸をするように湿度を吸ったり、室内に放出したりしてくれる。だから、湿度ムラがなく輻射熱が多方面から掛かる圧のあるサウナ室になります」
『サ守』はそう言って、再び壁に手を押し当てた。
四季の自然を肌で感じられる露天の外気浴スペース。季節に合わせた『サ守』の技がより気持ちよく導いてくれる。
草加健康センターの肝とも呼べるサウナ室。高温多湿のサウナで、ベンチは1段ずつの面積が広く、なおかつ3段に及ぶ。
サ守・SSK佐々木氏が、取材中に何度も口にしていたセリフが「とにかく無理はしないでください」であった。いま一度肝に!
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取材・文/カーツさとう