夕方から夜にかけてサウナ好きがこぞってやってくる
草加健康センターのサウナ室のこだわりは温湿度のムラがないこと。その秘密はサウナ室の壁材、ストーブの配置にあり!
朝から出迎えラッコちゃん
「泊まりで仕事をして、朝から現場を離れる日のサウナの調整は、天気予報から判断して、その日の担当の若い人に指示するんです。でもね、天気予報ってたまに大きく外れる時があるんですよ」
確かにこればっかりは!
「〝一日中晴れ〟の予報だったのに、午前中から雨が降り出したり。それだけで想定していたセッティングが台なしになってしまう。そんな時はすぐに連絡しますけどね」
上質のサウナを維持するということは、かくもデリケートな作業なのである。
「今は若い人にもそういう判断ができるように、ワタシの経験を〝肌〟で教え、伝えていく。私に『サ守』という役職が1年ほど前から付いたのには、そういった伝承の意味合いもあるんです」
季節によってのサウナの調整にも『サ守』の経験が生かされていた。
「基本的には夏は温度を上げて、湿度は下げる。冬は温度を下げて、湿度を上げているんです」
肌にピリッとくる感じが効能を確信させる効仙薬湯。そして高濃度炭酸泉に、草津から直送する草津の湯などサウナ以外の湯も豊富。
人が水の中で移動してしまうほど強力なバイブラの出る水風呂。基本15.5℃の設定だが、その日の気候により1~2℃の幅で微調整される。
何かと安心の24時間営業!
暑い夏に温度を上げ、寒い冬に温度を下げる。一瞬〝逆では?〟と思うほど意外な話だ。
「両方とも体感的な熱さは一緒。ただし、ウチは露天で外気浴ができますが、冬の露天は寒い。だから温度より湿度で体感を高めることで、サウナ室に長く入れるようにしているんです。それで体の芯まで温まってもらい、寒い露天でも気持ちよく外気浴をしていただくという……」
『サ守』のサウナ管理センサーは、自らの肌のみならず、お客様の肌にまで張り巡らされているのだ。
そして草加健康センターのサウナ室には、そんな『サ守』の管理するソフト部分以外のハード部分にも、知られざる事実が隠されていた。
「ウチのサウナ室にはストーブが2基あるでしょ。遠赤外線ストーブとストーンを積んだストーブ。そのそれぞれが30平方メートル用で、合計60平方メートル分温める能力があるのですが、それを40平方メートルのサウナ室に設置してます」
このサウナ室独特の、密度の濃い熱さの秘密がここに隠されていた。
コロナ禍で食堂の営業時間を短縮している期間、夜食として弁当をフロントで販売している。この気配りも老舗施設ならでは。
人気グループの純烈も何度となくステージに立った宴会場兼食堂。「まったり」という言葉は、この場所のためにあるような言葉だ。