■連載/ムッシュ・フジタの5分でできるおつまみレシピ
なにやら近年、韓国ではあらゆる食品でハニーバター味というものが流行っているらしいです。数年前に発売されたポテトチップスのハニーバター味が流行の火種となり、最近ではハニーバターチキンなるものがムーブメントを起こしていると。ともなれば作ってみたくなりますよね~。そこで今回は、いくつかの情報を元に僕なりのハニーバターチキンを作ってみましたよ。どんな物かというと、鶏のから揚げにバター、ハチミツ、にんにくで作ったタレをかけるだけ。簡単ですよね~。でもこれ、想像以上に美味しかったです! 日本でも流行るかも知れません! まずは食べていただきたいと思います!
それでは、用意する主な材料はコチラ!
ハニーバターチキン
-使用材料- 材料費
・鶏むね肉 1枚(250円)
・牛乳 15cc(5円)
・片栗粉 大さじ1
・小麦粉 大さじ1
・塩、コショウ 少々
・サラダ油 適量
・にんにく 3欠片(20円)
・バター 25g
・ハチミツ 大さじ2
・パセリ(飾り)少々
(材料費 約280円。調味料等は材料費に含めず)
お料理タイムアタック、スタート!
【0:00スタート】
1、鶏むね肉の皮を剝ぎ、ぶ厚めにスライスする。
★POINT
さっぱり食べれるように皮を剥ぎましたが、皮つきでもけっこうですし、もも肉を使っても構いません。カットサイズもお好みでけっこうです。今回は火入れ時間を短くしたいのでスライスにしました。
【1:00経過】
切った鶏むね肉をボールに入れ、塩コショウで下味をつける。軽く揉んだら牛乳、小麦粉、片栗粉も加えて全体に揉み込む。
★POINT
韓国のハニーバターチキンでは日本のから揚げではなかなか入れない牛乳が入ることが多いようです。これは臭みけしの役割があるのと、ハニーバターとの相性もいいのでいい下味にもなりそうです。
【2:00経過】
2、フライパンにサラダ油を入れて火にかけ、鶏むね肉を揚げる。
★POINT
通常のから揚げと思って揚げていただければけっこうです。今回は衣に小麦粉と片栗粉をMIXした物を使いましたが、小麦粉だけであったり、市販のから揚げ粉を使ったりしても構いませんよ。
【3:30経過】
3、にんにくを潰してみじん切りにする。
★POINT
ハニーバターチキン味には、たっぷりのにんにくを効かせることが重要です。潰してみじん切りにすることで香りが立ちやすくなるのでこのひと手間は大切にしましょう。
【4:00経過】
4、フライパンを弱火にかけ、バター、ニンニク、ハチミツ、塩を加えて軽く煮詰める。ソースに濃度がついてきたらできあがり。お皿にチキンを持って、上からソースをかければ完成です!
★POINT
バター、にんにく、ハチミツと、全てにおいて焦げやすい物ばかりなので超弱火でゆっくり火入れをしましょう。ニンニクに火が入ればそれでOKです。煮詰めすぎると濃度がつき過ぎてソースが硬くなるので注意が必要です。
【5:00経過】
いかがでしょうか。フワ~ッと香るガーリックハチミツバター。とても食欲がそそられます! そしてお味のほうはというと、これはかなりの大ホームラン! 韓国で大ブームになるのもよくわかります。から揚げに甘い味付け? と想像付かないかも知れませんが、甘じょっぱいと表現するのが正解でしょうか。シンプルな食材ばかりの掛け合わせですが、すごく相性のいい仕上がりになっています。これはほんと、日本人にも大ウケすると思いますよ。ぜひご賞味いただきたいです! それでは今宵も、よいお酒を♪
『お料理うんちくツイート』~焼肉といっても牛肉を焼くことが当たり前ではない?~
韓国食文化での肉料理は? と問われると、我々日本人は皆『韓国焼肉』と答えるかと思う。ただ、その焼肉として食べる肉はなに肉なのかというと、日本人のイメージする牛肉焼肉ではなく豚肉焼肉、つまりはサムギョプサルなのだということはご存知だろうか。2014年発表のデータではあるが、経済協力機構(OECD)発表による韓国人の1人あたりの年間肉消費量は51.3kgとなっており、その内訳は「豚肉24.3kg、鶏肉15.4kg、牛肉1.6kg」と牛肉が極端に少ない。ちなみに日本人の年間肉消費量は35.5kgで、「豚肉14.9kg、鶏肉13.6kg、牛肉7kg」となっている。どちらの国も鶏肉消費量が多いのはフライドチキン(から揚げ)文化が共にあることが大きな理由だそうだが、豚肉と牛肉の消費量の逆転現象があったというのは興味深いデータと感じる。ちなみに、韓国より日本は肉消費量が少ないのは、日本は魚食文化が多いからであろうとも推測もされる。
『お料理うんちくツイート』~うま味は使うだけでなく活かすことも大事~
今回のメイン食材で使ったしいたけ。これにうま味成分が含まれると語ったが、これより何倍もうま味成分が多く含まれるのが「干ししいたけ」である。しいたけは干されることで細胞が壊れ、分解酵素が働いてグアニル酸が多く生成されたりする。生シイタケにもグアニル酸は若干含まれているのだが、しいたけを“干す”、“水戻しする”、“火入れする”の工程でうま味成分が科学的に増幅するのだ。この方程式を取り入れた具体的な方法とは、まず干しシイタケを5℃程度の温度で5時間程水戻しし、そこから60℃~80℃の温度で20分程加熱することでグアニル酸が最高値に多く生成される。水戻し時間足らずやオーバーしたり、加熱温度も上下限を超えるとグアニル酸が別の酵素に分解されるので注意が必要だ。兎にも角にも、料理は科学であるのがよくわかる。
この連載をまとめた電子書籍が登場! 「週末5分メシ」
@DIMEの人気連載ムッシュ・フジタ氏の「5分でできるおつまみレシピ」から週末家族にふるまうのにオススメの簡単お手軽レシピをピックアップし、全50品という大ボリュームでまとめました。手軽に作れるレシピばかりなので、コロナ禍により在宅時間も増えた昨今、在宅勤務時のランチにもオススメ! それぞれのメニューが5分のタイムトライアル形式で解説されていますので、楽しみながら作ることもできます。是非試してみてください。
文/ムッシュ・フジタ