コロナ禍でパソコンやスマートフォンなどとビジネスとプライベートともに活用機会や時間が増え、目の疲れや肩こりなどを感じていないだろうか。放っておくと体調に支障をきたす恐れもあるため、日頃からデジタル疲れ対策を行いたいものだ。
そこで今回は、デジタル疲れの主なものとして「眼精疲労」のセルフケア法をアイケアセラピストのアドバイスのもと紹介する。
コロナ禍の体調変化のトップ3は?
サーティフィットが2020年8月に全国に住む20歳から60歳の男女200名を対象に行った「新しい生活様式下における健康状態調査」の結果、「新しい生活様式下において身体や体調」に「変化はない」と答えた人が73.5%だった。それほど心身に不調をきたしているわけではないようだ。
しかし残りの「変化があった」と答えた26.5%の人はどんな変化があったのだろうか?
実際に変化があった内容を聞いたところ、体調の変化トップは「疲労感や倦怠感」(58.5%)、2位は「目の疲れ」(47.2%)、3位は「体重の増加」(43.5%)となった。
中でも半数に近い人が目の疲れを特に挙げているのは、コロナ禍のデジタル化により、PCやスマートフォンの使用時間や頻度がより増えたことが関係しているのかもしれない。
そこで目の疲れをネタするアイケアセラピストに、自宅にいながら自分でできる対処法をアドバイスしてもらった。
眼精疲労は身体にも影響する
今まさに目の疲れに悩まされているなら、ぜひすぐにでもケアを始めたいものだ。なぜなら、一般社団法人日本アイケアセラピスト協会の代表理事、江島恵美氏によれば、目の疲れは身体的な疲労感や倦怠感にもつながるそうだからだ。
【取材協力】
江島 恵美氏
一般社団法人 日本アイケアセラピスト協会 代表理事
目に特化した独自の手法を確立。現在は、全国で口コミが広がり、主婦、会社員から経営者、作家、歌舞伎俳優、プロスポーツ選手などに施術をしている。講座は全国各地からスクール生が学びに訪れる
https://www.ject-eye.com/
「目を使いすぎることによって、目の疲れ、目の痛み、目の不調だけでなく、首・肩こり、腰痛、不眠、イライラ、倦怠感など、身体にも影響をもたらすものが眼精疲労といわれています。
コロナ禍になって、テレワークやオンライン化が進み、目の疲れだけでなく眼精疲労で悩まれている方が非常に増えました。目を酷使することにより眼精疲労となって身体へ影響し、疲労感や倦怠感にもつながります。
しかし、目を酷使したことで、身体に影響しているとはなかなか気付かないですよね。例えば、首が痛ければ首をマッサージけれど、なにかスッキリしない。などでお悩みの方も多いのではないかと思います」
在宅勤務中に生じる目の疲れのセルフケア術
そこで江島氏に、在宅勤務などでパソコンやスマートフォンを毎日行うことで生じやすい目の疲れ、及び眼精疲労のセルフケア方法を教えてもらった。
「アイケアセラピストが行う『アイケアセラピー』は、眼精疲労に特化したオリジナルのメソッドです。目の疲れ、不調だけでなく、首に触れずに首コリが楽になると驚かれる方も多くいます」
1.目を温める
「目を温めることで血流促進し、酸素と栄養素を届け老廃物を回収してくれます。目の筋肉もほぐれ、自律神経も整います。
おすすめは、就寝時に目を温めること。目が緊張したままだと、自律神経の交感神経が優位になり身体も休まりません。目を温めながら寝ることで、副交感神経が優位になり、身体もリラックスモードになります。睡眠の質も変わることで、目覚めも変わるでしょう」
2.目を閉じながら目のストレッチ
「目を閉じながら、目のストレッチを行いましょう。
目を閉じて、頭は動かさず、目線だけを上に3秒、下に3秒、右3秒、左3秒。
また大きく時計回りに3回、反時計回りに3回。
目を閉じることで、乾燥も防ぎ、リラックスした状態で目のストレッチが行えます。また、眼球を動かしている筋肉をほぐすことで、目の奥の痛みや後頭部のコリの改善につながります」
3.ツボ押し+ほぐし
「ツボ押しとツボほぐしです。こめかみの少し前のへこんだところに太陽という眼精疲労に効くツボが左右にあります。次のようにツボ押しとツボほぐしを行いましょう」
(1)太陽のツボを指で優しく押しながら呼吸を軽く吐く。(5秒)
(2)太陽のツボを押しながら、グルグルと時計回りに3回、反時計回りに3回回す。
パソコン作業中の眼精疲労を防ぐための予防法
またパソコン作業中に、眼精疲労を防ぐためにできることを3つ挙げてもらった。
1.目を軽く閉じる
「ときどき目を軽く閉じましょう。1分ほどでも大丈夫です。簡単にできるので、無理なく継続できると思います。理想は1時間おきに行うこと。ドライアイの予防だけでなく、脳疲労ケアにもなるといわれています」
2.目をぎゅっと閉じて、パッと開ける
「目をぎゅっと閉じて、パッと開けるのを繰り返すことで、目のまわりの筋肉をストレッチすることができます」
3.遠くを見る
「遠くを見ることで、ピント調節している毛様体筋をゆるめることができます」
目の疲れや身体の疲労感や倦怠感を感じたときには、眼精疲労の可能性もある。軽度の場合にはこれらの自分でできるケア方法を行うのが良いだろう。症状が気になる場合には、すぐに専門医にかかるのをおすすめする。
【調査出典】
サーティフィット「新しい生活様式下における健康状態調査」
取材・文/石原亜香利