「ワークマン」は作業服に留まらず、スポーツ・アウトドア用品へ領域を広げ、コストパフォーマンスがよい高機能な商品がユーザーに評価されている。
今回スパコロは10代~70代9,921名を対象に実施した「競合探索調査 ワークマン編」の結果を発表した。
買い物のときに、ワークマンのほかに候補にあがる店が「ある」は約6割。「ない」は約4割
『買い物をしようと思ったときに、ワークマンに代わって選んだり、ワークマンとどちらを利用するか迷うお店はありますか?』いう質問に対して、「ある」と回答した人の合計は、ワークマンの1年以内利用顧客のうち61.7%。これに対し「ほとんどない」と回答した人の割合は38.3%。1年以内利用顧客の約4割が他店と迷わずワークマンを選んでいることがわかる。
ワークマンの競合1位は? 業態別では「ホームセンター」「アパレル」「スポーツ用品店」と比較されている
買い物をしようとしたときに、ワークマンと比較して思い浮かべられる店舗の1位「UNIQLO」12.2%、2位は「カインズ」9.9%、3位「コーナン」8.2%が続いている。
業態別の合計でみると、「ホームセンター」が52.0%でトップ。続いて、「アパレル店」が20.5%、「スポーツ用品店」が8.1%で続く結果に。ワークマンの利用目的に応じて、”作業服·作業用品店”の競合としての「ホームセンター」、”機能性ウェア”の競合としての「アパレル店」、”スポーツウェア·シューズ”の競合としての「スポーツ用品店」が想起されているようだ。
競合の1位は「UNIQLO」となったが、近年ワークマンが機能性の高い商品を多く出していることから、その比較対象として「UNIQLO」が考えられているのかもしれない。
ワークマン、直近1年間で5人に1人が利用を経験
ワークマンの顧客構造についてみると、直近1年間で1万円以上購入している「ロイヤル顧客」の割合が3.2%。そして、直近1年間で1万円未満の「一般顧客」の割合が20.7%。直近1年間で5人に1人以上がワークマンでの購買を経験していることがわかった。
また、直近1年間の購買者における継続購入意向者の割合は87.4%と、9割近くにのぼる結果となった。
ワークマン、作業服よりもアウトドア・スポーツや日常利用のために利用されている?
作業服·作業用品店の印象が強いワークマンだが、実際何を買う目的で利用されているのか。目的の商品ジャンルは上位から「アウトドア·スポーツ」24.6%、「靴·長靴」23.8%、「防寒着・防寒グッズ」23.3%、「ワークマンプラス関連商品」22.1%。上位の傾向よりワークマンならではの高機能性商品への需要が伺える結果となった。
買い物の目的の上位には”スポーツ”や”ワークマンプラス”、”レインウェア”、”カジュアルウェア”などのジャンルが多くあることから、『スポーツやアウトドア、 日常利用のためのワークマン』が受け入れられていると推察できる。
ワークマン利用者に聞いた、『〇〇を買うならどこ?』
直近1年間にワークマンを利用している人に、作業服·作業用品、スポーツ用品、アウトドア用品の購買ジャンルについて、『もしそれを買うために一つだけお店を選ぶとしたらどこ?』という質問をした。
まず、作業服·作業用品では1位「カインズ」(22.5%)、2位「コーナン」(16.2%)、それ以降もホームセンターが続いており、「ワークマン」は6位の位置づけに。
続いて、スポーツ用品では、1位「ゼビオ」18.4%、2位「スポーツオーソリティー」(14.9%)、「ワークマン」は(11.9%) で3位に。 アウトドア用品においてもスポーツ用品同様に1位「ゼビオ」18.1%「スポーツオーソリティー」(17.8%)、「ワークマン」が(16.4%)で3位という結果に。
スポーツ用品、アウトドア用品の選好ではそれぞれの大型店、専門店がひしめく中でもその機能性を求めてか、1割以上の人が「ワークマン」を1番に選ぶということがわかった。
ワークマンの利用理由TOP3は「低価格」「ワークマンプラス」「機能性」
ワークマンが利用されている理由トップ3は、「価格が安いから」(64.7%)、「ワークマンプラスの商品があるから」(42.8%)、「機能性の高い商品が買えるから」(32.8%)。上位の理由より、ワークマンは高い機能性とコストパフォーマンスが評価されていることがわかる結果となった。
ワークマンは、プロユースの作業服·作業用品の店というよりも”ワークマンプラス”のようなアウトドアやスポーツウェアを中心とした“機能性“の高い商品が手ごろな価格で買えるお店としての認識で利用されている様子だ。
今回の調査では、ワークマンの競合を探索してみた。すると、これまでの作業服·作業用品店のイメージとは反して、競合の1位としてUNIQLOが挙げられたほか、ホームセンターやアパレル店、スポーツ用品店が主な比較対象として考えられていることがわかった。
ワークマンは、作業服に留まらず、スポーツ・アウトドア用品へ領域を広げ、コストパフォーマンスがよい高機能な商品がユーザーに評価されている。
今後、このワークマンの強みが認知・理解されることによって、ユーザーが増え、より浸透していくことが予想される。
比較対象とされている業界の方々としては、今後もワークマンから目が離せない展開となるかもしれない。
調査概要
スパコロ『競合探索調査 ワークマン編』
調査方法:全国10~70歳を対象としたインターネットリサーチ
調査期間:2021年6月7日(月)
有効回答数:9,921名 ※全国の人口構成に合わせたウェイトバック集計を実施
構成/ino.