■連載/阿部純子のトレンド探検隊
たった40分間で乾きの違いは歴然!
梅雨の時期は特に頻度が増える部屋干し。部屋干しの悩みは「乾きにくい」「部屋干し臭が気になる」の2点に集約される。この二大お悩みを解決できるのが、速乾性と、「ナノイーX」での衣類除菌で部屋干し臭を抑制する、パナソニックのハイブリッド方式衣類乾燥除湿機だ。
洗濯物の水分が、周りの乾いた空気に移動することで洗濯物は乾くが、周囲の空気が高湿になると水分が移動できずなかなか乾かない。じめじめとした梅雨時期に乾きにくいのはこのためだ。
洗濯物を速く乾かすには「湿気を取る」「風をあてる」ことが条件となるが、衣類乾燥除湿機は、空気に含まれた湿気を除湿し風を当てることで、水分の移動をさらに促して速乾を実現する。
パナソニックが行った自然乾燥、扇風機、衣類乾燥除湿機を使った実験では、衣類乾燥除湿機だけが運転開始から約5時間で室内が適切な湿度(40~60%)になり、洗濯物の残水率では、約4時間後には7%とほぼ乾いた状態に、約6時間後には0%と完全に乾いた。一方、約10時間後の自然乾燥の残水率は41%、扇風機は22%と乾いていなかった。
洗濯したTシャツを約40分間、自然乾燥と衣類乾燥除湿機(F-YHUX120)で乾かした状態を比較した。
40分後にどこまで乾いているかをチェック。衣類乾燥除湿機(画像左)は肩、首回りが若干湿っているが、それ以外はほぼ乾いた状態。乾きにくいワキの下もカラカラになっている。自然乾燥(同右)は、目視でもはっきりわかるほど湿っている。
パナソニックのハイブリッド方式衣類乾燥除湿機は、コンプレッサー方式とデシカント方式を組み合わせ、季節、湿度、温度に合わせて2つの方式をバランス良く組み合わせて自動で運転するのが大きな特長。
梅雨や夏に強いコンプレッサー方式と、秋・冬にも強いデシカント方式の良いところ取りをして、互いのデメリットを補うのがハイブリッド方式で、季節を問わず、スピーディーに乾燥できる。パナソニックのハイブリッド方式は2005年に発売し、累計販売台数100万台を突破した人気の商品となっている。
ハイブリッド方式衣類乾燥除湿機は、洗濯スタイルに合わせて選べる3機種がある。一番人気のスタンダードモデルが1回で4人分の洗濯量が乾かせるF-YHUX120(画像中央/オープン価格・想定価格は7万円前後)。スタイリッシュなデザインのF-YHUX90(同左)は2.5人分の少人数向けで、置き場所を取らない省スペースタイプ。大人数ファミリー向けのF-YHUX200(同右)は4.5人分でダントツの速乾力がある。
今年4月に発売されたスタンダートモデルF-YHUX120は新たにツインルーバーを搭載。左右独立したルーバーが異なるスピードでスイング。スペースがなく洗濯物を詰めて干しても、さまざまな方向に風を届けて、洗濯物を揺らして広げながら風を送り込むので早く乾く。また、たっぷり干した場合でもワイド送風モードでは幅が約165㎝と、隅々まで風がしっかり届く。
衣類乾燥除湿機を使用する時期は、梅雨は9割以上、降雪や気温が低い冬は約8割。新製品ではこの季節に着目し、「梅雨モード」「冬モード」を新搭載した。
衣類乾燥が終わった後も自動で部屋を除湿するのが「梅雨モード」。せっかく乾いても、運転が終わって湿度が上がると、衣類に水分が戻ってしまうため、湿度が高くなると除湿をしてくれる。「冬モード」は乾燥しがちな時期に、衣類乾燥除湿機を使うことで部屋が乾燥し過ぎてしまうのを抑えてくれる。
部屋干しの大きな悩みであるニオイも、ナノイーXにより部屋干し臭の原因菌を除菌しながら、部屋干し臭自体を抑制する。ナノイーXによる衣類乾燥時以外にも使えるケアモードもあり、梅雨や花粉の時期などに重宝する。
お手入れも簡単で、フィルターと水タンクだけ。F-YHUX120は後ろにフィルターがついていて簡単に外せる。1か月に1回程度を目安に、掃除機でフィルターに付いたホコリを取り除くだけでOK。
水タンクは環境や量にもよるが一度の運転で結構たまるので、使用ごとに水を捨てるようにする。ハンドルがついているので持ちやすく、傾くことがないので捨てる場所まで水をこぼさずに持っていける。
衣類乾燥除湿機を使いこなしてさらに便利に
家庭によって干す場所や干し具はさまざまだが、衣類乾燥除湿機を使って効率よく乾かす方法を紹介しよう。
〇アーチ干し
風の流れを邪魔しない干し方で洗濯物の量が多いときにも効率よく乾かせる。洗濯物は除湿器を中心に、背丈が短い順にアーチ型に並べる。量が多いときは、アーチ干しに「上方向」×「ワイド」モードで設定。乾きにくい下部分をめがけて送風する。
〇フラップ活用法
ツインルーバーの先についているフラップは、風が通る道に「小道をつける」役割を持つ。洗濯物の真下に衣類乾燥除湿機を置いて、風向きを広げたいときはフラップを半開きにすると両側に風が行き渡る。
〇タオルは斜めがけ
バスタオルと衣服を一緒に乾かす場合、上下二段の干し具なら上に小さいもの、下にタオルやシーツといった大きいものを干す。タオルは前後左右をずらしてかけると乾きやすくなる。風がまんべんなくあたるようにタオルをずらし、「全方向」×「ワイド」にすれば速乾が実現。
〇ズボン、ジーンズは逆さま干し
前と後ろの二段になっている干し具だったら、後ろ側(高い方)の真下に衣類乾燥除湿機を置き、「全方向」×「ウエーブ」モードにするとまんべんなく風を当てることができる。
ズボン、ジーンズは裏返しにして筒状に吊るし、天日干しの場合はウエスト部分を上にするとよく乾くが、衣類乾燥除湿機の場合は、ウエスト部分を機器に向けるように逆さまに干すと風が良く通り乾きやすくなる。乾きにくいジーンズでも、逆さま筒干しして、「全方向」×「スポット」モードにすれば早く乾く。
部屋干しのコツについては公式サイトにて詳しく紹介しているのでぜひ参考に。
風向きなどのさまざまなモード設定があるが、前回行ったモードを記憶しているので、干し具が同じ場合は毎回操作を設定する必要はない。また、浴室で干す場合は、浴室内ではなく、手前の洗面所に衣類乾燥除湿機を置いて乾かすようにする。
速く乾いて、ニオイが抑えられれば部屋干しはメリットが多い
季節商品のイメージが強い衣類乾燥除湿機だが、パナソニックの調べでは1年中部屋干しという人も約3割おり、晴天率が高い8月でもゲリラ豪雨などの影響から、乾燥除湿機ユーザーの約6割が使用しているという結果が。いまや衣類乾燥除湿機は季節を問わない「日ごと商品」となっている。
部屋干しする場所は約半数がリビングと回答。家族が集まるリビングでの大量の洗濯物は邪魔で鬱陶しいもの。速く乾いて、ニオイも抑制する衣類乾燥除湿機は一度使うとやみつきになるというのも理解できる。
リモートワークが増えて、洗濯物は部屋着が多くなったことから、部屋干ししてそのままハンガーにかけておき、そこから直接取って着るというユーザーも。洗濯物をたたんでしまう手間も省けるので洗濯ストレスも軽減。何枚かをルーティンで着まわしているという方にはおすすめの使い方だ。
文/阿部純子