夏本番が近づきお中元をもらう回数が増えてくると、お礼のマナーを確認したいシーンも多いでしょう。メールはお礼の手段として便利ですが、失礼でないか心配な人もいるはずです。メールでお礼をしてもよいのか、送るタイミング、正しい書き方を紹介します。
お中元のお礼をメールでするのは失礼?
そもそも、お中元のお礼をメールで済ませるのは、マナーとして問題ないのでしょうか。お中元のお礼に対する適切な対応を知り、相手に失礼のないようにしましょう。
親しい間柄の相手ならOK
親しい間柄の相手であれば、お中元のお礼をメールで済ませてもOKです。メールではなく、お礼状を出すのが一般的なマナーにはなりますが、メールならすぐに感謝を伝えられるのはもちろん、より相手に寄り添った方法で感謝を伝えられます。
たとえば、義両親からお中元が届いた場合はどうでしょう。マナーに従えば、お礼状を出すのが正解です。しかし、お中元を手にした孫の画像や動画を添えたメールの方が、略式マナーでもずっと義両親には喜ばれるでしょう。
ビジネスでは封書が基本
一方で、ビジネス関係は封書のお礼状が基本です。また親しくしている相手でも、お礼状の相手が目上の人なら、封書の方が無難です。
とはいえ、メールでのお礼自体はNGではありません。お中元が届いた直後の取り急ぎの連絡として、メールで連絡することは多いものです。その後改めて封書でお礼状を送ると、丁寧な印象を与えられます。
ハガキでお礼状を送るのも、マナー上は問題ありません。ただし、相手の手元に届くまでの過程で第三者に内容を見られる可能性があります。誰に見られても問題ない内容にするのはもちろん、雨に濡れてお礼状が読めなくならないよう、水性ペンは避けた方がよいでしょう。
メールを送る時期や書き方のポイント
お中元のお礼をメールでするときに、送るタイミングや書き方に迷うこともあります。メールを送る時期や書き方のポイントを押さえましょう。
お礼メールはお中元が届いたらすぐ送る
お中元に限らず、お礼のメールは品物が届いたらすぐ送りましょう。メールであれば、当日中に送るのがマナーです。ビジネス関係なら相手の営業時間内に送り、当日中にお礼のメールを相手が確認できる状態が理想です。
ハガキや封書でのお礼状は、品物が届いて1週間以内に送りましょう。1週間以内といっても、メールと同様にできるだけ早く送るのがマナー上でも正解です。
お礼状は感謝の気持ちを伝えるだけでなく、品物が無事に届いた報告も兼ねています。お礼状を送るのが遅くなりそうな場合は、先にメールで簡潔に感謝を伝え、改めてお礼状を送りましょう。
メールの件名は必ず書く
メールでお礼状を送るときに、重要な役割を果たすのが件名です。ビジネスで付き合いのある相手へのお礼はもちろん、親しい間柄の人へのお礼でも、件名は必ず入れましょう。
相手が忙しければ忙しいほど、メールの件名は大きな意味を持ちます。毎日数十通のメールを受け取る人の場合、件名でメール確認の優先順位を決めていくのです。忙しい相手の時間や手間を取らせないためにも、メールの件名を入れるのがマナーとなります。
件名について難しく考える必要はありません。「お中元について」など内容が端的に分かりやすく伝わればOKです。件名が長いと端末によって後半が切れてしまうため、件名は短くしましょう。
贈り物への感想も忘れずに
お中元のお礼をメールでするときは、贈り物への感想も忘れずに書きましょう。封書で後からお礼状を送る場合も、メールでも感想を伝えるとよいでしょう。お中元が届いたのは伝わったのに感想がないと、「気に入らなかったかな?」と相手は不安になります。
お中元のお礼をメールでするのはあくまで略式で、丁寧なお礼は封書ですべき、と考える人もいるでしょう。しかし、贈り物の感想やお礼は繰り返されても悪い気はしません。1文でも自分の言葉で綴った感想を入れましょう。
お礼メールの書き方と例文
実際にお中元のお礼メールを書くときは、どのように書けばよいのでしょうか。親しい人とビジネス関係に分け、例文とともにお礼メールの書き方を見ていきましょう。
基本の構成
お中元のお礼メールの基本的な構成は次の通りです。
- 時候のあいさつ
- 相手の健康や安否を問う文面
- お中元へのお礼と感謝
- 相手の無事や健康を願う文面
- 日付と差出人の名前
『拝啓』『敬具』といった頭語・結語は、封書と違ってメールでは使いません。丁寧な文章にしようとして間違えがちなため、注意しましょう。
親しい人へのお礼メール
親戚や親族を例に、親しい人へのお礼メールの例文を紹介します。
件名:お中元が届きました
梅雨も明け、厳しい暑さが続いています。お変わりなくお過ごしでしょうか。私たち家族は毎日元気に過ごしています。
先ほど、お中元の品が届きました。いつもお心遣いありがとうございます。ゼリーは子どもたちの大好物で、●●(子どもの名前)も喜んでいます。
しばらく会えていませんが、次にお会いできる日を家族一同楽しみにしております。くれぐれもご自愛ください。
2021年7月15日
●●(差出人の名前)
ビジネス関係のお礼メール
続いて、ビジネス関係のお礼メールの例文を紹介します。
件名:お中元への御礼
株式会社○○
営業部 ○○様
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。株式会社●●の●●でございます。
さて、本日は結構なお中元の品を賜り、誠にありがとうございます。いつもながらのご厚意に深く感謝申し上げます。お送りいただいたお菓子は、早速社員一同でおいしくいただきました。
向暑の折、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げますとともに、今後とも変わらぬお付き合いのほどをよろしくお願い申し上げます。略儀ながら、書中をもちまして御礼申し上げます。
2021年7月15日
株式会社●●
営業部 ●●(差出人の名前)
構成/編集部