日本有数のリゾート地、避暑地、そしてドッグフレンドリーリゾートでもあるのが那須高原。その深い森の中に、ひっそりと建つのが、新しい生活様式、新しい旅のスタイルに相応しい滞在先と言えるDOG LOVER’S VILLA Leafである。
愛犬同伴専門のリゾートホテルであるホテルフォレストヒルズ那須の別邸として誕生した、まったく新しい貸別荘タイプの完全会員制(入会金・年会費無料)の、家族やごく親しい友人たちと過ごすプライベードヴィラなのです(クルマは数台駐車可)。
なんとも素晴らしいのは、チェックインは午前8時から。チェックアウトはお昼12時という滞在時間の長さ。これなら、早朝、道が混んでいない間に移動でき、夏であれば涼しい時間帯に那須高原に到着できるメリットがあるところ。
DOG LOVER’S VILLA Leafの宿泊料金は1泊9万円(税別)から。ちょっとお高めな印象だが、実はそうでもない。というのは、3ベッドルームで最大6人まで宿泊できるため、3つのベッドルームを2人ずつ使えば、1人当たりなら1泊1万5000円(税別)になるのだ。それで1泊の滞在時間は延べ28時間!! 多くの宿泊施設は午後3時チェックイン、翌日朝11時チェックアウトで滞在時間は20時間だから、滞在1時間あたりの料金は約3215円/税別と、お得に、しかもゆっくり滞在できるというわけなのである。
その環境も素晴らしいの一言。総敷地面積は2426㎡(テニスコート約9面分)、ヴィラの延べ床面積は242㎡、手入れの行き届いたBBQテラス付きの芝生の庭(プライベートドッグラン)だけでも700坪ある、モダンで豪華すぎる、エクスクルーシブなヴィラなのだ。
重厚なドアを開け、館内へ入ると、最初に目に飛び込んでくるのは、700坪の芝生の庭に面した広く解放感あるリビングダイニング。その左手には、トイレ、パウダールーム、箱庭を望む石づくりのバスルーム、備品がふんだんにそろっているパントリー、そしてフルキッチンスペースが。
3つあるベッドルームはすべて庭に面していて、トイレや洗面スペース、テラスを完備。手前ふたつが約23㎡の広さで、一番奥のメインベッドルームが32㎡の広さ。スタイリッシュな天蓋付きのベッドや、館内あちこちにある凝ったデザインのオブジェなどは、あえて地元の若い建築家にお願いしたものだとか。
しかも、すべての寝室がファイテンルーム仕様。ファイテンルームとは、客室全体(天井・壁・ベッドマットレス・ソファ・トイレ・洗面・クロゼット)に、ファイテンが独自開発したナノテクノロジー「アクアメタル」の技術、ファイテン アクアチタンを吹付定着させたファイテンルームシャワーが施され、飼い主や同伴の愛犬にとって、リラックスした快適な生活と眠りを提供してくれる特別な空間になっている。
さて、DOG LOVER’S VILLA Leafは貸別荘タイプのヴィラということで、食事は自炊、または広大な庭の一角にある屋根付きBBQテラスでのBBQが基本。しかし、今回体験したのは、DOG LOVER’S VILLA Leafのオプションメニューとして用意されている、出張板前サービス。銀座久兵衛のほか、ミシュラン星付き店などで十年修行したのち、さらなる技術を求め割烹に転職、北海道や福岡の和食店で腕を磨き、30歳の時に銀座で独立。2021年1月まで銀座ですき焼き割烹店『古郁』を営業していた料理人の小林郁男氏が、那須の自然と食材に魅せられ、家族とともに那須に移住。2021年春から、DOG LOVER’S VILLA Leafの出張板前サービスで、その腕前を振るっているのである。
寿司職人、和食料理人の小林氏が、滞在客のためだけにヴィラに来てくれる出張板前サービスの料金は1人22000円(税込み)。昼の部12:00頃から約2時間、または夜の部17:00頃から約3時間(前後1時間の準備、片付けあり)。利用条件は11万円(税込み)以上。人数が満たない場合は、追加料理や飲み物で調整。ここDOG LOVER’S VILLA Leafは最大6名までの宿泊が可能なので、3ベッドルームに2人ずつ宿泊すれば6名となり、利用条件をクリアできることになる(5名以上でOK)。
メニューは”銀座”の味を堪能できるおまかせ鮨コース。内容は前菜、おまかせ鮨15種、しゃぶしゃぶ、水菓子など。アレルギーや苦手な食材に関しては、3日前までに連絡すればよい。
午後6時。持ち込みのシャンパンで乾杯し、いよいよ鮨懐石といっていいプライベートディナーの始まりである。滞在時のメニューは、前菜が、那須高原の夏野菜と紅ずわい蟹の土佐酢あえ。清涼感あるお皿、盛り付けなど、夏のディナーのスタートにぴったりだ。
と、ここで料理人の小林氏が突然、庭へ。なんと、この日、豊洲市場から直送された(夕方に到着とのこと)新鮮な魚介類の中の一品、金目鯛を藁の火で豪快にあぶるファイヤーパフォーマンスが行われたのである。そしてあぶった金目鯛を切り分け、薫り高くテーブルへ。
つぎに、海老しんじょうと翡翠茄子、すりおろしたばかりのわさびを挟んでポン酢でいただくマコガレイのお刺身、北寄貝のあぶり、ふきと明太子添えが続く。
ここでお椀としてトリフ牛シャブが登場。もうすでに、ここまでの絶品料理に感動しきり、銀座の名店で料理をいただいているような満足に浸れるのだが、鮨職人の小林氏の本領発揮はここから。
天然のワサビをすりおろし、豊洲市場直送の鮮魚を贅沢に使った鮨コースの始まりである。
今夜はおまかせ握り寿司は、鮪のトロ、赤身、マコガレイ、イカ、穴子、こはだ、はまぐり、あなご、宝石のようなイクラなど全15貫。
そしてシメはウニご飯とお椀・・・。たまらない!!
最後に小林氏がすべてを手作りしたあんみつでフィニッシュ。贅沢で美味しすぎる鮨コースを、プライベートなヴィラの空間で、料理人と対面しつつ、約3時間をかけて、”銀座”の味をいただいき尽くすことができた。小林氏の人柄の良さも、食事を盛り上げてくれたのである(メニューは滞在当夜の一例)。
この出張板前サービスは、ただ贅沢で、美味しいだけではない。貸別荘、ヴィラでの自炊の食事ともなれば、準備、後片づけが大変。しかし出張板前サービスでは、前後1時間ほどの準備、片付け時間が設けられ、滞在客はただ食べて満足し、感動すればいいだけなのである。女性陣にとって、これは願ったり、叶ったりのプライベートディナーではないだろうか。
夕食後は、リビングダイニングスペースの大型TVでDVDを鑑賞するのもよし、テラスで一杯飲みなおすのもよし、石づくりのバスルームでリフレッシュするのもよし。銀座の味を堪能しつつ、家に帰る必要はない、幸福な時間、滞在が保証されているのである。
もちろん、翌朝の朝食は自炊になるものの、那須高原には美味しいパン屋や、品揃えに定評ある(特に肉類)スーパーマーケットのダイユーもあり、あらかじめ買い揃えておけばよい。
コロナ禍の中、一般的なホテルの滞在に抵抗がある人も、こうした完全なプライベート空間となる、一軒家の貸別荘、それも贅沢すぎる環境、客室、設備、オプションサービスが揃ったDOG LOVER’S VILLA Leafなら、日ごろのストレスから解放された、大自然の中の大人の自由時間を、目いっぱい楽しめるはずである。しかも、愛犬同伴で・・・。
なお、午前8時から行えるチェックインは、本館のホテルフォレストヒルズ那須の那須ドッグクラブにて。今回紹介した出張板前サービスのほか、ネイチャーウォーク、ウォーターアクティビティ、出張エステ&リラクゼーションなど、各種オプションサービスを取り揃えている。また、外来ゲストを14名まで招待可能なので、大人数でのパーティーもOK(宿泊は最大7名まで)。家族の誕生日や記念日など特別な日に、できれば5人以上で訪れたいエクスクルーシブな、那須時間にゆったりと身を任せられる、深い森の中にあるエルミタージュ(隠れ家)である。※記事の内容はすべて取材時点のものです。
DOG LOVER’S VILLA Leaf
https://www.dog-lv.jp/
写真/雪岡直樹
文/青山尚暉
モータージャーナリスト。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。自動車専門誌の編集を経て、現在、モータージャーナリスト、愛犬との快適安心なカーライフを提案するドッグライフプロデューサーのふたつの肩書を持つ。小学館PETomorrowでも「わんこと行くクルマ旅」を連載中。最新刊に「愛犬と乗るクルマ」がある。