NY生まれのイヤホンブランドStatus Audioが上陸!完全ワイヤレスイヤホン「BETWEEN PRO」とANCヘッドホン「FLAGSHIP ANC」を早速レビュー
2021.06.21■連載/ゴン川野のPC Audio Lab
デザイン、音質、コスパの三拍子揃った製品
Status Audioは2014年にニューヨーク・ブルックリン地区で創業されたオーディオメーカー。ヘッドホンとイヤホンを製品化。今回、日本に上陸したのはANCを搭載したヘッドホンと完全ワイヤレスのイヤホンである。
「BETWEEN PRO」は黒を基調とした落ち着いたデザインに、最新技術を盛り込んで、U2万円を実現。スタイル、音質、ハイコスパの三拍子が揃ったイヤホンとヘッドホンを試聴した。現在はクラウドファンディングで発売中。7月には1万9800円で販売される予定だ。「FLAGSHIP ANC」は2万6800円で発売を予定している。
ダイナミック型とバランスドアマーチュア型のハイブリッド
「BETWEEN PRO」は10~100Hzを再生するφ10mmのダイナミック型ウーハーに、100Hz~20kHzを担当する2基のバランスドアーマチュア型ツイーターを組み合わせた3Way3ドライバー構成の凝った作りになっている。これによって量感のある中低音と、繊細で歯切れのいい高音が再生される。コーデックはSBCに加えてACCとaptXに対応、連続再生時間は12時間、イヤホンケースで36時間分の充電が可能だ。充電時間は90分で接続ケーブルはUSBタイプCが付属する。操作はタッチではなく物理ボタンなので確実におこなえる。
ブラックとグレーのコンビでアルミの質感をいかした仕上げになっている
ハイブリッドらしい大胆かつ繊細な音
完全ワイヤレスでバランスドアーマチュアドライバー搭載と言えば、かなりの高級機だったのだが、本機はそれを1万9800円で実現。しかも低域用にダイナミック型ドライバーを加えたハイブリッドである。低音は適度にタイトでスピード感があり、中高域と違和感なくつながる。高域は情報量が多く、細かな音まで再現するが尖りすぎず、耳に優しい。
ニューヨーク生まれのイヤホンなので、もっと尖った音を想像していたのだが、正統派のピラミッドバランスで音楽ジャンルを問わない音を聞かせてくれた。aptXにも対応しているのでiPhone専用ではもったいない、DAPと組み合わせて使いたいモデルだ。
ケースはマットブラック、イヤホンが取り出しにくいのが玉に瑕だ
イヤーチップは3サイズに加えて、フィットウイングスも3サイズ付属して交換できる
ANCの効果は期待以上
「FLAGSHIP ANC」はANCを搭載した密閉型ヘッドホンで、外音取り込み機能があり、タッチコントロール対応、マルチポイントのペアリング対応、充電は付属のUSB-Cケーブルでおこない、充電時間90分、連続使用時間は35時間となる。
カラーはマットブラックで高級感漂う。実際は樹脂製部品が多いので見た目より軽量だ。イヤーパッドは低反発素材が使われ耳に優しくフィットするが、暑くなってくると蒸れやすい。
電源をONにするだけでANCが作動して、周囲の騒音がスッと消える。ボタンを押すことで、外音取り込みモード、ANC/OFFを循環でき、英語の音声ガイドも流れる。ノイズ低減効果は100Hzまではかなり効果的で、2kHz以上ではあまり効果を発揮できない。航空機、電車内では効果的、外を走るクルマの騒音、スポーツクラブのトレッドミルの音も抑えられた。ノイズ低減効果は手元にあるScullcandy「CRUSHER ANC」より強力でノイズも少なかった。2万円台のANC搭載モデルではかなり高性能と言える。
充電用のUSB-Cの変換ケーブル、3.5mmステレオミニケーブル、航空機用プラグが付属
LRの表示は大きめで迷わない、イヤーパッドは低反発で心地よい
aptX HD対応で音質も折り紙付き
大口径ドライバーを搭載した「FLAGSHIP ANC」の音は、aptX HD接続でハイレゾ音源を聞くと、ワイドレンジでなめらかだ。ANC/OFFで音質は向上するが、常時ONでも構わないレベルだ。電池が切れたり、通信状態が良くないときのために、付属のケーブルで有線接続ができるが、この時の音もいい。驚くべき事は有線と無線での音質の差が少ないことだ。情報量も減らず、音の粒立ちもある。
2万円台のANC搭載モデルとしてはオススメの製品なので、この価格帯でANCヘッドホンを探している人はぜひ候補に加えていただきたい。
写真・文/ゴン川野