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知ってる?四字熟語「美人薄命」の意味と由来

2021.07.12

書物に目を通していると、知らない言葉や、何となく意味は分かる気がするけれど自信がない表現と出会うことがあります。『美人薄命』も、適切な理解のもとで使用したいものです。由来や例文、そして類語についても解説していきましょう。

「美人薄命」とは

『美人薄命(びじんはくめい)』とはどのような意味を持つのでしょうか。言葉の理解を深めるために、まずは意味と由来について触れていきましょう。

「美人薄命」の意味

『薄命』は、文字通り解釈すると『短命』であることを指します。そこから意味が広がり、『不幸・不幸せ』なことを表す言葉としても用いられているのです。

そして美人薄命は『美しい人は病弱だったり、運命にもてあそばれたりして、不幸せで短命なものだ』という内容として受け継がれてきた言葉になります。

生まれつき病弱であったり病気を患いがちだったりする人に、可憐さを見出す場合もあります。『美しいもののはかなさを惜しむ気持ち』を表現している言葉として、受け止められるでしょう。

由来は中国の詩「薄命佳人」

美人薄命の由来は、かつての中国に北栄時代に活躍した『蘇軾(そしょく)』という詩人の『薄命佳人』という作品が由来とされています。

『薄命佳人』は『古(いにしえ)より佳人多く命薄く、門を閉じ春尽き楊花落つ』という一説をはじめ、美貌を持って生まれた人生のはかなさについて描かれている作品です。

これが転じて、美しい人は病弱だったり数奇な運命をたどったりして、短命な人が多いという意味合いで『美人薄明』という言葉が使われるようになりました。

佳人薄命との違いはある?

現代では『佳人』を、『美人』という意味で使用されますが、かつては単に容姿が優れているだけでなく、内面的にも非の打ちどころのない人を指す言葉としても使われていました。

外見の美しい女性を指す言葉とともに、『人格的に優れた人物』を表す言葉でもあったのです。

時がたつにつれ、佳人の意味は見た目の美しさの側面が強くなっていきます。『美人薄明』と『佳人薄明』の違いとは、美しい人の要素に内面の美しさが含まれるか否かといった、ニュアンスの部分であるといえそうです。

「美人薄命」の使い方と例文

(出典) pixabay.com

ことわざや熟語は、相応しい場面で使用しなければいけません。用法を間違えてしまうと意味が通じなくなり、思わぬ恥をかいてしまうこともあるため気を付けたいものです。

美人薄命は、どのような使われ方をしているのでしょうか。適切な使用方と例文について解説します。

「美人薄命」の使い方

とてもきれいな女性が、病気を患い若くして亡くなることがあります。そのようなときに使われる言葉です。

美人という言葉を人柄のよさに置き換えて、誰からも愛される人格の人が若くして命を落としたときに使用することもあります。

また、優れた才能を持った人が急逝したときなどにも用いられる熟語です。『美』という言葉を、『才能』や『能力』と解釈して用いています。

「美人薄命」の例文

『美人薄命』は、実際どのように使われる言葉なのでしょうか。中には、新聞などで目にしたことがあるかもしれません。以下、例文を紹介します。

  • あの人気女優が人気絶頂のときに亡くなるなんて、美人薄命とはこのことだ
  • 誰からも愛されて常に信頼されていたあの女性が天に召されるとは、美人薄命というしかない
  • 美しく、素晴らしい才能が世に知れわたる前に亡くなるなんて、美人薄命とは本当なのだな

「美人薄命」の類義語

(出典) pixabay.com

どの言葉にもたいてい、同じような意味を持つ表現があるものです。それは、美人薄命にも当てはまります。

同様の意味を示す類義語について、二つ紹介しましょう。

「佳人薄命」

『佳人薄命』と『美人薄命』は近年ではほぼ同じ意味合いで使われる言葉となります。『美しさ』の定義が時代と共にわずかに変化している可能性はありますが、どちらも『美しいものの命はとかく短いものだ』ということを表しています。

ちなみに、佳人薄命の由来ともなった蘇軾の詩『薄命佳人』に見られる一文は、『昔から、美人には運命に恵まれず短命な人が多く、門を閉じたまま春を送り、柳の花も散って行くのだ』という意味です。

  • 古(いにしえ)より佳人多く命薄く、門を閉じ春尽き楊花落つ

「才子多病」

『さいしたびょう』と読むこの熟語も、美人薄命と同じようなシーンで使われることのある言葉です。美人薄命が主に女性に向けて使用される熟語であることに対して、男性向けの言葉になります。

『才子』は、生まれながらに優れた才能を備えた人のことを指しています。そして『多病』は、病気にかかりやすい、体が弱いといった意味です。

このことから、『生まれつき、周囲がうらやむほど能力が秀でた者は、病に倒れやすいものだ』ということを伝えています。

明治時代に活躍した小説家で、政治家や新聞記者でもあった末広鉄腸(すえひろてっちょう)の作品『雪中梅』にも、『跖(せき)富んで顔貧しく、美人薄命にして才子多病なり』という一文があります。

構成/編集部

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