脱炭素社会の実現に向けて、産業界全体で様々な取り組みが行なわれているが、特に慌ただしくなっているのが自動車業界だ。生き残りをかけて国内メーカーも新型車を続々投入。最新事情に迫った。
二酸化炭素の軽減、脱炭素化などの観点から、電気や水素を使用するクルマに注目が集まっている。これまではガソリン消費量の少ないハイブリッド車が省エネ、クリーンエンジンの代表だったが、ここ数年でプラグインハイブリッド(PHEV)や、100%電気で駆動する電気自動車(EV)が各社から発売されるようになった。
レクサスブランド初のEVはコンパクトSUVの『UXシリーズ』から登場。昨年10月に発売したが限定の135台は即完売。2021年に入って正式に販売を開始した。100%電気で駆動するEVは54.4kWhのバッテリーを搭載し、航続距離は367km(WLTCモード)。試乗車両はフル充電の状態で360km走行可能と表示されていた。実際に走行したが実測値と理論値の差は数㎞程度で、かなり使いやすい。これなら日常の足として使っても1週間に1回程度の充電ですみそうだ。長距離ドライブも片道100km圏内なら安心できるはず。ただし出先で給電する場合、充電スタンドに先客がいると30分待ちは覚悟したほうがいい。また集合住宅に住んでいる人は充電設備があるかどうか事前に確認しておきたい。
最後にガソリン車との価格差を調べると『UX300e』は、ガソリン車より約120万円高い設定となっている。これらのクルマを選ぶなら社会のためという気持ちが必要かもしれない。
上質な走りと優れた静粛性を追求したSUV
レクサス『UX300e』
Specification
■全長×全幅×全高:4495×1840×1540mm
■ホイールベース:2640mm
■車両重量:1800kg
■電池容量:リチウムイオン電池54.4kWh
■モーター形式:交流同期
■最高出力:203PS
■最大トルク:300Nm
■変速機:1段
■一充電走行可能距離:367km(WLTCモード)
■車両本体価格:635万円
※グレードは「バージョンL」
すっかり定着した感のあるレクサスの顔。スピンドルグリルは角度によって模様が変わるブロックメッシュ。ヘッドライトは3眼LEDの薄型で、上部に細長いドライビングライトを搭載。
フロントとリアフェンダーを膨らませてスポーティーな印象を演出し、ウエッジシェープを利かせている。EV用バッテリーを床下に配置。ボディーカラーは新色を含め全13色を用意。
リアにもスピンドルをテーマにしたラインを採用。テールランプは左右一体化し横長に灯される。テールランプの両端を立体的な縦フィン状にしたことで空力性能を確保した。