今Netflixで大人気のスペイン発オリジナル作品だが、そこに日本のヤクザ映画をミックスした新作が到着。
Netflixで2021年6月4日より独占配信中の映画『エクストレモ』は、スペインで制作された任侠アクション。
マフィアの後継者争いに巻き込まれ息子を殺害された殺し屋による復讐劇だ。
『アンリミテッド』のダニエル・ベンマヨール監督が、故郷バルセロナで撮影した。
あらすじ
スペイン、バルセロナ。一線を退いた殺し屋マックス(テオ・ガルシア)は、ひとり息子アンダーとのあたたかい暮らしを何よりも愛していた。
身寄りのないマックスは、マフィアのボスであるリカルドのもとで、息子同然に育てられた。リカルドには実の息子ルセロがいたのだが、彼が後継者に選んだのはマックスのほうだった。
激怒したルセロはリカルドを殺害した後、部下に命じてマックスの自宅を襲撃させ、アンダーを殺害。瀕死のマックスは、一緒に育った義妹マリアによって密かに救出された。
それから2年後。
かろうじて生き長らえたマックスはスラム街の一角にある古いガレージに潜伏、復讐のために日々武術を研鑽していた。
ルセロに対する復讐のチャンスは一度きり。それは近々開催されるコンクラーヴェ(ボスを選出する会議)だ。
ある日マックスは、マフィアに襲われていた不良少年レオを助ける。父親のいないレオは、薬物売買によって家族を養っていたのだった。
最大の目標はコンクラーヴェでルセロを倒すことなのだが、偶然出会ったレオのことも放っておけないマックス。
果たしてマックスはルセロを倒すと同時にレオも救うことができるのか!?
見どころ
日本の任侠映画やカンフー映画へのオマージュ的なアクション映画。
敵役のルセロも、日本帰りという設定だ。「日本から戻って以来、お前は人の生死に無関心になった……」とリカルドに嘆かれていたが、いったい日本で何があったのかは不明。
突然カタコトの日本語で会話したり、畳の上で戦ったり、招き猫が出てきたりと、日本的な要素が随所に散りばめられており楽しい。
亡き息子の面影をレオに重ねたマックスが彼に格闘技を教えるシーンは、カンフー映画でよく見る師匠と弟子のようだ。
ちなみにタイトルは、スペイン語で“extreme(極端な、極度の、等)”という意味。おそらく“極道”が由来と思われる。
スペインらしさはありつつも、“弱きを助け強きをくじく”精神は日本の任侠映画と同じ。
アクション・シーンが多めなので、「考えるな、感じろ!」
Netflix映画『エクストレモ』
独占配信中
文/吉野潤子