コードレスで音楽を楽しめるため便利なBluetoothイヤホン。特にコロナ禍の現在はマスクの上から気軽につけ外しできる完全ワイヤレスイヤホンを利用している人も多いでしょう。
そんなBluetoothイヤホンですが、ECサイトや家電量販店で商品を見ている時に「aptX」や「AAC」といった表記があるのを確認したことはないでしょうか。今回は、“コーデック”と呼ばれるこれらの意味について紹介していきます。
コーデックを理解するとイヤホンの選び方が変わる!?
Bluetoothイヤホンで音楽や動画の音声を再生するためには、基本的にスマートフォンといった再生デバイスで音声ファイルを圧縮し、そのデータをイヤホンに伝送しなければいけません。
ワイヤレスイヤホンにおけるコーデックとは、デバイスからイヤホンに音楽・音声ファイルを伝送する際に使用する「音声圧縮変換方式」のことを指します。
イメージとしては、“電池”と一口にいっても単1型乾電池・単2型乾電池・単3型乾電池と複数の種類があるように、コーデックの中にも複数の種類があります。それが、冒頭でも登場した「aptX」や「AAC」といった規格です。
Bluetoothイヤホンやスマートフォンには対応しているコーデックがあり、それぞれに特徴があります。より高音質を楽しみたい、遅延の少ない音声を楽しみたいという人はそれに適したコーデックに対応している製品を選ぶ必要があります。
Bluetoothイヤホンに使われる代表的なコーデックは「SBC」「aptX」「AAC」「LDAC」の4種類
ここからは、具体的に、Bluetoothイヤホンで採用されているコーデックの種類や特徴についてそれぞれ紹介していきましょう。
Bluetoothイヤホンのコーデック【SBC】
SBCは「Subband Codec」の略称で、Bluetooth製品が標準で使用する音声圧縮技術のことを指します。Bluetooth機器は基本的にSBCに対応しているので、特にコーデックを気にすることなくワイヤレスイヤホンを購入しても、スマートフォンと接続して音楽を再生することができるというわけです。
Bluetoothイヤホンのコーデック【aptX】
aptXは主にAndroidスマートフォンといった機種で使用されているコーデックで、SBCと比較すると圧縮率が低く、高音質で低遅延という特徴があります。より高精細な音楽や遅延の少ない音楽をAndroidスマートフォンで再生したい人は、aptXに対応している製品がおすすめです。
Bluetoothイヤホンのコーデック【AAC】
AACは「Advanced Audio Coding」の略称で、主にiPhoneといったアップル製品で使用されているコーデック。こちらもSBCと比較すると高音質という特徴があるので、iPhoneと接続してよりきれいな音を聴きたいという人はAAC対応のワイヤレスイヤホンがおすすめです。
Bluetoothイヤホンのコーデック【LDAC】
LDACはソニーが開発した、ハイレゾ音源をBluetooth経由でも伝送可能とする音声圧縮技術のことを指します。音声ファイルを一度圧縮し伝送するという仕組み上、Bluetoothイヤホンでハイレゾ音源を再生することは難しいのですが、LDACであればハイレゾ音源をほぼそのまま伝送することが可能。
というのも、LDACでは従来のコーデックと比較すると約3倍のデータ量の送信が可能とのこと。これによりBluetoothイヤホンでも“ハイレゾ級”の音声が再生できるようになっています。
【参照】SONY ヘルプガイド
【参照】Owltech SBC/AAC/aptxとは何ですか。
【参照】SHARP よくあるご質問
※データは2021年6月上旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
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文/佐藤文彦