
ここ数年、化粧品メーカーからメンズコスメブランドやメンズシリーズが多く誕生し、スキンケア商品だけでなくメイクアップ商品も発売され、コロナ禍においても拡大をみせているメンズビューティ市場。
また、デザインや香りなど性別問わず使用できるユニセックスな商品の増加、化粧品ブランドの広告に男性が起用されるなど、美容におけるジェンダーダイバーシティが進みつつある。
そんな中、アイスタイルは@cosmeのプロデュースメンバーである、18-69歳女性 5,820名を対象に、女性のメンズビューティ受容に関するアンケート調査を実施した。
約7割が男性のメイクアップを受容、約2年で25%UP
1.男性がスキンケア/メイクアップをすることへの女性の受容は伸長
(1)95%が男性がスキンケアをすることを受容
18~69歳の@cosmeプロデュースメンバーの女性5820人に調査を実施した結果、95%が男性がスキンケアすることを「まあいいと思う/とてもいいと思う」と回答した。男性のスキンケアに対しては非常に受容が高いといえる。
(2)約7割が男性のメイクアップを受容、約2年で25%もUP
一方、男性がメイクアップをすることへの受容は、スキンケアに比べれば3割弱下がるものの、約7割が「まあいいと思う/とてもいいと思う」と回答した。
2019年度の調査結果と比較すると、スキンケアは2019年時点で高い数値だったため4%と微増だったが、メイクアップは25%もUPしており、この2年間で「男性がメイクアップをすること」への受容は大きく向上したと言えそうだ。
ただし、年代別で見てみると18~24歳では9割が受容しているのに対し、45歳以上では5割と、今回の調査の中で最も年代間の差が見られた。
メイクアップの受容については、若年層が牽引し、高年齢層の考え方を変えていくことが今後期待される。
(3)18~24歳の6割弱が周囲にメイクをする男性が増えたと実感
実際に自身の周囲でスキンケアやメイクアップをする男性が増えたという実感を持っているかを聴取したところ、スキンケアで7割強、メイクアップで4割強という結果だった。
2019年度の調査結果と比較すると、スキンケアは4%増、メイクアップは7%増と伸びている。
しかし、前述のスキンケア・メイクアップの受容の結果ほどの伸長は見られず、女性たちの受容の広がりほど、周囲の男性たちの行動は大きく変化していないことがわかる。
このことから、もしかしたら今起きている女性たちのメンズビューティへの受容の向上は、実際に周囲の男性たちがスキンケアやメイクアップをするという事実や行動に刺激されてということよりも、ジェンダーダイバーシティに関する情報接触や、スキンケアやメイクを自然に取り入れているK-POPの男性アイドルの存在、あるいは社会全体のムードなどの影響が大きいのかもしれない。
とはいえ年代別に見てみると、18~24歳においては8割強がスキンケア、6割弱がメイクアップをする男性が増えたと回答しており、若年層を中心にメンズビューティが浸透している様子が見られた。
(4)男性とコスメをシェアすることへの受容は、2年で約10%UP
また、彼氏や夫などの男性と同じコスメを共有(シェア)することについては、6割強が「まあいいと思う/とてもいいと思う」と回答。
2019年度の調査に比べ11%UPしている。今後は「女性にも男性にもよい」「性別問わず使える」ことも、マルチ機能の1つとしてより重視されるようになるのではないだろうか。
2.化粧品の広告モデルに男性を起用することに対しては大半が好意的
(1)化粧品の広告モデルが男性であることに約8割が好意的
ここ数年、化粧品の広告モデルに男性が起用されているのを目にする機会が増えているが、化粧品の広告モデルに男性が起用されることについては、4割弱が「とてもいいと思う」と回答。「まあいいと思う」まで含めると約8割が好意的に受け止めていることが分かった。
(2)化粧品の広告モデルが男性であることで約2割が購入意欲が上がると回答
前述の通り男性モデルの起用については好意的に捉えられているという結果だったが、男性モデルだった場合、購入意欲に変化はあるのだろうか。
自身が購入を検討している化粧品の広告モデルが男性だったら、購入意欲は変わるのかを約2割が「やや購入したくなる/とても購入したくなる」と回答し、「あまり購入したくなくなる/まったく購入したくなくなる」の約1割を上回る結果となった。
3.「化粧品売り場」の男性客に対しても受け入れ広がる
ドラッグストアなどの化粧品売り場で、化粧品を選ぶ男性の姿を目にする機会も増えたように思う。しかし、今年2月12日に発表した「@cosmeを利用する美容感度の高い男性メンバーの美容事情アンケート」によると、20代以下の男性@cosmeメンバーの約3割が化粧品を購入するときに「店頭での周囲の目が気になる」と回答している。
(1)約6割が男性客の存在が「あまり気にならない/まったく気にならない」
では、女性たちは店頭での男性の視線をどのように感じているのだろうか。普段利用する化粧品購入チャネル別に男性客の存在が気になるかどうか聴取したところ、百貨店、ドラッグストア、バラエティショップいずれの利用者も約6割が「あまり気にならない/まったく気にならない」と回答し、「とても気になる/やや気になる」を上回った。
各チャネルとも2割前後の「とても気になる/やや気になる」が見られるが、「とても気になる」と回答したのは5%以下であり、店頭でのジェンダーダイバーシティへの拒否感はそれほど大きくないと言えるだろう。
(2)周囲の目が気になる男性はバラエティショップで購入がベスト?!
男性客の存在が「あまり気にならない/まったく気にならない」と回答した率は、チャネルによってやや差が見られた。百貨店利用者の59%に対し、バラエティショップ利用者の67%が「あまり気にならない/まったく気にならない」と8%高く、これはバラエティショップで化粧品を購入する女性が、比較的年齢が若くジェンダーダイバーシティへの受け入れが高いためだと思われる。
調査概要
調査名称 : 美容に関するアンケート
調査対象者: @cosmeプロデュースメンバー 女性18-69歳
調査地域 : 全国
調査方法 : Web調査
調査時期 :
2019年度 2019年5月11日 (土) ~13日(月)
2021年度 2021年4月9日(金)~11日(日)
集計数 :
2019年度 5,723人(@cosmeの年代構成比に合わせ割付)
2021年度 5,820人(@cosmeの年代構成比に合わせ割付)
構成/ino.