2021年3月、大手キャリア3社の格安新プランがスタート。第4のキャリアとして参入した楽天モバイルも、4月から新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VI」の提供を開始した。月々のスマホ代を節約したい人にとっては選択肢が増えて嬉しい限りだが、格安プランの場合サポートの内容が限られており、端末の初期設定などを自分で行わなくてはならないこともある。そこで本記事では、楽天モバイルを利用する際に行う「APN設定」について、必要となる場面や具体的な設定方法を解説する。
楽天モバイルを利用するために必要な「APN設定」とは?
まず、「APN設定」はそもそも何のために必要となるのか、また楽天モバイルでどのような端末でAPN設定が必要なのか見ていこう。なお、以降の手順は「Rakuten UN-LIMIT VI」の契約ユーザーを前提としているため、旧プラン(ドコモ回線/au回線)の楽天モバイルユーザーには当てはまらないこともあるため注意してほしい。
APNは「アクセスポイント名」を意味する
APNとは、英語で「Access Point Name」つまり「アクセスポイント名」を表す。”キャリアが提供しているネットワークに接続するための窓口の名前”のようなもので、端末の購入を伴う新規契約や機種変更の場合は、はじめからそれぞれのキャリアに適したAPNが設定されているケースが多い。
近年、キャリアでのSIMロック解除の制限が緩和されたことで、キャリア間の乗り換えがしやすくなったが、今まで使っていた端末をそのまま新しい回線でも使用する場合には、原則としてAPNの設定が必要だ。
APN設定が不要の場合もある
楽天モバイルの場合、楽天モバイルから購入した端末はSIMカードをセットした時点で自動的にインターネット接続が完了するため、APN設定は必要ない。iPhoneの場合も、iOS14.4以降を搭載した端末については、キャリア設定のアップデートを行えば自動的に楽天回線の利用可能だ。ただし、他社で購入したiPhoneを楽天モバイルで使用する際は、上記の条件のほかにSIMロックの解除やプロファイル削除が必要な場合がある(プロファイル削除の詳しい手順は後述)。ちなみに、同じApple端末でもiPadではAPN設定が必要となるので覚えておこう。
なお、iPhone12シリーズ以外のiPhoneは楽天回線とパートナー回線(au回線)の自動切換えができないため、ネットワークエリアを切り替える際は「機内モードのオン/オフ」や「本体の再起動」を試してほしい。
自分でAPNを設定する場合の手順
他社からの乗り換え時や自分で用意した端末で楽天モバイルを利用する場合には、自身でAPN設定を行うことになる。APN設定を行う際に覚えておきたいポイントと手順を確認しておこう。
APN設定が必要かどうか調べる方法もある
自分の端末がAPN設定をする必要があるかを調べたい場合は、楽天モバイルの公式ページから検索が可能。製品名を入力して調べる「AIチャット」、もしくは選択肢から順に絞り込む方法で確認できる。表示されたページの中にある「APN自動設定 海外/国内」の欄が×の機種は、手動でAPN設定が必要な端末だ。
iPhoneの場合
楽天モバイルの旧プラン(ドコモ・au回線)、ワイモバイル、UQモバイルなどから移行する場合、eSIM、nanoSIMに関わらずiPhoneの初期設定時にAPN構成プロファイルを削除しないと、自動でAPN設定が行われない。ここでは、プロファイルの削除方法を具体的に紹介する。その他の初期設定については、公式サイト内の「お手持ちのiPhone・iPadで楽天回線を使用するための初期設定方法」のページを参考にしてほしい。
【プロファイルを削除する手順(iPhone)】
1.ホーム画面の設定アプリから、「一般」→「プロファイルとデバイス管理(プロファイルのみの場合も)」をタップ
2.表示されたAPN構成プロファイルの中から、今まで利用していたものを選択して削除する。
3.一覧から該当するプロファイルが無くなっていれば削除完了。端末内にプロファイルが一つしかなかった場合は、「プロファイルとデバイス管理」が表示されなくなるのでこれで確認する。
Androidの場合
楽天モバイル以外で購入したGalaxyやHUAWEIなどのAndroidスマホの場合、楽天モバイルのAPN情報を手動で設定しなくてはならない。しかし、メーカーや機種によって設定方法が異なるため、端末を購入した事業者に確認するのがおすすめだ。ここでは一例として、Galaxyの場合を紹介する。
【プロファイルを削除する手順(Android)】
0.まず、APN設定を行う前に、SIMロック解除とシステムアップデートが済んでいるかを確認する。
1.楽天モバイルのSIMカードを端末にセットする(機種によってはこの段階でネットワークに接続できるものもあるようだ)。
2.その後、ホーム画面から「設定」→「接続」→「モバイルネットワーク」→「APN」の順に選択し、アクセスポイント名の設定を行う。ここで、楽天モバイルで公開されているAPN情報を入力すれば設定は終了。
この方法を使えば、楽天回線対応以外の端末でも楽天モバイルの機能を利用できる可能性がある。実際に、対応外の機種で通信できたとの声も多いが、楽天モバイルの公式では動作の保証対象外となっているため、あくまでも利用は自己責任となる点は覚えておこう。
※データは2021年5月下旬時点でのもの。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用はあくまで自己責任にてお願いします。
文/oki