一眼レフ好きのためのこだわり機能が満載!PENTAXから登場した6年ぶりの新モデル「K-3 Mark III」の実力
2021.05.30■連載/ゴン川野の阿佐ヶ谷レンズ研究所
K3 IIIはMap Cameraでも初登場1位の人気
久々に一眼レフの新製品が発売された。4月23日に登場したPENTAX K-3 Mark IIIである。カメラ専門店の「Map Camera」では4月1日~30日の売上ランキングで1位を獲得。ちなみに2位はEOS R6、3位はSIGMA fp Lとフルサイズミラーレスを抑えて、APS-Cの一眼レフが堂々の1位。価格コムの4月のデジタル一眼レフの売れ筋ランキングでも1位だった。
PENTAXがK3II発売から約6年、満を持して発売したAPS-Cのハイエンドモデル。視野率約100%、ファインダー倍率約1.05倍の光学ファインダーは一眼レフの魅力を再び引き出せるのか。
防塵防滴、耐寒機能を備えたボディは左右をギリギリまで削って小型化された
絞りとシャッター速度両優先のTAvモード搭載
2573万画素のセンサーを搭載して、ボディ内手ブレ補正機能を持つ。AFは101点から41点を選択する方式で背面のレバーでダイレクトに位置を移動できる。連写はAF-Cで最高約11コマ/秒、AF-Sで最高約12コマ/秒となる。
撮影モードは、P、Tv、Av、Mと、PENTAX独自のSvとTAvを加えた6モードから選べる。細かく言えばこれ以外にB、Xというモードもある。TAvモードというのは、好みのシャッター速度と絞りが選べるモードで、なぜ適正露出になるのかと言えば、ISO感度が自動的に変わるのだ。これとは逆にSvモードは好みのISO感度を選択すると適正露出が得られる。さらにハイパープログラム、ハイパーマニュアルモードが用意されている。
今回、ハイパープログラムには、TAvに移行するアドバンスドモードが加わり、PENTAXの露出へのこだわりが感じられる。文章で説明するとややこしそうだが、電子ダイヤルを操作すると自動的に適正露出が選択されるモードになるのでビギナー向きの機能である。逆にベテランはおせっかいな機能かもしれない。
背面に追加された測距点レバーを使ってAFポイントを素早く選択できる
マウント部には手ブレ補正、RAW+JPEGで記録できるボタン、AFモード切り替えなどがある
3つの電子ダイヤルとS-Fnボタンでカスタマイズ自由自在
PENTAXと言えば、迷った時のグリーンボタンだが、これに加えてFxボタン、S-Fnボタン、そして3つの電子ダイヤルをカスタマイズできる。カスタマイズ好きの私も、これを全部変更したら、操作を覚えていられるかどうか不安になるほど自由に変更できる。変更したらユーザーモードにまとめて保存できる。登録できる数は5つと他社のプロ機を上回る。
ユーザーモードとは別に露出モードごとに電子ダイヤルの設定がおこなえるので、8つのモードをカスタマイズできる。PENTAXが目指す対話するように撮れるカメラというコンセプトが具現化されているのだが、ここまでやるならスマホかPCの専用アプリでも、カスタマイズできるようにして欲しい。ユーザーモードの名称も変更できてサブ液晶画面に表示できると嬉しい。
それでは次回の撮影編で、その使い心地と画像について触れていこう。
カスタマイズしたユーザー設定は5パターン記録できモードダイヤルで呼び出せる
軍艦部にあるサブ液晶画面で上からカメラの設定を素早く確認できる
写真・文/ゴン川野