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今年の「土用の丑の日」はいつ?覚えておきたい由来と食の風習

2021.07.01

2021年の土用の丑の日はいつかご存知でしょうか。毎年日付や回数が変わっていることや、鰻のほかにもよいとされている食べ物があるのは意外に知られていません。土用の丑の日の日程や鰻以外の食べ物だけでなく、知っておきたい風習も紹介します。

2021年の「土用の丑の日」はいつ?

土用の丑の日は正月やクリスマスとは異なり、毎年日付が変わります。土用入りのタイミングや期間も毎年違うので、まずは『土用』と『丑の日』について把握しましょう。

「土用」は年に4回ある

2021年は7月28日が土用の丑の日になります。そもそも『土用』とは、中国伝来の五行説『木火土金水』を四季に当てはめたものです。

  • 木:春
  • 火:夏
  • 土:立春・立夏・立秋・立冬前の約18日間
  • 金:秋
  • 水:冬

季節ごとの変わり目の時期が当てはめられているので、土用は年に4回あります。日本の日付には十二支が割り当てられており、土用の約18日間に巡ってくる丑の日を土用の丑の日と呼びます。現在では土用の丑の日といえば、夏の土用に巡ってくる丑の日を指すようになりました。

また、土用は約18日間なので、丑の日が2度巡ってくる場合もあります。土用の丑の日が2回発生する年もあるので、1度目を『一の丑』、2度目を『二の丑』と呼ぶようになりました。

「丑の日」の由来は干支の十二支

土用の丑の日の『丑の日』とは、日にちを十二支に割り当てた場合の丑の日になります。

丑という字は『紐(ひも)』や『絡む』と同義で、『種の中で芽が育ちつつ、まだ伸びていない』という意味があります。日本には丑の日を特別な日とする習慣があり、特に梅雨明けに重なる夏の土用の丑の日を重要な日と捉えています。

昔から季節の変わり目は、体調などに注意するべき時期であるとされてきました。そこで、夏の土用の丑の日には精が付くものを食べて体をいたわり、夏に向けて準備を整える日となりました。

鰻だけじゃない?「土用の丑の日」の食べ物

(出典) pexels.com

土用の丑の日は鰻のほかにも、食べるとよいとされている食べ物がいくつかあります。それぞれ具体的な食べ物を紹介するので、食べやすい食材を選んで、本格的な夏に向けて準備をしましょう。

「う」の付く食べ物

夏に鰻を食べる習慣は古くからありますが、夏の土用の丑の日は「う」の付くものを食べると夏バテしないという言い伝えがあります。具体的な食材は、牛の肉、うどん、瓜、梅干しです。

牛の肉は良質なたんぱく質が豊富に含まれています。夏の暑い日には、冷やしたうどんも最適です。旬の香味野菜を添えて、さらに食欲が湧くように工夫するのがおすすめです。

また、キュウリやスイカといった瓜科の食べ物は、水分が多いので暑い日でも体を冷やします。梅干しには、疲労回復効果が期待できるクエン酸が多く含まれています。食欲が落ちたり疲れやすくなったりする暑い季節には、積極的に取り入れたい食材です。

「土用」と付く食べ物

土用の丑の日には、昔から親しまれてきた土用の行事食もよいとされています。特に『土用シジミ』『土用餅』『土用卵』がおすすめです。

土用に鰻を食べる習慣よりも、シジミを食べる習慣の方が歴史が古く、シジミの最盛期は夏です。栄養価が非常に高く、肝臓の働きを助けることから『土用しじみは腹薬』ともいわれています。

土用餅とはあんころ餅のことで、食べると『暑さに負けず無病息災で過ごせる』といわれています。宮中の行事が由来となり、江戸時代に食べる習慣が広まったようです。

土用卵は土用の頃に産み落とされた卵で、昔は『滋養強壮といえば卵』といわれており、現在でも精が付く食べ物として親しまれています。

「黒い」食べ物

中国の神話には『四象』や『四神』と呼ばれる、天の四方を司る神獣がいると伝えられています。その中で、丑の方角の守護神は『玄武』という黒い神様であったことから、黒いものを食べるとよいという風習もあります。

鰻のほかにもドジョウ、黒鯛、シジミ、黒豆、黒ゴマ、ひじき、ナスなどの滋養強壮によいとされている食材が挙げられます。中でも、土用の丑の日に重なる初秋が旬であるナスは、土用の黒い食べ物として、昔から土用の丑の日に食べられてきました。

神話を元にしているので一種のおまじないのようなものですが、栄養価が高い食材が多いので、夏バテ対策としておすすめです。

知っておきたい「土用」の風習

(出典) pexels.com

土用の丑の日の風習は、鰻を食べることしか知らない人も多いのではないでしょうか。古くから伝わるほかの風習を理解すれば、今まで以上によい1日になるでしょう。

薬草を入れた「丑湯」

『丑湯(うしゆ)』とは、土用の丑の日に薬草を入れたお風呂に入り、体をいたわることで夏バテを予防する風習です。土用の丑の日にお湯に浸かると、無病息災で過ごせるといわれています。

江戸時代からある風習で、主に桃の葉やドクダミが使用されていました。どちらも湿疹や汗疹といった、夏の肌トラブルへの効能が期待できます。

また、ヨモギや緑茶なども薬湯としておすすめです。緑茶やハーブティーの茶葉をお茶用のパックに入れて、湯船に浮かべます。暑い夏の日には、清々しい香りを楽しみながら、熱いお風呂に浸かって体の疲れを取りましょう。

衣類などの湿気を取る「土用の虫干し」

土用の丑の日には、『土用干し』と呼ばれる年中行事があります。水田や梅干しなどを干しますが、特に『土用の虫干し』は、梅雨の間にカビ臭くなってしまった衣類や書物を天日に干して、カビや害虫から守る大切な行事です。

昔は衣類や書物だけでなく、掛け軸などの大事なものを陰干しや風に当てて乾燥させていました。『土用の虫干し』の中でも、書物を干すことを『曝書(ばくしょ)』と呼びます。

また、現代では少なくなりましたが、昭和初期頃までは畳を干して埃を叩いたり、畳を上げて床下の風通しをよくしたりすることも主流でした。

構成/編集部

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