ビットコインが誕生した2009年から様々な事件が起こるごとに投資家は一喜一憂したが、3年前の流出事件を教訓に日本では市場の健全化が進み、世界では仮想通貨を使った新たなビジネスの兆しが見えてきた。いよいよ市民権を得る時が来たようだ。
※こちらの記事は4月末時点の情報です。
ビットコインの歴史と出来事
トークンと仮想通貨の違い
仮想通貨とトークンは本質的には同じもので、いずれもブロックチェーンを元に作る。しかし仮想通貨はオリジナルのブロックチェーンを使うのに対し、トークンは仮想通貨を元にしている。
仮想通貨の非中央集権性を担うP2P(ピア・ツー・ピア)とは?
2台のコンピューターが1対1で接続するネットワークが網目状になり、どこかが故障しても通信が継続できる。中央管理者が不要で自立したネットワークとなる。
「よくわからなくて怖い」なんて言っていられない状況に
日本暗号資産取引業協会によれば2021年2月の仮想通貨取引高(現物)は約4.1兆円に上る。これは前年同月比約6倍で、統計開始以来最高額だ。ビットコインの価格も最高値を更新し続けている。
なぜ今、仮想通貨に投資マネーが集まっているのか。その答えは、これまでは電子の世界だけの〝実体のない怪しいモノ〟だった仮想通貨に「実需」が現われ始めているからだろう。その中心が、後に詳述する「DeFi(分散型金融)」や「NFT(代替不可トークン)」だ。また、カナダでは「ビットコインETF」の登場により、株式と同じように購入できるようになった。いくつもの仮想通貨ビジネスが形を成し始めている。
振り返れば、事件が起き価格が落ちては、安全な取引の仕組みづくりや画期的なサービスの登場によって不安を断ち、最高値を更新してきた。こうして力をつけてきた仮想通貨を上場企業でさえ投資対象と認めつつある。
「よくわからないから怖い」と言っていられない時代が来ている。
取材・文/久我吉史