スマートフォンからノートPC、PC周辺機器などを開発・販売しているASUS。中でもノートPCは超軽量なモデルから使い勝手の良いChromebookなど、多数の製品が発売されています。
そんなASUSから新たに登場するのが、“2画面”のノートPCである「ASUS ZenBook Duo」の最新モデル。特殊なデザインで男心をくすぐるシリーズなのですが、これがさらに使いやすくなって新登場した形です。実機を試せたので早速レビューをお届けしていきます。
2画面ノートPCはこうやって使え! ASUS ZenBook Duo実機レビュー
早速、2画面ノートPC「ASUS ZenBook Duo」を実際に試してわかった操作性や使用感について紹介していきます。
なお、今回試したのは2021年4月21日に発売された14インチモデル「ASUS ZenBook Duo 14」。同年5月下旬以降には15インチモデルの「ASUS ZenBook Duo Pro」も発売予定となっています。
公式HPのオンラインストアでの販売価格は、第11世代インテル Core i5でGPUにインテル Iris Xeグラフィックスを搭載したモデルが15万9800円、同じくCore i5でGPUにNVIDIA GeForce MX450を搭載したモデルが17万9800円。
第11世代インテル Core i7搭載で、GPUにNVIDIA GeForce MX450を採用したモデルが23万9800円となっています。
2画面ディスプレイはただ表示領域が広いだけじゃない!
まずは本製品を“変態”といわざるを得ない大きな特徴である“2画面ディスプレイ”について。メインディスプレイはタッチ操作に対応した14インチ/フルHDのTFTカラー液晶パネルとなっており、画面占有率が93%とかなりの狭額縁設計となっています。
通常のノートPCであればキーボードが配置される部分にはセカンドディスプレイを搭載。こちら12.6インチのFHDで、タッチ操作に対応。スタイラスペンでの操作もできるようになっています。
本モデルからの新設計で、ノートPCを開くことでセカンドディスプレイは自動的に7度の傾斜が付くようになっており、正面からも視認しやすくなりました。セカンドディスプレイは、メインディスプレイとつなげて大画面としても使用できるのですが、やはり便利なのは複数のアプリ・タブを表示する使い方でしょう。
特にクリエイターに向けた新機能として「コントロールパネル」があります。これは特定のアドビソフトウエアのアプリ内機能を設定できるもので、ボタンやダイアル、スライダーなどを自分好みにカスタマイズして配置できるようになっています。メインディスプレイにコンテンツを欠くことなく表示し、セカンドディスプレイにて調整を行うといった使い方が可能です。
デフォルトの状態だとセカンドディスプレイの左側にはコントロールセンターが表示されており、ここから起動したいアプリを表示したり、明るさの調整、メインディスプレイとセカンドディスプレイの切り替えといった操作が可能になっています。
セカンドディスプレイには最大3つのアプリを表示することが可能で、メインディスプレイと合わせて4つのアプリをあらかじめ記憶させ、ワンタップですべてを立ち上げる「ランチャー」機能も便利。PCを起動してすぐにいつもの作業環境を構築できるのでストレスフリーになります。
また、個人的にかなり気に入っているのがセカンドディスプレイをタッチパッドとして利用できる新機能。横に幅を取った大きなタッチパッドとして運用できるので、マウスがない状態でも快適にPCを動かすことができます。
キーボードはコンパクトだが傾斜があって打ちやすい形に!
かなり特殊なデザインのノートPCということもあり、ついセカンドディスプレイにばかり注目してしまうのですが、本製品は普通のノートPCとしても優秀であることを忘れてはいけません。
キーボードはセカンドディスプレイの影響でコンパクトに配置されており、フルサイズキーボードのような打鍵感とはいきませんが、普通にタイピングをする分にはあまり問題ではありません。また、ディスプレイを開くと自動的にキーボードにも傾斜が付くように設計されているので、手首にストレスの少ない形でのタイピングができるほか、排熱にも一役を買います。
インターフェースは左側面にHDMIとThunderbolt 4(Type-C)×2、右側面にはUSB3.2 Type-Aとイヤホンジャック、Micro SDカードリーダーを搭載しています。
第11世代インテル・大容量メモリを搭載で動作も快適
搭載CPUは最新の第11世代インテルで、モデルによりCore i7とCore i5が搭載されています。最新のチップセットということもあり動作性は抜群で、筆者のように普段は文書作成や動画視聴、オンライン会議などにノートPCを使うユーザーであればCore i5モデルでも問題ないでしょう。
メインメモリは共通で16GBの大容量。ストレージはCore i7モデルが1TB、Core i5モデルが512GBとなっています。どちらもかなりの大容量で普段使いであれば満足できるレベルですから、Core i7/1TBモデルはまさにクリエイターに最適ともいえるでしょう。
2画面なのに十分持ち運べる質量・薄さと堅牢性も魅力
本製品のサイズは幅324mm×奥行き222mm×高さ16.9mm(最薄部)。特に薄さに関しては、2枚のディスプレイという特殊な機構を用いながらも約17mmに抑えられています。
質量も約1.6kgと、近年のノートPCとして軽量なわけではありませんが、普段持ち運ぶのが不可能な程の重さではありません。本来のノートPCの良さである携帯性も損なわなったのは好印象です。
堅牢性についても同様で、落下テストや衝撃テスト、高湿度テストといった項目を含む「USミリタリーグレード」に準拠。比較的安心して持ち運べる性能ともいえるでしょう。
“変態2画面ノートPC”なのに普通のノートPCとしても高い完成度
最たる特徴である2画面ディスプレイを中心にASUS ZenBook Duoを紹介してきました。本製品がクリエイターに向けた特殊な製品であることはお分かりいただけたかと思います。
ただし純粋なノートPCとしての処理性能や画面性能は優秀であり、持ち運びという観点で見ても十分実用的な製品であることは間違いありません。男のロマンが詰まったような2画面ノートPC、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
取材・文/佐藤文彦