この春から提供をスタートしたauの新プラン「povo(ポヴォ)」。月々のスマホ料金が高いと感じていた人にとっては、プラン変更やキャリアの乗り換えを検討する大きなきっかけになったのではないだろうか。本記事では、キャリアを変更後も今までと同じ電話番号が使える「MNP」で、povoに移行する際の手順や注意点などを解説する。
MNPを利用してpovoに移行する際の注意点とは?
通常、キャリア(携帯会社)自体を変更する場合、使用していた番号は解約となり新しい番号で契約が行われる。しかし「MNP」を活用すれば、キャリアをまたいでも今まで使用していた電話番号をそのまま使用可能。
そもそもMNPとは何か?
MNPは、「Mobile Number Portability」の略。先述の通り、電話番号はそのままで新しいキャリアが利用できるシステムのことだ。自宅に電話を置く習慣が少なくなり、公共料金や宅配サービスなどの登録電話番号を携帯にしている人も少なくないはず。MNPを利用すれば、それらに登録してある番号を変更しなくても済む。
MNPを行う際に気をつけることは?手数料は必要?
MNPを利用する際にまず覚えておきたいのが、移行する前と後とでそれぞれ必要な手続きがある点。具体的には、現在契約しているキャリアに「MNP予約番号」の発行手続きを申請し、取得した予約番号を使用して移行後のキャリアに申し込みを行う。
予約番号には発行日を含めて15日間の有効期限があり、povoでは有効期限が10日未満の予約番号では契約できない。予約番号を取得したら5日以内に契約を行えるよう、事前に準備しておくおこう。なお、新しい回線が開通した時点で移行前のキャリアの契約は自動的に解約となるため、移行前のキャリアでの解約手続きは必要ない。
MNP予約番号を取得する前に現在のキャリアを解約してしまわないよう注意しよう。解約後にMNP予約番号を発行することはできないため、同じ番号はもう使えなくなってしまう。事前に解約したい場合、必ずMNP予約番号を取得してから行おう。
MNPを利用してキャリア乗り換えを行う際、以前までは「MNP転出手数料」がかかっていたが、2021年の春までに大手キャリア、格安SIM含めほとんどが不要となった。ただしpovoでは、auかUQモバイル以外からの乗り換えには事務手数料というかたちで料金が発生する可能性があるのを覚えておこう。
povoへのMNPの手続きはどのように行う?
では、MNPを行う際の手続きについてもう少し詳しく見ていこう。また、キャリアを乗り換えるタイミングで名義変更したい場合の注意点も併せてチェックしてほしい。
au、UQモバイルからpovoに移行する場合
povoはauが提供するプランの一つであるため、auからの移行の場合はMNPの手続きをしなくても同じ番号が利用可能。スマホやパソコンからpovoの公式サイトにアクセスし、現在使用しているau IDでログインすれば、電話番号を含めた契約情報が自動的に引き継がれる。
その後は画面の指示に従い、契約内容の入力・確認を行えば契約完了となるが、iPhone7以前の機種など一部の端末ではSIMカードの交換が必要。その場合は、契約後に送付されるSIMカードへの交換後に契約が完了する。
au以外のキャリアからpovoに移行する場合
auのサブブランドであるUQモバイルも含め、au以外からの移行にはMNP手続きが必須。まず、現在契約しているキャリアで「予約番号」を取得する。窓口や電話でも申し込みが可能な場合とオンラインのみで受付している場合があるので、契約中のキャリアがどちらなのか事前に確認しておこう。
予約番号を取得したら、有効期限が10日以上ある状態でpovoの公式サイト上で手続きを行う。予約番号や現在の電話番号、予約番号の期限を入力した後、契約内容を入力してSIMロックの解除手続きをし、回線の切り替えが終われば契約完了。回線が開通した時点で自動的に以前のキャリアは解約となり、キャリアメールなどのサービスは使用できなくなるため、事前に登録変更やデータ移行を済ませておくのがおすすめだ。
MNPの手続きと併せて名義変更をしたい場合はどうする?
「一人暮らしを機に親名義のスマホを自分名義にしたい」「離婚や結婚で名義を変更したい」など、MNPと併せて名義変更を考えている人もいるだろう。その場合、変更のタイミングには注意が必要だ。
MNPの予約番号は「発行した時点での契約者」に対して発行されるため、予約番号を発行した後に名義変更をして新しいキャリアに申し込もうとすると、予約番号の発行者と契約者が異なり契約自体ができなくなってしまう。そのため、予約番号の発行前に名義変更の手続きを済ませておこう。
文/oki