近年、月額基本料金を抑えたいわゆる「格安SIM(MVNO)」が急増し、どのキャリアでも利用できる「SIMフリースマホ」の購入が一般的になりつつある。いよいよこの春からは、大手キャリアの格安プランの提供もスタートし、今後もSIMフリースマホの需要は増えていくだろう。本記事では、auの新プラン「povo(ポヴォ)」でSIMフリースマホを使う手順やおすすめ機種などを紹介したい。
povoでSIMフリースマホは使える?
1か月の基本料金2,728円で20GBまで利用できる、auの新プランpovo。これまでにない料金の安さと追加トッピング(オプション)を好みに合わせて選べる自由度の高さが魅力だ。しかし、povoでは端末の販売は行っておらず、手持ちの端末をSIMロック解除するか、SIMフリースマホを自分で用意しなくてはならない。(なお、auからpovoへの移行の場合、一部端末を除いてSIMカードはそのまま利用可能)
SIMフリーとは?
そもそもSIMフリーとは、端末に入っているSIMカードにロックがかかっていない状態を指す。SIMカードは電話番号や契約者の情報が登録されたICカードで、簡単に言うと「このスマホを誰が使っているのか」を認識するためのものだ。機種変更の際は、SIMカードを差し替えて契約情報を移行する。SIMカードのないスマホは契約情報がない状態になり、通話や(Wi-Fi接続可能なものものあるが)ネット回線を利用できない。
以前は、大手キャリア端末のSIMカードには他社への流出を防止する目的でロックがかけられており、機種変更の際も同じキャリアの端末しか利用できなかった。2015年にSIMロック解除が義務化されてからは、ユーザーが自由に事業者を選べるようになり、最初からSIMロックのかかっていない「SIMフリースマホ」の販売市場も拡大している。
povoでSIMフリースマホを使うための手順
自分で用意したSIMフリースマホでpovoを契約する際は、まず端末がpovoに対応しているかを公式サイトで事前に確認しておくことが重要だ。
他社からの乗り換えでない場合(auからpovoへの乗り換え)でも、「新規契約」で申し込みを行う必要がある。その場合、すでに端末は手元にあるためSIMカードのみ契約を行う。iPhone12など一部の端末では「eSIM」と呼ばれる端末一体型のSIMカードにも対応しており、契約時に好きな方を選択可能。
通常のSIMカードの場合、povoから届いたSIMカードを端末に挿入し「アクセスポイントの設定」を行って、発信用のテスト番号に接続すると、開通手続きが完了する。eSIMはインターネット上で開通のためのQRコードを取得し、そのコードをSIMフリースマホで読み込んで手続きを行う。そのため、ネットに繋がる機器があればその場で開通可能だ。SIMカードが届くのを待たなくても済むため、すぐに使用したい場合はeSIMがおすすめ。
SIMロックがかかったスマホをpovoで使いたい時はどうする?
SIMフリーのスマホを購入しなくても、他社で利用中のスマホのSIMロックを解除すればpovoで使用できる。ただし、支払いが終わっていない端末はSIMロック解除ができない点は注意が必要だ。
SIMロックの解除は事業者側が行うため、スマホを契約した携帯会社にSIMロック解除の申し込みをする必要がある。キャリアによって窓口や電話、オンラインなど選択できる方法が異なるが、窓口や電話でSIMロック解除を申請する場合は手数料が発生するケースが多い。また、大手キャリアで購入した端末は、購入から100日以上経過していないとSIMロック解除できないこともある点も覚えておきたい。
povoで使用できるおすすめSIMフリースマホ
最後に、povoで使えるSIMフリースマホの中でもおすすめの機種をいくつか紹介したい。自身のスマホの使い方によって最適な機種は異なるため、ここで紹介するポイントを基準にしてほしい。
SIMフリースマホを選ぶ時のポイント
通話やSNSでのやり取りがメインであまり多くの機能を利用しない人や、仕事用の2台目として持つなら3万円前後のエントリーモデルがおすすめ。低価格でありながら一通りの機能は揃っており、ライトな使い方なら特に不便は感じないはず。
動画鑑賞やカメラ撮影など、日常でさまざまな機能を使う場合に選びたいのは5万円~8万円のミドルレンジモデル。この価格帯の端末は機能や価格のバランスがよくコストパフォーマンスにも優れているものが多い。
最新のゲームや高画質のカメラ機能、大容量のデータのやり取りをストレスなく楽しみたいなら10万円以上のハイエンドモデルを視野に入れよう。ゲーム機やカメラとしても快適に使え、いろいろな場面で活躍する。
おすすめSIMフリースマホ
エントリーモデルの中でおすすめなのは、SHARPの「AQUOS sense4」。省電力に優れたIGZOディスプレイを搭載し、1週間充電しなくても利用できるというバッテリー持ちの良さが特長だ。おサイフケータイや生体認証にも対応している。
Googleの「Pixel 4a」は、ミドルレンジでありながらハイエンドの上位機種と遜色ないカメラ機能を搭載しており、綺麗な写真を撮りたい人にはぴったりの機種。5.8インチの有機ELディスプレイは同価格帯の中でも高いスペックとなっており、動画やゲームも十分楽しめる。
povoは2021年夏以降に5Gサービスを開始することを公表している。そのことから、ハイエンド機種では5Gにも対応しているiPhone12シリーズがおすすめだ。スマートフォンの中でも最速というA14 Bionicチップが組み込まれており、スムーズでストレスフリーな動作を実現。夜でも明るく撮影できるナイトモードが充実したカメラ機能も魅力だ。
文/oki