コロナ禍もあり、「家計の状況が苦しい」という人からの家計相談が増えています。
私は、これまでたくさんの家計相談をお引き受けしてきたのですが、特に多いのが「カードローン」「キャッシング」「リボ払い」などの支払いが増えすぎてしまい、いつまでたっても返済のめどが立たないというものです。
このような危険な家計管理になってしまうと、立て直すまでに通常よりも時間がかかってしまうこともありますので注意が必要です。
いつの間にか借金づけになってしまう人の特徴
このような危険な家計になってしまう人には特徴があります。
特徴1:キャッシュレスの支払いに無頓着
いつの間にか借金づけになってしまう人の特徴のひとつとして、まず挙げられるのが「キャッシュレスの支払いに無頓着」ということです。
現代はキャッシュレス社会ですから、キャッシュレスの支払いをすることが悪いわけではありません。むしろ上手に使えば、ポイントも貯まり、非常に便利なものです。
しかし、いつの間にか借金づけになってしまう人は、キャッシュレスをうまく使いこなすことができません。キャッシュレスで支払うことで現金が減らないため、お金を使った感覚がなくなり、知らず知らずのうちに借金が膨らんでしまうのです。
日々自分がいくら使ったかもわからず、ましてや月にいくら使ったかなど把握していませんし、把握しなくてはいけないとも考えていない場合が多いのです。
その結果、毎月給料が入るとキャッシュレスの返済であっという間に消えてしまい、またキャッシュレスに頼るということを繰り返し、結果として雪だるま式に借金が増えていくのです。
特徴2:目の前の支払いしか考えない
また、いつの間にか借金づけになってしまう人は、目の前の支払いしか考えない傾向があります。
「来月、再来月の引き落とし額を考えると、この支払いは来月に回した方がいいな」というような支払い計画が頭になく、目の前の支払いをとにかく何とかして支払うことしか考えません。
そのため、支払えない額の請求があれば、キャッシングなどで安易に現金を得ようとします。キャッシングなどで借りたお金は収入ではなく「借金」なのですが、いつの間にか借金漬けになってしまう人は、キャッシングなどで借りたお金を「収入」として考えてしまう傾向があります。
何らかの理由で一時的に借金を負わなくてはならない事情がある場合は別ですが、借金を返済するのに借金をするようになってしまうと家計はかなり危険な状況です。
特徴3:貯め期を逃している
人生には何度か「貯め期」と呼ばれ、比較的お金が貯めやすい時期が訪れます。
いつの間にか借金づけになってしまう人は、このお金が貯めやすい「貯め期」に全くと言うほど貯めていないのです。
むしろ、少し余裕があるからと使いすぎ、生活レベルを上げてしまいます。その結果、貯め期を逃した後、貯めにくい時期に突入すると、同じ生活レベルを維持できなくなり、借金でなんとかしなくてはならないような事態に陥ってしまうのです。
一方、一生お金に困らない人というのは、貯め期にしっかりと貯蓄をし、貯められない時期はこれまでの貯蓄でしのぎます。貯めやすい時期にある程度の貯蓄をしているので、家計の急変に翻弄されたとしても、当面の期間耐えることができます。
いつの間にか借金づけになってしまう人は、今の時期が貯め期なのか貯めにくい時期なのかも分からない人が多くみられます。貯め期を逃した後に、貯めようと思っても厳しい節約をしなくてはならないので続かず、最終的には借金を重ねてしまうことにもつながります。できるだけ早期にご自分の家計を客観的に確認する機会を作りましょう。
いつの間にか借金づけになってしまう人、一生お金に困らない人
いつの間にか借金づけになってしまう人の多くは、このような家計の特徴がみられる傾向があります。
全く危機感を持たずに過ごしてしまい、本当に深刻な状況になって初めてこれまでの家計を反省する人も多くみられます。
うすうす気がついていても、忙しいからと後回しにしているうちに、気づくと手遅れになってしまっている人も多いもの。手遅れになる前に、行動を改めましょう。
※データは2021年5月中旬時点での編集部調べ。
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文/家計簿・家計管理アドバイザー あき
著書に「1日1行書くだけでお金が貯まる! 「ズボラ家計簿」練習帖 (講談社の実用BOOK)」「スマホでできる あきの新ズボラ家計簿(秀和システム)」他