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目的も夢も抱けない……人生が嫌になった時におすすめしたいディズニー映画「ソウルフル・ワールド」

2021.05.19

悩めるビジネスマンのための映画案内『ソウルフル・ワールド』

『ソウルフル・ワールド』© 2021 DisneyPixar ディズニープラスで配信中

「将来の夢」を聞かれても答えられない自分は、ダメ人間? 

将来の夢を聞かれても、子供の頃には躊躇なく答えられる。でも大人になるにつれ、その質問には答えにくくなる。中には「あれ?そういわれてみれば、自分の夢って何だったっけ?」と思い出せない人や、「自分には夢もやりたいこともない」ことに気づかされ、落ち込む人もいるのではないだろうか。そんな方におすすめしたいのが、“ディズニー&ピクサー史上最も深い感動の物語”との声も高い『ソウルフル・ワールド』だ。 

主人公は、ニューヨークでジャズ・ミュージシャンを夢見る臨時雇いの音楽教師ジョー。学校ではやる気のない生徒たちに手を焼き、家に帰れば母親に「ミュージシャンなんかあきらめて定職に就け」と叱咤される日々…。だがついに、憧れのミュージシャンに認められて共演できるチャンスがめぐってくる。浮かれた足取りで飛び回る彼は、深いマンホールに落下。死後の世界に迷い込んでしまう。 

長年の夢がかなう直前だったジョーは「今死ぬわけにはいかない!」と死後の世界から逃亡。今度はソウル(魂)たちが地上に生まれる前の世界に迷い込んでしまう。そこでは、「どんな性格になるか」という要素をひとつずつ与えられ、最後に何かに感動できる「きらめき」を手に入れると、地上での生命を与えられるシステムだった。

 無感動でひねくれ者の22番が「きらめき」を感じれば、地上に戻れる⁉

『ソウルフル・ワールド』© 2021 DisneyPixar ディズニープラスで配信中

カウンセラーに間違えられたジョーが出会ったのは、ソウル界の異端児、“22。地球上の人間の生活をバカにしきっていて、人生のすばらしさ、「きらめき」を教えこもうとするカウンセラーたちを冷笑しながら、何百年もソウル界にひきこもっていた。22番に「きらめき」を見つけさせることができれば、地上へのパスポートが手に入る、それを横取りしようともくろんだジョーは、22番を連れて地上にダイブ。だがそこで”魂の入れ違い“事故が起こり、トラブルの連続が。

ジョーは夢の実現のためには絶対に遅刻が許されないステージに、はたして間に合うのか。22番は地上で「きらめき」を見出し、「人間として生まれたい」と思うようになるのか……。そのドラマからも目が離せないが、さらに特筆すべきはディズニー&ピクサーならではの、映像の美しさとかわいらしさ。特に生まれる前の“ちびソウル”たちのかわいらしさは圧巻だし、ちびソウルを導くメンターやカウンセラーは、透明感のある抽象画のようなキャラクターで動きもうっとりするほどエレガント。その不思議な世界観にどんどんひきこまれてしまう。

 目標や夢がなくても、人生はきらめきに満ちている

そしてなんといっても一番の見どころは、地上で人間としての肉体を手に入れてしまった22番が、あれほどバカにしきっていた人間の生活で見出す「きらめき」の数々。世界はきらめきに満ちているし、私たちは生きているだけでそのきらめきを無限に受け取ることができる。ただそれに、目をむければいいだけ。立派な目標や夢なんかなくても、生きていること自体に意味があるのだと、この映画は教えてくれる。この映画を観終わり、顔を上げて窓の外を見ると、違う世界が見えていることだろう。「アニメーションなんて子供が見るもの」というイメージを抱いている人ほど、この作品の持つ深みに驚くに違いない。

美しい映像とともに、世界的に著名なミュージシャン、ジョン・バティステが生み出す深みのあるオリジナル・ジャズも心に沁みる。この映画のお供におすすめのフードは、ピザ。いつも食べているピザが、とびっきりの味わいに感じられるはず。また後半は猫が出ずっぱりで、「猫映画だったのか!」と驚くほど。猫好きな人にとってもたまらない映画だ。

 93回アカデミー賞®で長編アニメーション賞、作品賞の2部門を受賞!

 監督は『インサイド・ヘッド』『カールじいさんの空飛ぶ家』でアカデミー賞®を受賞したピート・ドクター。ディズニー&ピクサー初参加で、本年度アカデミー賞®3部門にノミネートされた『あの夜、マイアミで』の脚本を担当したケンプ・パワーズも本作の共同監督と脚本、製作に加わっている。 

本作品は第78回ゴールデン・グローブ賞では「作品賞」(アニメーション部門)と「音楽賞」(映画部門)を勝ち取り、アニメ界のアカデミー賞“と言われるアニー賞®では作品賞など最多7冠に輝いた。さらにアカデミー賞®でも「長編アニメーション賞」、「作曲賞」の2部門を受賞。これにより、ゴールデン・グローブ賞、アニー賞、アカデミー賞®とアニメーション界の主要アワードの3冠を達成している。

ディズニープラスでは、『ソウルフル・ワールド』の前日譚の物語で、22番を主人公にしたショートムービー『22 vs 人間の世界』も配信中。意地っ張りで自信がなく後ろ向き、でもなぜか憎めない22番がもっと愛しくなる物語で、こちらも必見だ。

https://youtu.be/BFWBaaBePps


『ソウルフル・ワールド』 © 2021 DisneyPixar ディズニープラスで配信中

※ディズニープラスは、ディズニーが送る公式動画配信サービス(一部個別課金あり)。

文/桑原恵美子

編集/inox.

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