動物園写真家の阪田 真一です。突然ですが皆さんはマヌルネコという生き物を知っていますか?
『たくらみ顔にハマるひと続出!マヌルネコの魅力とは⁉︎
猫というからには猫なのだが、家猫とは違った魅力を持つ寒い地域に住む野生猫の仲間なのだ。
まん丸として可愛らしい姿なのだが、カクカクとしたコマ送りのような動きや時折見せる、企むような表情と、家猫にはない魅力にハマる人が多いのだ。今回は、そんなマヌルネコの魅力についてお伝えしよう。
エイプリルフールの評判よくて本当に「マヌルネコのうた」MVつくっちゃいました。
まずはこちらをご覧いただこう。
那須どうぶつ王国公式YouTubeチャンネル「マヌルネコのうた(Pallas’s cat song)Official MV」
どうでしたか。とても耳に残って頭の中で繰り返し流れちゃいませんか?
短いながらも、これを見れば彼らの魅力は伝わったのではないでしょうか。
この「マヌルネコのうた(Pallas’s cat song)」は、2021年のエイプリルフールに、那須どうぶつ王国の公式Twitter(https://twitter.com/nakprstaff)でつぶやいたことが多くの反響を受け、実際に制作されることとなったという。
そこで、那須どうぶつ王国 広報の宮地さんに制作秘話を聞いてみた。
動画「マヌルネコのうた official MV」は当園のマヌルネコ2頭を撮影・制作したミュージックビデオで。 4月1日、エイプリルフールに公式Twitter、王国YouTubeチャンネル等で「マヌルネコのうた」
つくりますよ。宣言の予告動画を配信しました。予想以上の反響をいただき、もっとマヌルネコについて知ってもらいたいと本当にうたをつくりました。
希少動物の保全も歌詞に織り込みながらマヌルネコの持つ個性を引き出した新しい映像となっております。
国内外の広告賞、数多くの話題作を手掛け、2020年には世界最大級の映像コンテストで日本一にもなったクリエイティブ・ディレクター 富永省吾氏を起用して動物の生き生きとした躍動感、距離感の近さ等、那須どうぶつ王国でしか撮れない映像素材を使ったデジタルコンテンツ「マヌルネコのうた」を制作し発表しました。
撮影ではマヌルネコとの距離を保ち静かに照明は一切使用せずに彼らにストレスをかけない配慮をしながら撮影を行いました。
小田朋美氏が作曲/歌唱、歌詞は富永氏 自ら書き下ろしており、とてもクセになるシュールな仕上がりになっています。
那須どうぶつ王国公式SNS動画再生数は130万回を越え、公式Twitterでは、43.000いいね、22.000リツィートを突破しました。再生数・リツィート数共に日を追う毎に伸びており、「中毒性がある」「クオリティ高すぎ」など、SNSで大きな話題となっています。より多くの皆様に野生ネコ「マヌルネコ」を知っていただき当園が取り組む野生動物や環境保護・保全・啓発活動に興味を持って頂けると嬉しく思います。
那須どうぶつ王国 広報 宮地さくら
※ 富永省吾 https://shogotominaga.com/ (クリエイティブ・ディレクター/映像作家)
1991年生まれ。2013年、クリエイティブ・ディレクターとして日本最年少でCANNES LIONS Health 銅賞受賞。その後、TOKYO MIDTOWN AWARDをはじめ国内外の広告賞、数多くの話題作を手掛ける。
※ 小田朋美|オダトモミ https://www.odatomomi.com/ (作曲家、ヴォーカリスト、ピアニスト)
ソロ活動をはじめとし、「DC/PRG」(キーボード)、「CRCK/LCKS」(ヴォーカル&キーボード)、詩と音楽のコラボレーション集団「VOICE SPACE」(作曲)、アイリッシュ・ダンス専門のバンド「Toyota Ceili Band」(ピアノ)に在籍。
動物園写真家がおすすめするマヌルネコの魅力
上品に座るアズ
瞳が点のレフ
さてここからは、私、動物園写真家の阪田が撮影した、神戸どうぶつ王国のマヌルネコのアズとレフの写真をご紹介しながらその可愛らしさをお伝えしていこう。
1モフモフの毛
この長いふさふさモフモフの毛並み。彼らは冬マイナス50度にまで気温が下がるモンゴルやチベットの山脈 標高3000~4000mに生息しており、体温を保持する効果があるのだ。また、灰色の毛色は岩場に住む彼らにとっては保護色となり、身を隠すことに適している。
2ポッテリと短い足
標高の高い大草原や岩肌ひしめく岩場で過ごす彼らは、速く走ることが苦手。そのことから、できるだけ獲物に近づく必要があり抜き足差し足、静かに忍び寄る忍者のように気配を消して狩りをする。
3キュートで悪そうな目と小さな耳
通常、猫の目は瞳孔が縦長に縮小していくが、彼らは丸のまま収縮していくのだ。カメラレンズの絞りのようである。家猫と違い顔の横についた小さな耳は、伏せて身を隠す時には目立たない。この目と耳が愛らしさの多くを占めるのではないだろうか。
丸顔のアズ
まん丸い目のアズ
渡し木を歩くレフ
見上げるレフ
『担当飼育スタッフからのマヌルネコエピソード』
マヌルネコを担当する飼育スタッフさん達からのエピソードもご紹介。
<神戸どうぶつ王国 マヌルネコ担当 飼育スタッフさん>
2021年1月19日に東山動植物園から来た、レフは搬入当初どんな時でも落ち着いていて、こちらが心配になるほどおっとりしていた。(移動直後の動物は環境の変化に落ち着かず、しばらく餌を食べなかったりスタッフに対して激しく威嚇したりするが、レフは搬入当日の夕方にはスタッフの目の前で餌を食べていた。)おっとりした性格は今でも変わらないが、テンションが上がると展示場内を走り回ったり、最近では飼育スタッフを目で追いかけたりと少しずつ感情の波を感じることが出来るようになってきたことが嬉しいです。
レフのきょとんとした顔は、どんな時も変わらずあの顔なので見ていてとても癒されます。
アズは展示場で隠れるのが上手。たまに飼育スタッフでもどこにいるのか分からなくなる時がありますが、見つけた時には、こちらをじっと見つめており、その顔が可愛らしいと思うことがあります。
<神戸どうぶつ王国 広報さん>
従業員通路を歩いている時、ふと視線を感じてそちらを見ると獣舎からジーッと見つめてくるアズと目が合うことがあります。「飼育スタッフじゃなくてゴメンネ。」
展示場のお気に入りの場所で身を隠すレフ。なぜ!?視線で私を追っている気がして緊張します。ちょっと、捕食されるネズミの気分。
テヘペロのアズ
鼻ペロのレフ
なにを企んでいるの?!アズ。
『マヌルネコが見られる園を探すには』
現在マヌルネコが飼育されている縁を探すには、公益社団法人日本動物園水族館協会の飼育動物検索を使って探すことができる。
公益社団法人日本動物園水族館協会
<飼育動物検索> https://www.jaza.jp/animal
少しでもマヌルネコのことを知って頂けたのなら、コロナ禍の今が落ち着いた時には、近くの動物園でマヌルネコに会いに足を運んでみてはどうだろうか。 実際に見るとマヌルネコの魅力に、ノックアウトされるかもしれない。
[取材協力]
神戸どうぶつ王国 http://www.kobe-oukoku.com/
〒650-0047 兵庫県神戸市中央区港島南町7-1-9
Tel : 078-302-8899 Fax : 078-302-8222
那須どうぶつ王国 https://www.nasu-oukoku.com
〒329-3229 栃木県那須郡那須町大島1042-1
Tel : 0287-77-1110 Fax : 0287-77-2001
[写真と文]
動物園写真家 阪田 真一
<Twitter> https://twitter.com/ZooPhotoShin1