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【動画付き】乗ってわかったジープ「ラングラー」が売れまくっている理由

2021.05.08

連載/石川真禧照のラグジュアリーカーワールド

「ラングラー」はジープの伝統を継承し、進化されてきた唯一無二の存在だ。そのスタイリングデザインは、1940年代の初代ウイリス・ジープの流れを今でも受け継いでいる。独立したフロントフェンダー、その内側にある丸型ヘッドライト、左右ライトの間にある縦長グリルは当時からのものだ。

 しかし、その中味は大幅に進化している。とくに2018年10月に全面改良された現行モデルは、これまでの「ラングラー」とは完全に一線を画すモデルとして認知された。最新モデルは、それまでのV6、3.6ℓ改良型ガソリンエンジンに加え、新開発の直列4気筒2ℓガソリンターボを追加した。

同時にドアパネル、フェンダー、ウインドシールドフレームにアルミニウムを、リアのゲートの骨格部分や内側パネルにはマグネシウムを用いることで、車両重量の軽減化を実現したのだ。とはいっても試乗した「アンリミテッド・サハラ2.0ℓ」で車重は1960kgもある。取り外しできる前席の天井は、左右別々にワンタッチで脱着できるようになり、取り付け箇所の雨漏れ対策も強化された。室内の快適性は前後席ともに大きく向上している。

 プッシュボタンのエンジンスターター、ドアノブに触れるだけで施錠開錠ができるキーレスエンター、テレスコとチルト機能付きのハンドル、フルカラーの7インチマルチビューディスプレイなどは「ラングラー」史上初の装備だ。安全装備も後退時の後方視界を補助するリアバックカメラやパークアシストも標準装備となっている。

 試乗していてラクだったのは、このリアビューカメラに加えて、最小回転半径が従来型よりも大幅に小さくなったことだ。「アンリミテッド サハラ」で6.2m(従来型7.1m)にまで縮小されたのだ。パワーユニットは直列4気筒の2ℓガソリンターボ。エンジンルームはボンネット横のフックを左右2か所外すだけで開閉できる。2ℓターボは2000回転あたりからトルクが盛り上がり、5500回転まで実用域。4000回転をオーバーするとエンジン音が高まってくる。

 そして、オンロードでの走行性能はかなり速い。Dレンジでの0→100km/hの加速は6秒台。このクラスのクロカン4WDとしてはトップレベルを誇る。高速走行時のハンドリングもやや重めで、どっしり感がある。ワインディングではフラつくことなく、一定のスピードを保って走り抜けることができる。このハンドリング性能はこれまでの「ラングラー」と比べても群を抜いている。

 4×4システムは、従来のパートタイム4×4に加え、「ラングラー」史上初となるフルタイムオンデマンド4×4を採用。「4H AUTO」モードを備えるサブ変速機が用意された。路面や天候状況に応じて駆動力を自動的に前後輪に配分する。「4H パートタイム」「4L」モードではセンターデフロックが可能。

試乗したトマムリゾートの雪道では「4H AUTO」モードを多用したが、閉鎖されたスペシャルステージで他のモードも試してみた。「4H AUTO」モードでは、積雪のあるところでも走破性は高く、安心感がある。試しに「2H」にシフトしてみたが、瞬時に後輪が空転し、車両が不安定に陥ってしまった。それをハンドル操作で立て直そうとしたところ、車両重量2tのクルマということもあり至難の業だった。

 一方、「4Hパートタイム」では強力なトラクションがかえって禍いし、安定性に欠けてしまう。この時も車重がネックになった。この走破性の難しさの一因は、装着されていたタイヤにある。ノーマルのオールテレインLT255/70R16だったのだ。約半日、トマムリゾートの雪の中で「ラングラー アンリミテッド」を運転したが、ここでわかったのは、このクルマは雪でなく、泥や岩場、荒地のほうが似合うし、楽しく走ることができるということだった。

 統計によると「ラングラー」は2009年には年間輸入販売台数がわずか516台だった。それから毎年、前年比を上回るようになり、2020年には5757台を記録しSUV・Dセグメントで1位になった。しかも、2位のメルセデス・ベンツ「GLC」を約1500台離して、ダントツの1位に輝いたのだ。この不思議な魅力を持つベストセラーSUVに一度でいいから試乗してみてほしい。きっと、クルマの新しい世界が見えてくるはずだ。

■関連情報
https://www.jeep-japan.com/wrangler-jl.html

文/石川真禧照  撮影/佐藤靖彦

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