小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

【動画付き】ダイナミックな走りを堪能できるベントレーのSUV「ベンテイガ V8」

2021.05.13

連載/石川真禧照のラグジュアリーカーワールド

「ベンテイガ」は2016年の初めに発売された。100年間英国の伝統を受け継いできた高級車メーカー、ベントレーにとって初めてのSUVだった。その生産工程は工場の熟練した職人の手による手作りが中心だ。

 生産を開始した直後にベントレーの工場があるチェシャー・イースト、クルーに招待されたことがある。工場の中では一台一台が専用の生産ラインで100時間以上かけて丁寧に造られており、230人の職人チームが関わっていた。そして4年間で2万台という台数の「ベンテイガ」が造られた。

 初公開された初代「ベンテイガ」は、W型12気筒DOHCツインターボ、6.0ℓという強力なエンジンで608PS、900Nmを発生すめ。最高速度も301km/hを公表している。当時は「ベンテイガ」のようなハイエンドのSUVは、ポルシェ「カイエン」ぐらいしかなかったこともあり、「ベンテイガ」の性能の高さは驚異的だった。すでに、開発に着手していたランボルギーニやアストンマーティン、ロールス・ロイスなどの開発チームはとにかく注目していたに違いない。

 現行モデルは2代目。2020年6月に英国で発表され、日本では同年12月からデリバリーが開始された。新型は、ボディーサイズ自体は大きく変わっていないが、デザインは最近のベントレーの特徴をしっかりと取り入れている。フロント部は大型化され、ヘッドライトはLEDでクリスタルカットガラスをイメージしたデザインを採用。ボディーラインも空力抵抗を考えて、曲面を生かした印象になった。

 また、リアはトレッドが20mm拡大されたことで、踏ん張り感のあるどっしりしたデザインに変わった。ヘッドライト周辺の丸味のある曲線が印象的だ。フロントガラス用のワイパーは、アームに22か所のウォッシャーノズルが内蔵され、視界の確保を助けている。

 リアスタイルも全面的に見直され、テールライトは横長の楕円形を採用。これも「コンチネンタルGT」のイメージを受け継いでおり、分割型のマフラーもライトと同じ形状で統一されている。インテリアもダッシュボードではセンター部分が新しくなった。デジタルディスプレイは10.9インチの液晶画面が存在感を放ち、タッチスクリーンは後席にも用意されている。

 パワーユニットはV8の4.0ℓツインターボ、ガソリンエンジンで、550PS、770Nmを発生する。駆動方式はフルタイム4WD。このV8エンジンだが、条件次第では4気筒を休止するシステムも採用されている。動力性能は最高速290km/hと、相変わらずハイエンドSUVクラスの中ではトップクラス。8速ATは前モデルから変わらない。

 コンソールのドライブモードダイヤルで「B(ベントレー)モード」を選択。これがこのクルマの標準モードであり、オートモードを表わす。このほかに、スポーツ/コンフォート/カスタムのモードが設定されている。

「Bモード」で走り出すと、V8、4ℓのツインターボエンジンは1000回転あたりからアクセルレスポンスが良くなる。試乗時は60km/hを7速1000回転で走行することができた。1500回転以上なら、瞬時に加速態勢に移るが、もちろん速い。0→100km/hは4秒台後半をたたき出した。カタログデータが4.5秒なので、これはかなり速いほうだ。

 車重2.5tもある大型SUVが0→100km/h加速を 4秒台で走る姿はかなりの迫力だ。エンジンは7000回転まで上昇してシフトアップするが、5000回転から上の爆音も凄い。一方で、高速道路での100km/h巡航は8速1500回転程度なので、トルクも余裕があり、燃費も実走で12km/L以上を記録した。

 乗り心地だが、「Bモード」では低速ではやや上下動が大きめだが、車速が高まると上下動は収まり、細かいゴツゴツとした動きが伝わってくる。やや硬めのセッティングだ。コンフォートモードでは上下動をさらに大きめに感じるが、ロール時の抑えもベントレーが採用した世界初の電動式アクティブコントロールが効いているため、不安は全く感じない。タイヤ/ホイールに285/40ZR22という量産車としては最大級の大径タイヤを上手にはきこなしている印象だ。スポーツモードではハンドルの操舵力も重くなり、乗り心地も硬めに変化した。このダイナミックな走りこそ、ベントレーらしさだといえる。

 かつて、創業者のウォルター・オーエン(W.O)ベントレーが自動車を造り始めた時、蒸気機関車をイメージしたという。ブガッティを創業したエトゥール・ブガッティは、ベントレーの、武骨で大きくて、力強いボディーと走りを見て「世界一速いトラック」と評したが、これはベントレーにとって誉め言葉だった。

 今回、新しくなった「ベンテイガ」の走りや力強さは、まさにベントレーそのもの。個人的にはあまりにも洗練されたフロントエンドのデザインを見て、蒸気機関車から新幹線になったように感じた。そんな個人の感想とは関係なく「ベンテイガ」は、2020年11月にはW12気筒6ℓ、635PS、900Nmエンジンの「ベンテイガ・スピード」を、2021年1月にはV6、3ℓエンジンとモーターを組み合わせた「ベンテイガ・ハイブリッド」を発表。これらも日本に上陸したら、早めにレポートしたい。

■関連情報
https://www.bentleymotors.jp/models/bentayga/new-bentayga-speed/

文/石川真禧照 撮影/萩原文博 動画/吉田海夕

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年4月16日(火) 発売

DIME最新号は「名探偵コナン」特集!進化を続ける人気作品の魅力、制作の舞台裏まで徹底取材!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。