ZaPASS JAPAN「女性のキャリアに関するアンケート調査」
女性のキャリア形成に課題を抱える日本社会。結婚、出産、子育てと、ライフステージが変わった時に、今の仕事を続けていけるのか……。そんなふうに、不安を感じる働く女性は少なくないだろう。
そんな女性のキャリアに関するアンケート調査がこのほど、ZaPASS JAPAN 株式会社により実施され、働く女性326名から回答が得られた。詳細は以下の通り。
■8割以上が、今後のキャリアに不安があると回答
今後のキャリアに不安があるか尋ねたところ、「とてもある」と「ややある」が合わせて82.8%と、8割以上の方が今後のキャリアに不安を感じていることがわかった。(n=326)
■キャリアの不安として多いのは?
今後のキャリアにどんな不安を感じているか尋ねたところ、「ライフステージが変わったときの働き方(結婚・出産・介護など)」が54.1%で最も多く、「フルタイムで働き続けられるか」が49.6%と続いた。(n=270)
■約7割が、働く上で女性であることが不利だと感じたことがある
働く上で、女性であることが不利だと感じたことはあるか尋ねたところ、67.2%が「ある」と回答した。(n=326)
<女性であることが不利だと感じたエピソード/自由記述/一部抜粋>
〜ライフステージ関連〜
・結婚、子育てで仕事のキャリアを捨てないといけない
・転職時の面接で結婚の可能性を聞かれる。在職中の個人面談でも、結婚の可能性や出産について探りを入れられ、ないと言い切らなければ仕事を続けさせてもらえない
・ライフステージが今と変わったらフルタイムは難しい。結婚しようとした時に相手との兼ね合いで、相手は仕事を変えられないので自分が仕事をやめざるをえない時があった
・結婚した同僚が、今後妊娠して産休を取るリスクがあるからと部署を異動させられた
・今の会社に産休や育休の実績がないため、子供ができたら辞めなければいけないため
・妊娠しながら仕事をしていたとき。提示されたポストが流れかけた
・妊娠、出産により業務へ支障やキャリアのストップがある。結婚して辞めるかもしれないと昇進や人材育成に力をいれてもらえない
〜職場復帰関連〜
・産休育休を取得したあと別のポジションに移ることになった
・産休育休に入る人は出世できない
・産休から復帰したら、窓際に異動された
・妊娠・出産などで、責任のある仕事を任せてもらえていないとき
・子供がいて時短勤務と言うだけで評価が下がるから
〜女性の身体ならではの体調関連〜
・体力面で男性と同じように動けないこと
・生理や婦人科系の疾患で休みづらい
・生理休暇を男の上司に言い出せない時
・生理痛でも普段通りに仕事をこなしたい。ホルモンバランスの関係で精神状態にむらがあるが平常心を保ちたい時など
■約9割が、時間や場所、所属組織にとらわれずに働くためのスキルを身に付けたいと回答
時間や場所、所属組織にとらわれずに働くためのスキルを身に付けたいか尋ねたところ、89.6%が「はい」と回答した。(n=326)
■時間や場所、所属組織にとらわれずに働くために役に立つと思うスキルは、「語学」「プログラミング」
時間や場所、所属組織にとらわれずに働くために役に立つと思うスキルを尋ねたところ、「語学」が40.5%で最も多く、「プログラミング」が39.6%、「マーケティング」が32.8%と続いた。(n=326)
■本調査結果を受けて
今回の調査では、働く女性の8割以上が今後のキャリアに不安を抱えており、さらに約7割が働く上で女性であることが不利だと感じたことがあることなど、女性が働く上での課題が明らかになった。
特に、結婚・出産・介護など、ライフステージが変わったときに同じように働き続けることができるかどうかについて多くの不安の声が寄せられたほか、「実際に産休育休後に異動させられた」といったエピソードも複数あったことは、人事制度や社会全体の意識改革が女性の働きたいという意思にまだまだ追いついていないという由々しき現実を浮き彫りにしているのではないだろうか。
現代は働き方の多様化も進み、本調査でも「時間や場所、所属組織にとらわれずに働くためのスキルを身に付けたい」という声が多く挙がった。
<調査概要>
調査対象:日本企業に勤めている女性正社員
調査方法:Web
実施時期:2021年3月4日〜3月6日
有効回答数:326
出典元:ZaPASS JAPAN 株式会社
https://zapass.co/
構成/こじへい