富士山を真正面に臨む、アウトドアリゾート施設PICA Fujiyamaは、2018年にオープン。テラスつきの最大6人で泊まれるコテージ、そしてドーム型テントなど、好みのスタイルを選んで滞在することができ、女性にも人気のスポットだ。
この自然に囲まれたリゾートに、2020年9月に新設されたのが、フィンランドから輸入されたトレーラースタイルの「キャンプサウナ」である。聞いただけでととのっちゃいそうな魅惑的なネーミングを持つそのスポットを訪れてみた。
旅しているようなトレーラーの機能美が際立つたたずまい
森に囲まれた、ドームテントが並ぶ平地の一角に威風堂々と置かれているトレーラーと対面。このまま走行できる形をとどめていて、思ったより「車」である。これがサウナだなんて、ますます面白いではないか。
扉を開けると、細長い室内(というか車内)はウッド基調にしつらえられ、奥には2段のベンチが。1台あたりの最大利用者数は6名で、宿泊利用客だけが事前予約で貸し切るスタイルだ。なので、水着を着ていれば男女問わず、一緒に来た仲間同士でサウナを楽しむことができる。
右手には、薪ストーブによって暖められたサウナストーンが鎮座している。用意されたバケツとラドルを使って、自分でお湯や水をかけて蒸気を堪能する「セルフロウリュ」が好きなだけ楽しめる。実際にセルフロウリュを試したところ、程よいコンパクトな広さなので、あっという間に室内の温度はぐんぐん上がり、短時間でも「く~、気持ちイイ!」状態に。窓から見える木々、ストーブに揺らめく炎、そしてサウナという贅沢さを堪能し、温まったところでトレーラーを出て水風呂へ移動だ。
「富士山地下水かけ流し」このパワーワードに身をゆだねて
この「キャンプサウナ」のもう一つの大きなポイントが、この「ドラム缶露天水風呂」だ。なんと富士山の地下水かけ流しの水風呂という、なんとも趣あふれたスタイル。地下水の水温は17度くらいだろうか。ひんやり冷えた水の気持ちよさは、温度よりも、まろやかな水質にあった。富士山を間近に眺めながら、その地下水の恵みを拝借した水風呂に浸るとは、うーん、なんともこちらも贅沢な体験である。
トレーラの横にはベンチも備えられ、サウナ室、水風呂、外気浴のすべてが数歩のうちに完結できるのも、この「キャンプサウナ」の魅力。大自然の雄大さに包まれながら、まるで6畳一間の部屋にいるがごとく、楽しみたいことはすべて手の届く範囲に収められているのだ。一秒たりとも時間を無駄にせずに、サウナを味わいつくすことができる。
この土地ならではのメリットが最大限にいかされた、PICA Fujiyamaの「キャンプサウナ」。
初夏の富士登山を楽しんだあとに、ここで一泊してサウナとBBQを堪能して帰るなど、富士方面への訪問を考える際には、ぜひ予定に組み込んで極上サウナ体験を味わってみてほしい。
PICA Fujiyama「キャンプサウナ」
利用可能時間/7:00~20:30
利用料金/宿泊の人に限り5,000円(1組・90分)
※小学生未満の方は利用不可
※事前予約制
※貸切での利用(実際は周囲に目隠しカーテンがひかれます)
※水着など着衣が必要
https://www.pica-resort.jp/fujiyama/
取材・文/nenko