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自社の通信回線を持った、第4のキャリアとして注目を集めている楽天モバイル。楽天モバイルのサービス提供が始まった当初は「つながりにくい」といったイメージがあった人も少なくないだろう。しかし、現在は自社の基地局も増え、徐々に通信状況は安定しつつある。
本記事では「基地局の設置場所や設置数は?」「今後の基地局設置計画は?」など、気になる楽天モバイルの基地局について解説する。
総務省のデータから紐解く!楽天モバイルの基地局はどのくらいある?
総務省が開示している「無線局免許状等情報」によると、現在の楽天の基地局の設置数は、全国で約20,500以上とのこと。楽天モバイルの自社回線エリアを公式サイト(※)で確認すると、東京・大阪・名古屋といった主要都市、県庁所在地といった人口密集地で特に基地局が多く設置されている。
現時点で基地局が少ないエリアは?
現時点で楽天の基地局が少ないエリア、つまり楽天回線サービス対象外のエリアは、地方の市区町村が多い。これらのエリアではパートナー回線であるau回線にローミング接続することで、データ通信を可能にしている。
楽天モバイルはすでに楽天回線エリアの人口カバー率99.9%を達成しているが、『「Rakuten最強プラン」プロジェクト』と題し、現在も基地局の増設が進んでいる。現在はパートナー回線を利用しているエリアでも、近いうちに楽天回線の利用ができるようになる地域は多いだろう。
基地局が少ないエリアで楽天モバイルを使用するデメリットはある?
楽天モバイルのデータ利用量で料金が決まる「Rakuten 最強プラン」は、最大月額3,168円(税込)で高速データ通信が無制限で利用できるプラン。楽天回線エリアだけでなく、auローミングエリアでもリーズナブルにデータ通信が利用できるのがメリットだ。
しかし、楽天モバイルの基地局が少ないエリアではau回線に切り替わることがある。切り替わるタイミングで通話や通信を行なっていた場合、途切れることがデメリットだ。重要なデータのやり取りや通話をしている場合は注意しよう。
電波が届きやすい!「Rakuten Casa」で屋内に楽天回線エリアを構築することも可能
*楽天モバイル公式サイトより
基地局が少ないエリアでは楽天モバイルを利用するメリットが少ないように感じるが、自宅が楽天回線エリア外の場合「Rakuten Casa」の利用でデータ容量無制限にすることができる。「Rakuten Casa」とは”あなただけの「小さな4G基地局」”として、楽天回線エリア外でも、屋内に楽天回線が構築できるサービスだ。「Rakuten Casa」を申し込むメリット・デメリットは次の通り。
Rakuten Casaのメリット
1.楽天回線エリア外でも、楽天回線が利用できる
2.実質無料でレンタル・利用ができる
「Rakuten Casa」最大のメリットは、接続先の回線を気にせず、自宅で楽天回線が利用できる点だろう。先述したように、パートナー回線エリアであっても「Rakuten Casa」を設置すれば、高速データ容量無制限の対象となる。
また、「Rakuten Casa」は実質無料で利用できる点もメリットの一つ。もともと月額料金無料、本体価格や事務手数料も無料のレンタル品だ。
Rakuten Casaのデメリット
1. 楽天モバイルが指定するインターネット回線と、楽天回線対応機種の利用が必須。
2. 解約時、Rakuten Casa本体を返却しなかった場合、2万円の支払いが発生する
3. Rakuten Casaは楽天の小型基地局となり、誰でも利用ができる
Rakuten Casaを利用するには、対象のインターネット回線と楽天回対応機種の使用が必須条件になっている。また、「Rakuten Casa」はレンタル品のため、解約時に本体の返却がない場合は、2万円の違約金が発生する点も注意が必要だ。
さらに、「Rakuten Casa」のキャッチコピー「小さな4G基地局」でもわかるように、「Rakuten Casa」は小型基地局であり、電波が受信できる範囲の楽天モバイルユーザーは誰でも利用可能。つまり、自宅に設置した「Rakuten Casa」の電波を近所の人が受信する、といったことが起こりうる。これは自宅のインターネット回線の帯域を他人に使用されることでもあるため、場合によっては通信速度が制限される可能性も出てくるだろう。
楽天モバイルの今後の基地局設置計画とは?
楽天回線の人口カバー率99.9%を達成した今でも、基地局の増設を進めている楽天モバイル。第5世代移動通信システム(5G)を利用するための基地局の増設にも力を入れている。
基地局が新設・増設された地域の確認方法
基地局が新設・増設された地域は、楽天モバイルの公式サイトから確認できる。楽天モバイルの公式サイトにアクセス後、メニューから「通信エリア・店舗」をクリック(タップ)し、「スマートフォン」を選択。4G LTEまたは5Gのいずれかを選択することで、それぞれの拡大エリアを確認できる。
また、最近基地局が設置された地域に関しては、「Rakuten最強プランプロジェクト」に関するページ(※)からも確認可能だ。自宅や会社のあるエリアの設置状況を調べてみよう。
プラチナバンドも2024年から利用開始
楽天モバイルは、2024年からプラチナバンドの運用を開始する予定だ。プラチナバンドとは、700MHz帯の周波数帯を指し、建物内や地下でも電波がつながりやすい特性がある。これにより、楽天モバイルの電波が入りにくい場所があるという問題が大きく改善されることが期待されている。プラチナバンドの運用開始により、楽天モバイルのサービスはさらに利便性が向上し、ユーザー体験が向上するだろう。
ただし、プラチナバンドの全国展開は一部の地域から順次行われ、すぐに全国規模でのサービス提供が開始されるわけではないことに注意しよう。これは、プラチナバンドが地上デジタル放送や特定ラジオマイク、高度道路交通システムなどとの干渉を避けるための措置であり、出力を抑える必要があるためだ。
文/oki