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ワンピース、スカート、シャツ、パンツ、性別を問わず自由に着こなせるジェンダーフリーブランド「IIQUAL」

2021.05.05

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

誰かが決めた“らしさ”を脱いで自由に服を楽しむ

オンワードグループのデジタル戦略を担う「オンワードデジタルラボ」が3月よりスタートした、社会課題に取り組むD2Cブランド販売サイト「ONWARD Design Diversity(オンワード・デザイン・ダイバーシティ、以下ODD)」。

その第2弾として、ジェンダーイコーリティに向き合う新ブランド「IIQUAL(イーコール)」の販売を開始した。

ジェンダーフリーブランド「IIQUAL」のコンセプトは、「誰かが決めたらしさを脱ぐ服」。

「IIQUAL」にはメンズ・ウィメンズという概念がなく、ワンピース、スカート、シャツ、パンツと、性別を問わず自由に、自分らしく着こなすことができる。男性がワンピースを着る、スカート履くということには抵抗感が生まれるかもしれないが、ODDではこのような提案をしている。

「抵抗感は、男性はこうあるべき、こうすべきという『らしさ(=ジェンダーバイアス)』に囚われてしまうことが、一つの原因であると考えている。自分の中にある誰かが決めた『らしさ』に気づき、思い切って新しいアイテムを着てみたとき、それは今までの『らしさ』を脱ぎ去る体験になるかもしれない。趣味や職業など日常の様々なところに固定観念として存在する『らしさ』を脱ぎ去り、自分らしさを見つけることを、私たちはファッションの立場から応援していく」。

性別を超えた服を実現する新たな型作りの挑戦

メンズ・ウィメンズという区分がまずありきだった服作りの現場。性の区分を取り払い、全てのアイテムを着られるようにするために、生物学的な性差による体格の考慮、心理的抵抗を少なくするデザインに挑戦。何度もフィッティングや型紙の調整を行いながら、新たなデザインを生み出す試みを続けている。

ワンピースは性別を問わず着やすいようにストレートなシルエットを採用。身体のラインが気にならないゆとりを持たせたデザインで、後ろのファスナーは慣れていない男性でも着やすいように長めに設定した。

「Vネック スリーブレスワンピース」(1万5400円):サイズは0、1、2、3、4。カラーはブラック・ベージュの全2色。

男性用と女性用で逆となるのが通例のシャツの合わせについては、スナップボタンにすることで、合わせに慣れていなくても留めやすくしている。

「スタンドカラー シャツ」(9900円):サイズは0、1、2。カラーはホワイト・カーキ・ネイビーの全3色。

「男性もトライしやすいアイテムを」という議論から生まれたスカートパンツは、前はスカート、後ろはパンツルックに。

「フルレングスラップ パンツ」(1万4300円):サイズは0、1、2、3、4。カラーはブラック・カーキの全2色。

ラインナップはカットソーは3850円~6,600円、シャツは7700円~9900円、ジャケットは1万6500円、ワンピースは6600円~1万5400円、ボトムスは6600円~1万4300円。

「IIQUAL」デビューに伴い、既存の「らしさ」にとらわれることなく自分らしく生きる人々をアーカイブした「Diverstyle Book」をブランドサイトおよび公式noteにて順次公開。服やスタイリングの参考になるだけでなく、生き方のインスピレーションにもなる「IIQUAL」ならではのスタイルブックとなっている。

【AJの読み】スカート男子でも違和感のないスタイリングができるブランド

女性の場合、オーバーサイズで着たいとき、体型的に大きめサイズが欲しいときなどメンズアイテムも普通にセレクトしているが、男性の場合、特にスカートを履くということに関しては抵抗があるかもしれない。「IIQUAL」はブラック、ホワイト、カーキ、ベージュといったベーシックなカラーリングなのでスタイリングしやすく、男性のスカートも徐々にステップアップしていくと、抵抗なく着られるのではないだろうか。

ワンピースなら前ボタンを開けてコートのように羽織ったり、パンツと組み合わせてレイヤードスタイルにしたりなど、取り入れやすいスタイリングから始めて、黒で統一したモード系にすれば、甘さが抜けて「男性がワンピースを着ている」という違和感は全く覚えない。

夏はワンピースを着ると足回りから風が通りパンツスタイルよりも心地よい。夏場のスカートの開放感を男性諸氏にもぜひ体験してもらいたい(笑)。

文/阿部純子

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