近年、YouTubeやニコニコ動画の「リプレイ動画」が、おもしろいと話題を呼んでいるTRPG(テーブルトーク・ロールプレイングゲーム)。電源不要、会話だけで物語を進めるこの遊びの歴史は古く、『ドラクエ』や『FF』といったRPGの大元になったゲームだ。 リプレイ動画の楽しそうな雰囲気に「私もやってみたい!」と思う人は多いけれど、いざ始めるとなると、なにから手をつけたらいいかわからない…。そんなTRPG初心者に向けて、おすすめのTRPGと関連グッズをご紹介する。
【目次】
・プレイヤーの数が圧倒的!これ買っとけば間違いなしの定番TRPG4選
・どうせなら話題の新作で遊びたい!ファンの注目を集める人気TRPG6選
・未経験者でもすぐに始められる!即興で物語を紡ぐ『のびのびTRPG』
プレイヤーの数が圧倒的!これ買っとけば間違いなしの定番TRPG4選
TRPGを始めるにあたり、まず手に入れておきたいのが「ルールブック」だ。コンピューターRPGと異なり、TRPGは「物を隠す」「攻撃を当てる」などの各種判定を、ルールに沿ってGM(ゲームマスター)と呼ばれる審判が成否をジャッジする。そのルールを記したものが、こちらで紹介するルールブックなのだ。
ゲームの性質上、TRPGはGMとPL(プレイヤー)が最低でも各1人ずついないと楽しめない。TRPGを始める難関の1つに「人集め」がある以上、プレイ人口が多いTRPGのほうが初心者向けと言えるだろう。ここでは、安定した人気があり、それゆえにプレイ人口が多くて人を集めやすい人気定番のTRPGをご紹介する。
クトゥルフ神話 TRPG(第6版)
リプレイ動画でも人気の、クトゥルフ神話TRPG基本ルールブック。アメリカの怪奇小説家、ラヴクラフトとその友人たちが作った架空の神話「クトゥルフ神話」をモチーフとしている。TRPGとしての歴史も古く、1981年の発売を第1版と数え、こちらはファンの間で「第6版」と呼ばれている。
定価6380円(税込)と少々お高めだが、サプリメント(シナリオ集)も豊富なうえに、ファンの手で作られた無料~1000円程度で手に入る同人作品も多く、これ1つあれば存分に楽しめるだろう。
新クトゥルフ神話TRPG(第7版)
前述の第6版は発売が2004年と古いが、こちらは2019年とかなり新しい。ファンの間では「第7版」と呼ばれる、クトゥルフ神話TRPGの最新版だ。
とくに行為の成否判定や戦闘が大きく改定され、第6版がKP(ゲームキーパー、GMと同意)の自由裁量が大きかったのに対し、第7版は細かい部分までルール化されている点が異なる。
定価6490円(税込)。発売が新しいだけに、第6版と比べるとサプリメントや同人シナリオの数は少ないが、今後解消されていくと思われる。
出典 公式サイト|新クトゥルフ神話TRPG(第7版)
ソード・ワールド2.5
国産ファンタジー小説『ロードス島戦記』で知られる、グループSNEが製作したファンタジーTRPG。前述の『ロードス島戦記』と世界観を共有している。1989年の発売後、大幅なルール改定や舞台の刷新が2回なされ、現在はこの「2.5」が最新版となっている。
行為の成否判定がパーセントで判定される(D100判定、おもに10面体ダイス2つを使用)のTRPGが多い中、6面体ダイス(D6、もっとも一般的なサイコロ)しか使わない点と、文庫という手軽さ、なじみ深いファンタジーという世界観で普及した。
定価990円(税込)と安価だが、より深く楽しむ場合は2冊の分冊本の購入もおすすめしたい。
出典 公式サイト|ソード・ワールド2.5
ダンジョンズ&ドラゴンズ(第5版)
いまから50年近くも前の1974年に誕生した、世界で最初のTRPG。『ドラクエ』を始め、あらゆるRPGの原点とも言われる作品で、国内では上述の『クトゥルフ』や『ソード・ワールド』が人気だが、海外では圧倒的にこちらが人気でプレイ人口も多い。
世界観はスタンダードなファンタジーで、エルフやドワーフなどのおなじみの種族が登場する。最初にゲームを始めるのに必要な『スターター・セット』の定価は3300円(税込)だが、現在は売り切れなので『プレイヤーズ・ハンドブック』を紹介する。人気作だけに、サプリメントも充実している。
出典 公式サイト|ダンジョンズ&ドラゴンズ(第5版)
どうせなら話題の新作で遊びたい!ファンの注目を集める人気TRPG6選
TRPGは歴史ある人気作品だけでなく、国内外のゲームデザイナーが精力的に新作を発表し続けている。ここでは、そんな国産の新作TRPGの中から、比較的安価で手に入る“ブックタイプ”のTRPGをピックアップしてご紹介する。
銀剣のステラナイツ
TRPGにおいて、キャラクターになりきって演技をしたり、行動をとったりすることを「ロールプレイ(RP)」と呼ぶが、そのRPに重点を置いた作品。
プレイヤーは異世界からの侵略者と戦う「ステラナイト」となり、滅亡に瀕する世界を救うために戦いに挑むというドラマティックな内容になっている。プレイヤーは必ずペアを組むなど、キャラクターの関係性を大事にしたい人におすすめ。2018年発売、定価1980円(税込)。
出典 公式サイト|銀剣のステラナイツ
マルチジャンル・ホラーRPG インセイン
ホラーをテーマにしたTRPG。プレイヤーの身の回りに起こるオカルティックな怪事件を、ときに謎を解き、ときに戦いながら解決していく。『人狼』ゲームのように、プレイヤーはそれぞれ秘密の目的を持ち、その探り合いも醍醐味となっている。発売は2013年と少し古め、定価1650円(税込)。
出典 公式サイト|マルチジャンル・ホラーRPG インセイン
忍術バトルRPG シノビガミ
『インセイン』と同じゲームデザイナー、河嶋陶一朗氏の作品で、同じ汎用システムを用いている。タイトルからイメージされるとおり、忍者の世界を舞台としている。
プレイヤーはそれぞれ、他のプレイヤーには隠された目的を持ち、ときに協力し、ときに妨害しながら任務を達成していく。発売開始は2009年で、2020年には2回目の改訂を行った基本ルールブックが発売された。定価4180円(税込)。
出典 公式サイト|忍術バトルRPG シノビガミ
バディサスペンスTRPG フタリソウサ
GM含めて最大3名で遊ぶ少人数用のTRPG。作品名どおりテーマは推理モノで、探偵と助手のコンビで殺人事件などの謎に挑む。他作品ではおなじみの戦闘はあまりなく、シナリオ上で伏せられた手がかりを、探偵や助手の特殊能力を使って解き明かすというスタイル。発売は2019年、定価1870円(税込)。
出典 公式サイト|バディサスペンスTRPG フタリソウサ
魔道書大戦RPG マギカロギア
こちらも河嶋陶一朗氏の作品で、同一システムを採用。「魔道書大戦TRPG」と銘打たれているとおり、魔法をテーマにしたファンタジーの世界観だ。
「運命変転」と呼ばれる、プレイヤーの魔法使いが起こしたミスなどが、パートナーに災厄となって降りかかるシステムが特徴的。ドラマティックな展開が生まれやすくなっている。最初の発売は2011年だが、2017年に新規ルールなどをまとめた改訂版が発売された。定価4180円(税込)。
出典 公式サイト|魔道書大戦RPG マギカロギア
ダブルクロス
発売は2001年と新作と呼ぶには古いが、それでも定番作品がいずれも1990年より前と考えると十分に新しい作品。
舞台は現代から近未来で、未知のウイルスの影響で超常的な力を得た少年少女たちが活躍する。現在は2回のルールの改定とバージョンアップがなされた、第3版である『The 3rd Edition』が主流となっている。定価924円(税込)。
出典 公式サイト|ダブルクロス
未経験者でもすぐに始められる!即興で物語を紡ぐ『のびのびTRPG』
TRPGを未経験の初心者でもすぐに始められて、TRPG感を味わえると大好評の『のびのびTRPG』シリーズ。ランダムに引いた「場面」に合わせて、参加者が即興で物語を紡いで、次の人に繋げていくというゲーム内容だ。
もともとは、企画からイラストまで手掛ける今野隼史氏の個人作品で、即売会で大人気となりアークライトより商業作品として流通するようになった。現在、オリジナル版の『のびのびTRPG』は在庫切れで入手できないため、購入可能なアークライト版2作品のみご紹介する。
のびのびTRPG ザ・ホラー
GMと複数のプレイヤーで、即興で物語を紡ぐ『のびのびTRPG』シリーズの1つ。GMが引いた「場面カード」に合わせた物語を、プレイヤーが即興で物語を紡ぎ、次の人につないでいく。
6面ダイスを使った判定で行動が決まることもあり、何度遊んでも毎回、違う展開が楽しめることも売りだ。オリジナル版に比べカード枚数が大幅に増えていることも魅力の1つ。
セットの中にゲームで使う6面体ダイス(D6)6個が入っている。2017年発売、定価3850円(税込)。
出典 公式サイト|のびのびTRPG ザ・ホラー
のびのびTRPG スチームパンク
こちらも『のびのびTRPG』シリーズの1つで、タイトル通り機械文明を背景に持つ「スチームパンク」がテーマの作品。『天空の城ラピュタ』のような世界観が好きな人におすすめ。2018年発売、定価3850円(税込)。
出典 公式サイト|のびのびTRPG スチームパンク