コーヒーや紅茶好きな方なら聞いたことがあるであろう『たんぽぽコーヒー』。
コーヒーの種類ではなく、実はたんぽぽの“根”を焙煎して作る飲み物だというのはご存じでしょうか?
というわけで今回は、野草として生えているたんぽぽを使ってできる、自家製たんぽぽコーヒーの作り方講座です。
自家製たんぽぽコーヒーの作り方
1 たんぽぽを掘る
たんぽぽの根っこはものすごーく深く伸びています。がんばりましょう。
2 水洗いして細かく刻む
ひげ根の部分も使えるので丁寧に洗ってあげてくださいね。
(数日天日干しする)
すぐに飲みたい方はイラストのようにそのまま乾煎りするか、焦げないように注意して電子レンジにかけて水分を飛ばしてから使う方法もあります。
3 乾煎りする
焦げないように弱火でじっくり炒めましょう。ナッツのような香りが漂ってきて、こげ茶色になったら火を止めます。
4 すりつぶす
ミルサーがあれば早いですが、無い場合はすり鉢でゴリゴリと粉末状になるまですりましょう。たんぽぽコーヒー粉の完成です。
5 淹れる
ティースプーン1杯程度がコーヒーカップ1杯分の目安です。淹れるときは通常のコーヒーと同じ要領でドリップしましょう。
たんぽぽコーヒーの味や効能は?
実際にたんぽぽコーヒーを作って飲んだ方の口コミなどを見ると
・香りと見た目はコーヒー
・味はコーヒーよりも薄め
・濃いめのほうじ茶や麦茶っぽい味
・酸味や苦みがなく飲みやすい
などの意見があり、「コーヒーとは言えないけど、これはこれで美味しい」といった感想が多いようです。イラストでも、「ほっとするやさしい味」なんて表現されていますね。
実際たんぽぽコーヒーはハーブティーや薬膳茶のようなもので、昔は高級品だったコーヒーの代替品として欧州で広まったのがはじまりだということ。
そもそもたんぽぽ自体が漢方の原料として使われることから、体に良い飲み物として知られています。
たんぽぽに含まれるカリウムにはむくみ予防や利尿作用の効果があり、タラキサシンは肝臓の働きを助けることで知られています。他にも、イヌリンによる整腸作用などの効能が期待できるのだとか。
ノンカフェインなので体を冷やすことがなく、妊娠中や授乳中の方でも飲むことができます。なかには、たんぽぽコーヒーで母乳の出が良くなったという声もあるのだそう!
母乳については医学的な関連性は証明されていませんが、「とりあえず体には良いものだし試してみよう」ということで、赤ちゃんを育てるお母さん達からも人気を集めている飲み物なんです。
そんなたんぽぽコーヒーが、その辺りに生えているたんぽぽから簡単に作れるなんてなんだか面白そうではないですか?
たんぽぽの季節が過ぎてしまう前に、試しに一度自家製たんぽぽコーヒーを作ってみてはいかがでしょうか。
■イラスト提供/ポランカさん(@porankaran)
4年ほど前からイラストやエッセイ漫画を描きはじめる。多摩川を歩くこと、野鳥の観察、ベースを弾くことが趣味。
文/黒岩ヨシコ
構成/inox.