最近におけるカメラの周辺機器では、三脚や自撮り棒に加えて、ここに紹介するジンバルの新製品が増えている。カメラに詳しくない人からすれば聞き慣れない機種の詳細と使い方について、フォトグラファーのTEAさんに聞いた。
「おちゃカメラ TEA Photography」TEAさん
3年ほど前からVlog動画を公開し始め、今ではVlogのほかに機材のレビューなども多数行なっている。カメラ機器関係のイベントに登壇することもあり、撮影機材に詳しい。
カメラに合わせて選びブレのない映像を楽しむ
電子制御で水平・垂直方向のブレを軽減させ、なめらかな映像撮影をサポートするのがジンバルだ。手持ち撮影が多いVlogには強い味方となる。
大別すると、スマホ用の小型サイズ、コンデジやGoProなどに使える中型サイズ、そして一眼カメラを搭載できる大型の3種類。最近では、カメラと一体型のものもある。
「ジンバルはまず手持ちの機材に適したサイズ選びから始まります。小型よりも大型のほうが機能は豊富。どの角度に傾けてもレンズの方向をキープする『固定モード』は、大型から中型にしか搭載されていない機能です。また『カメラの手ブレ補正があれば十分』と思う人もいるかもしれませんが、カメラの微動への補正とジンバルの大きい振動への補正は別物。ふたつを併用するのが一番効果的です」(TEAさん)
カメラの揺れを吸収する「ジンバル」
アクティブな撮影をブレずに記録できる
■ 親しみのある被写体をゆっくりと撮影
家族との散歩や外食している様子など、身の回りにある何げない日常をVlogとして撮影する際、ジンバルがあれば手ブレが抑えられたきれいな映像として残すことができる。
■ 一脚のように伸ばして使っても手ブレのない映像に
多くのメーカーが用意しているジンバルの延長ポールを使えば、神輿などの高い位置の被写体を撮るのにも困らない。逆にローアングルで走りながら撮れば、迫力ある映像が撮れる。
ジンバルトップブランドのハイエンドモデル
DJI5万3900円『DJI RSC 2』5万3900円
ミラーレス一眼カメラと組み合わせて使うことを想定したプロユースのジンバル。折りたたみ式で専用ケースに収納可能。スマートに持ち運べる。本機にセットしたカメラを、事前に設定した時間にゆっくり動かすなど、高度な撮影機能も満載だ。
スマホアプリまたは操作ボタンでカメラを動かせる
マンフロット『Gimbal 220キット』6万7507円
高品質な三脚や雲台で知られるマンフロットブランド初のジンバル。グリップ部分には操作画面を備え、セットしたカメラの向きなどを調整できる。スマホアプリでも操作可能だ。高所撮影用のジンバル用ブーム(別売り)もある。
ジンバルをセッティングするコツ
〝ヤジロベエ〟のようなバランス調整が必要
使い始める前には、カメラをセットした後、可動部のバランス調整が必要。ネジを緩めて〝ヤジロベエ〟のようにどこにも寄りかからないポイントを探る。ポイントが定まったら各部のネジを締め、カメラを固定。重さが変わるとバランスが崩れるので、あとからレンズを交換するのは避けよう。
ジンバルを使いこなすコツ
使用シーンに合わせて操作スタイルを使い分ける!
ジンバルを手持ちしている際、グリップに備わる操作部のスティック装置で、カメラの向きを直感的に変えられる。ジンバルを三脚のように床置きして使う場合はスマホアプリでも同様の操作が可能だ。
■ グリップの操作部にサブモニター付き!
取材・文/吉澤直哉