2021年の春から、いよいよ大手携帯キャリアから格安プランの提供がスタートした。その代表例が、auの格安プラン「povo(ポヴォ)」とドコモの格安プラン「ahamo(アハモ)」だ。
そこで本記事では、「povo」と「ahamo」の2つについて、プラン内容の違いや特徴を比較しながらわかりやすく解説する。これからプランの変更を乗り換えを検討している方はぜひ参考にしてほしい。
auの格安プランpovoとドコモのahamoは何が違う?
はじめに、povoとahamoの基本料金や具体的な内容について見ていこう。プラン変更で鍵になる部分なので、しっかり内容を確認してほしい。(※料金はすべて税込み)
月額料金や基本プランの違い
月額の基本料金はahamoが2,970円、povoが2,728円。金額だけを比較するとpovoの方が安いが、ahamoはこの料金の中に各通話最初の5分が無料になるサービスが含まれるのがポイント。通話料はどちらも30秒22円。1か月あたりのデータ利用料が20GBで、それを超えた時の制限速度が最大1Mbpsである点や、追加容量が1GBあたり550円である点も共通している。通話料割引オプションとしてかけ放題サービスが必要な場合、ahamoは1,100円、povoは1,650円で追加可能。
povoは好みに合わせたトッピングも可能
povoは基本料金にサービスのトッピング(オプション)をして利用環境に合わせた使い分けができるのが特徴。例えば、最初の5分が無料になる通話サービスは基本料金に550円をプラスすれば利用できる。また、一時的にデータ容量が無制限になる「データ使い放題24時間」のトッピングが220円で用意されており、旅行前などにも便利だ。
LINEのヘビーユーザーならLIMEMOという選択肢も
普段、コミュニケーションツールとしてLINEを中心に利用している場合、Softbankが提供する格安プラン「LINEMO(ラインモ)」(旧名:Softbank on line)も検討したい。LINEMOは月額料金2,728円で1か月あたりのデータ利用料や通話料、追加容量の料金などはpovo、ahamoと同じだが、LINEアプリを利用したメッセージのやり取りや音声・ビデオ通話がギガ数にカウントされず、実質使い放題となる。たとえデータ容量を使い切っても、LINEを利用した通信速度は制限がかからないのが大きなメリットだ。
povoとahamoのオプションサービスにはどんなものがある?
基本料金や仕様を踏まえて、ここからは追加で利用できるサービスの違いについて詳しく解説しよう。最後に、それぞれのサービスが向いている人の傾向も紹介するのでぜひ参考にしてほしい。
利用できるオプションサービスと注意点
povoとahamoはいずれも、各社のメインサービスと「利用できるオプション」に大きな違いがある。代表的なものはキャリアメール。格安プランではキャリアメールサービスは提供されていないため、乗り換えを考えている場合は自分で新しいメールアドレスを用意する必要がある。同様に、メインキャリアで基本的なオプションである留守番電話サービスも利用できない点も注意が必要だ。
ただし、電話番号だけでメッセージのやり取りができる「+メッセージ」はどちらのプランも利用できる。スマートフォンの端末を介して他の機器をインターネットに接続する「テザリング」サービスや、不適切なサイトを閲覧できないようにするフィルタリングサービスも利用可能。
海外でもインターネット接続が可能な国際ローミングに関しては、ahamoはすでに対応しているがpovoはまだ非対応。ただし、いずれ提供予定であることはすでに発表されている。
各種割引サービスの適用は?
もともと格安プランのpovoとahamoは、基本料金が割引になる各種割引サービスは基本的に対象外。ただしahamoの場合、プラン割引の対象にはならないが、ファミリー割引の家族人数にはカウントされる。家族間無料通話についてもahamo回線からの発信は対象外となるが、ギガプランなどを契約しているファミリー割引対象回線からのahamo 回線への発信は無料。povoも、2021年の夏までに加入した回線は家族割のカウント対象になる。
povoとahamoはそれぞれどんな人におすすめ?
基本料金を安く抑え、必要なものをトッピングとして提供するスタイルのpovoは、とにかくシンプルなプランを求めている人や音声通話をあまりしない人に向いている。220円で24時間データが使い放題になる点もpovoの特徴の一つで、仕事などの都合で大量のデータをやり取りする機会のある人にとっても魅力的だ。
それに対して基本料金に5分間の無料通話が含まれるahamoは、家族間や仕事上で短い通話を頻繁にやり取りする人にとってはもっともお得なプランになる。また、海外ローミングサービスにもすでに対応しているため、海外でスマホを利用する予定のある人もahamoがおすすめ。
どちらの格安プランにもメリットやデメリットがある。特徴をしっかり把握した上で自分のライフスタイルに適したものを選びたい。
文/oki