2021年1月、アップルウォッチで「ECG」のアプリがリリースされたのをご存知だろうか?ECGアプリは海外では以前から導入されていたが、日本で利用できるようになったのは今年に入ってから。では、そもそもECGとは何の略でどんな意味なのだろうか。
そこで本記事では、スマートウォッチを活用する上でも、ぜひ覚えておきたい「ECG」についてわかりやすく解説する。アップルウォッチでの「ECG」の利用方法についても併せてチェックしよう。
ECGとは何の略?意味は?
「ECG」はもともと医療分野で使われている略語。普段あまり馴染みのない言葉なので、意味を知らない人も多いはず。はじめに、ECGは何を略した言葉なのか、ECGで何がわかるのかを見ていこう。
「ECG」は心電図のこと
ECGとは「Electrocardiogram」の略語で、日本語で「心電図」の意味。心臓は常にリズミカルに動いており、この動きを「拍動」と呼ぶ。拍動によって全身に血液が送られ、成人では1分間におよそ70回、1日当たりおよそ10万回の拍動が行われており、それを測定するものが心電図検査だ。心臓の筋肉に流れる微弱な電気信号の大きさ(強さ)や向きを波形としてグラフに記録できる。
ECGは、正常な心臓の状態を意味する「Normal ECG」、非定型で不規則な心臓の状態を意味する「Atypical ECG」、その境界線である「Borderline ECG」の3つに分類される。
eCGは「馬絨毛性性腺刺激ホルモン」のこと
獣医学の分野において「eCG(小文字のe。英語のequine chorionic gonadotropinの頭文字を取ったもの)」は、「馬絨毛性性腺刺激ホルモン(うまじゅうもうせいせいせんしげきほるもん)」のことを表す。
「馬絨毛性性腺刺激ホルモン」とは、妊娠した馬の血液に含まれる糖蛋白質ホルモンのことで、過剰排卵を促したり、卵胞発育障害の治療に用いられたりする。他に「妊馬血清性性腺刺激ホルモン(にんばけっせいせいせいせんしげきほるもん)」とも呼ばれる。
心電図の表す意味は
病院で行われる心電図検査は、両手首、両足首、胸部6ヶ所に電極を付けて測る「12誘導心電図」が一般的。四肢に用いる電極は4つだが、6つの波形が得られる。
12の異なる方向から心臓を流れる電気信号を観察することで、1枚の心電図に12種類の波形を記録。測定した波形から心臓の状態を把握し、収縮するリズムの乱れや不整脈、狭心症、心筋梗塞、心房細動、心不全などの病気を発見することが目的だ。
アップルウォッチで心電図の測定が可能に
アップルウォッチの心電図アプリは、「管理医療機器(家庭用心電計プログラム)」として厚生労働省の承認を受けたことで、2021年日本国内でも使用できるようになった。
心電図が測れるアップルウォッチ
Apple Watch Series 4/Series5/Series6で使える心電図アプリでは、電気心拍センサーを使って心臓の鼓動と心拍リズムを記録し、不整脈の一種である「心房細動」が起きていないかを調べることができる。
心房細動は、不規則な脈により胸の痛みや胸の不快感といった自覚症状がある場合と、まったく無症状の場合があるため、心電図アプリを使うことで心房細動の早期発見に繋がる。
心電図アプリの使い方
アップルウォッチで心電図アプリの機能を使うには、iOS14.4とWatchOS7.3のアップデートが必要。装着時のポイントは、アップルウォッチを手首にぴったりとフィットさせること。リラックスをした状態でアップルウォッチを装着していない方の手の指をDigital Crownの上に載せ、なるべく安静な状態をキープしよう。30秒ほどで心電図の記録ができる。記録内容はiPhoneのヘルスケアアプリに保存され、PDF形式でプリントしたり医師と共有したりすることが可能だ。
気軽に測れるが医療的な判断はできない
アップルウォッチで心電図を測定できるメリットは、日常的に心拍をチェックできること。日常的な体の状態を把握しておくことで、日々の健康管理に役立てられる。また、めまいやふらつき、胸の痛みなどの異常を感じた時、不整脈などの兆候を早期発見できる可能性もある。
スマートウォッチでの心電図計測は、便利な部分も多いものの医療的な判断ができるものではない。あくまで補助的なものと捉え、スマートウォッチでの計測結果に異状がなかったとしても、何からの自覚症状がある場合は、速やかに医師の診察を受けよう。
文/oki