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トヨタやセブン-イレブンが導入している「ジャスト・イン・タイム」とはどんな制度?

2021.04.26

「ジャスト・イン・タイム」という用語をご存知だろうか。もともとは製造業を中心に活用されている生産管理システムのことを指すこの仕組みは、作業効率を良くしたり、業務の無駄を省いたりする目的で誕生した。近年、製造業以外の業種でも応用され始めており、ビジネスシーンでも多く耳にする機会も増えているのではないだろうか。

そこで本記事では、そもそもジャスト・イン・タイムとはどのような意味なのか、どのような仕組みなのかについて基礎知識を解説する。「ジャスト・イン・タイムの3原則」や企業の導入事例も併せてチェックしてほしい。

ジャスト・イン・タイムとは?

ジャスト・イン・タイムとは、無駄のない生産活動を実現させるためのシステム。まずは、その仕組みや導入目的など、基本的な特徴をわかりやすく解説する。

生産方式の一つ

ジャスト・イン・タイムとは、在庫や経費を徹底的に削減して、無駄のない生産活動を行うための生産管理システム。「必要なものを、必要な時に、必要な分だけ生産する仕組み」で、製造業の理想的生産方式と言われている。

ジャスト・イン・タイム生産方式の起源はアメリカで、英語で表現すると「Just in time」。その頭文字をとって、日本では「JIT方式」と呼ばれることがある。

ジャスト・イン・タイムの前提条件は「平準化生産」

ジャスト・イン・タイムには「平準化生産が可能な製品であること」という前提条件がある。平準化生産とは、生産量や種類、作業工程時間などを明確にして平均化すること。「必要なものを、必要な時に、必要な分だけ生産する」ためには、生産のばらつきや無駄をなくすことが重要になるからだ。

作りすぎ対策のためにも活用されている

物流やメーカーでは、ジャスト・イン・タイムが「作りすぎ対策」のためにも活用されている。ジャスト・イン・タイムを活用することで、作りすぎ、不要な運搬の防止など、あらゆる面で無駄を削減できる。また、物流業界では、配送にかかるコストを削減することで作業効率の向上も見込める。このように徹底的に無駄を排除するジャスト・イン・タイム生産方式は、製造業だけでなく、あらゆる業種において重要なの考え方だ。

ジャスト・イン・タイムの3原則とは?

ジャスト・イン・タイムを成功に導くためには、「後工程の引取方式」「工程の流れ化」「タクトの調整」の「3つの原則」が鍵になる。それぞれの詳細を見てみよう。

1.後工程引き取り方式

「後工程の引き取り方式」とは、後の工程で必要なものを、必要な時に、必要な量だけ前工程から抜き取る考え方。反対に前工程では、後工程で抜き取られた分だけを生産して補充するため、在庫の無駄がなくなる。

この方式を成り立たせるために重要なのは、後工程にしわ寄せがこないシステムを確立すること。後工程引き取り方法を行う場合には、前工程の進捗状況をリアルタイムに共有し、後工程の生産計画を立てやすくすることが大切だ。

2.工程の流れ化

「工程の流れ化」とは、生産現場の工程と工程の間で、商品を停滞させないこと。工程を後戻りさせず、細く速い流れで商品を作る。一見、当たり前のことのように思えるが、生産工程では、知らず知らずのうちに流れを阻害する仕組みができていることも少なくない。無駄を削減するためには、工程の流れを一方向に徹底することが重要だ。

3.タクトの調整

「タクトの調整」とは、必要数が少ない時は少ないなりの造り方を、必要数が多い時は多いなりの造り方をすること。生産しなければならない数によって、事前に「タクトタイム」を決め、臨機応変に人員を動かす。タクトタイムとは、要求された品物を1つ造るのにかかる時間のこと。「タイムタクト=稼働時間/生産必要数」の計算式で算出される。

タクトの調整では、いつも固定された人数で同じ作業をするのではなく、その都度人員を各セクションに動かし、無駄のない作業をさせる狙いがある。

企業のジャスト・イン・タイム導入事例

最後に、ジャスト・イン・タイム生産システムを導入している代表的な企業と導入事例を紹介したい。特にトヨタの「かんばん方式」は有名だ。

代表例はトヨタ自動車の「かんばん方式」

日本でジャスト・イン・タイムを初めて導入したのは、トヨタ自動車の創業者である豊田喜一郎氏。豊田氏が提唱した「かんばん方式」こそ、日本のジャスト・イン・タイムの歴史の始まりとも言われている。

かんばん方式とは、「いつ」「どこで」「何を」「どれだけ」使ったかを“かんばん”に記し、使われた分だけを生産して補充する生産システムのこと。トヨタ自動車は、かんばん方式を導入することで余分な在庫を減らし、商品の保管にかかる管理費や人件費を削減した。

豊田氏は、日頃から「無駄と過剰のない事。部分品が移動し循環してゆくに就いて、待たせない事。“ジャスト、インタイム”に各部分品が整えられる事が大切」と語っており、ジャスト・イン・タイムの重要性を社員に伝承し続けていたことで有名だ。

大手コンビニ「セブンイレブン・ジャパン」も導入している

日本最大級のコンビニチェーンセブンイレブン・ジャパンでも、ジャスト・イン・タイムを導入している。セブンイレブン・ジャパンには、“仮説、検証、単品管理”という独自の経営システムがある。この経営システムを基に、「必要なものを、必要な時に、必要な分だけ生産、管理する仕組み」を作り上げた。

「賞味期限が短いお弁当やパン、総菜などの廃棄が出ないようにするためにはどのような仕組みが必要なのか」を試行錯誤した結果、1日数回に分けて、それぞれの時間帯に必要な量を納品する方法を考案した。セブンイレブンがジャスト・イン・システムを導入しているおかげで、消費者は欲しいものを欲しい時に、不自由なく購入できるようになった。

文/oki

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