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シャープ、東芝、パナソニック、日立、三菱電機、家電メーカー各社に「30年後の常識」を聞いてみた

2021.04.23

『DIME』は創刊35周年を迎えます。DIMEが歩んできたこの35年で我々消費者を取り巻く環境、生活、製品、サービスは想像を超える変化を遂げました。そこで、発売中のDIME6月号では、この先の30年はどうなるのか、企業はどんなビジョンを描きビジネスを進めているかという質問を各業界をリードする企業の広報部に直撃取材! 

誌面ではスペースの都合ですべてご紹介できませんでしたが、@DIMEではすべての回答をご紹介します。

取材にご協力いただいた各社の広報担当の皆様、誠にありがとうございました!

TOPIC4 家電の未来

日本のお家芸として世界をリードしてきた家電だが、中国や韓国などコスパに優れたライバルたちの追い上げも著しい。今後、IoT化が進む中で家電の在り方はどう変わっていくのか。今回は家電メーカー5社に、回答をいただいた。

シャープ
東芝ライフスタイル
パナソニック
日立グローバルライフソリュージョンズ
三菱電機


Q1:御社の白物家電の中でこの 30 年で一番ヒットした商品もしくは新しいトレンドを作った商品は何だと思いますか? それは将来、どのような進化を遂げていると思われますか?

シャープ

① 2000 年に発売し、21 年目を迎えたプラズマクラスター空気清浄機。

空気中に人体に安全なプラスとマイナスのイオンを放出し、有害物質(カビ菌・ウイルス・タバコ臭など)を不活性化する空気浄化技術として、空気清浄機をはじめ、エアコン・加湿器・冷蔵庫などの自社商品のほか、異業種の各種商品に幅広く採用されており、プラズマクラスター搭載商品は今年累計販売 1 億台を達成する見込みです。

プラズマクラスター技術を搭載した応用商品は、今後さらに社会インフラとなる交通機関や大空間での採用が拡大するとともに、IoT によるクラウド連携で、見守りや一括管理などさまざまなサービスとのソリューション展開が期待されます。

②2004 年発売、脱油・減塩・栄養保持を実現するウォーターオーブン ヘルシオ。

累計販売台数 250 万台を達成し、おいしい健康調理という分野を確立しました。 IoT による家電データと外部サービスとの連携により、新しい食のソリューションサービスへの拡大を目指しております。

③2015 年発売 水なし自動調理鍋 ヘルシオ ホットクック。

内鍋に食材を入れるだけで、火加減・かきまぜを自動でしてくれる「ほったらかし調理」を実現し、昨年9 月末で累計販売台数 30 万台を達成。「ほったらかし家電」の代名詞として、自動調理鍋ブームの立役者となりました。 IoT 活用によるメニューの拡大を図り、近い将来の「1 家に一台の必需品化」に向け推進しています。

パナソニック

ドラム式洗濯乾燥機。従来の縦型洗濯機の場合、洗濯後に洗濯物を干すという家事が発生。また、天気の状況によって洗濯物が乾きにくい等のお困りごとがありました。共働きなど忙しい世帯にとっては、天気を気にせず乾燥まで一気に仕上げられる業界で初めて発売したドラム式洗濯乾燥機は新しい生活様式を生んだと考えます。また2017年には、業界初の液体洗剤、柔軟剤の自動投入も採用し高く評価いただいています。今後も、お客様のくらしに寄り添いより便利で豊かな毎日を送れるような商品へ進化を遂げると思います。

三菱電機

50年前の導入だが、2017年に「ラインフローファンを採用したエアコンの世界最長寿ブランド」として、ギネス世界記録に認定されたルームエアコンの霧ケ峰は、販売実績、市場での認知度ともにヒット商品。「霧ケ峰」は既にAI、IoT対応を進めていますが、将来的には市場が求める機種単独だけでは実現できないようなサービスやソリューションを実現するためのAIやIoT技術との連携が更に進化していくと考えています。

東芝

自動製氷機能付き冷蔵庫(かってに氷):自動製氷機能付き冷蔵庫は約30年前に発売し、大ヒットしました。今後は、より早く、より透明な氷を作れるよう進化していくと思います。

日本初のDDインバータ全自動洗濯機:早朝や夜でも音を気にせずに洗濯ができるようになり、人々の生活を大きく変えました。今後は、静音性や、省エネのもとでのトルクと回転数の両立の部分で進化していくと思います。

日立

冷蔵庫では、独自の鮮度保持技術である「真空チルド(2007年)」や「まるごとチルド(2019年)」の提供に加え、野菜室を中段に配置した「野菜中心蔵(1996年)」や引き出しの使い方を野菜・冷凍・冷蔵モードから選べる「ぴったりセレクト(2019年)」といった先進的なレイアウトの提案により、業界のトレンドを創出してきました。

洗濯機では、高い洗浄力と節水を実現したタテ型洗濯乾燥機「ビートウォッシュ(2004年)」や高速風でシワを伸ばしてアイロンがけの手間を減らす「風アイロン(2007年)」など、新発想と独自技術で、洗濯におけるお困りごとを解決してきました。

Q2:消費者が家電製品を購入するときに気にすることの1つに省エネ性能があります。省エネ性能はこれから先、まだ向上すると思われますか? 今後の見通しをお聞かせください。

シャープ

商品単体での省エネから、IoT を活用した省エネが進化していくと考えられます。

エアコンではユーザーの部屋の状況や使用状況などを AI が学習し、天気予報などの情報と組み合わせ快適な省エネ運転を実現しており、こうした制御が各家電に拡大すると考えられます。

パナソニック

世の中において、今後も様々な事が技術開発されていくと思いますので、そういった技術進化に伴って省エネ性能も向上していくのではないかと考えます。

三菱電機

エアコンや冷蔵庫の場合、モントリオール議定書キガリ改正を踏まえ冷媒の低GWP化促進もあり、製品技術の向上による省エネ性能の向上を大きく望むことは難しいと思います。したがって、今後は製品の動き方や使い方、あるいは他製品と組み合わせることによる省エネ性向上など、使用される家庭全体の省エネ性の向上を実現する方向になると想定しています。

また、カーボンニュートラル実現のためには、家電製品も使用時の製品の省エネ性だけでなく材料、製造、廃棄も含めた全体評価の仕組みも今後は必要だと思います。

東芝

夜間電力の蓄電機能の開発によって、さらに省エネ性能は向上すると思います。また、本質機能へ回帰することで、より省エネ性能を上げることができると考えます。

(例:側板を薄くして大容量化傾向にある冷蔵庫ですが、少し容量を減らしてでも厚くして省エネ性能を上げるなど)

日立

SDGsへの取り組みがグローバルで加速していること、また、日立グループは環境価値向上への貢献を掲げていることから、当社としても引き続き省エネ性能の向上に貢献していきたいと考えています。

Q3:今はないが 30 年後は登場しているかもしれない白物家電があるとしたら、それは何だとお考えでしょうか?

シャープ

・今ある白物家電はなくならないと思いますが、その枠を超えて IoT の進化により「それぞれの人により沿った心をもつ COCORO ROBOT」が出てくる可能性があります。

例えば、介護や子育て、調理、洗濯などを行うロボットが、一人に 1 台、一家に一台となる時代が本格化していくことが予想されます。

・メンテナンスフリーの家電、例えば故障の場合 IoT により遠隔修理する、サービスパーツ自動発注などが想定されます。

・蓄電池や燃料電池の進化による、家電のコードレス化が進むと考えられます。非接触充電も進むと思われます。

・個別の商品としては、自宅のドアにつけるプラズマクラスターによるエアカーテン。(花粉と埃とウイルスを除去)

・水を回して洗うという方法とは異なる、直接繊維レベルで汚れ落とすサイズの小さな洗濯機。

・空気を直接熱交換する、風のない高効率な空調機器

・個々人の好み・健康状態を基に、食材を入れると最適な味付け・調理法を提案・調理してくれる全自動調理器など、さまざまな商品・サービスが想定されます。

パナソニック

共働き世帯や少子高齢化が進んでいく中で、家事の負担を軽減させようと食器洗い乾燥機やロボット掃除機が誕生した様に、環境の変化、人々の生活の変化に合わせて時代に合った白物家電がまだまだ登場すると考えます。

東芝

部屋全体が1つの家電になっているかもしれません。壁の中に冷蔵庫や洗濯機の機能が入っていて、空間には家電が無い状態になることもあるのではないかと思います。

日立

日本では高齢者の一人暮らしが増加しているなどの社会的背景もあり、ペットのような家族型ロボットが普及する将来も考えられるのではないでしょうか。あくまでも想像になりますが、ロボットの機能面も単機能ではなく、掃除機や冷蔵庫の機能が付いている、家事全般のサポートができる、など家電や家事の一部機能も備えているようなロボットなどが出てきたら面白いと思います。

Q4:逆に、30 年後になくなっている白物家電があるとしたら、それは何だとお考えでしょうか?

シャープ

・石油を使った暖房機

パナソニック

過去を振り返りましても白物家電は生活に寄り添った商品が多い為、様々な進化は遂げているものの、完全に無くなってしまった商品はあまり無い様に思います。今後、人々の生活様式、文化の大きな変化、または飛躍的な技術進歩に伴い、提供する価値を変えながら、現状の白物家電が進化を遂げていくのではないかと考えています。

東芝

極論を言うと、全て無くなるということもあると思います。全て外注やロボットにやらせる等、人が家電を使って家事をすることが無くなることもあり得るのではないでしょうか。

日立

家電はIoT化やそれをベースにした自動発注、また、他社との協創などを通じて、日々進化しています。今後はユーザーデータを収集、分析しての製品開発やソリューション提案も加速するかもしれません。このように白物家電はさまざまな可能性にあふれており、当社もお客様の利便性向上につながる検討を進めていきたいと考えています。

Q5:.IoT 化はすべての家電で進むと思いますか?

シャープ

・多くの家電が IoT 化していきますが、高級機と普及機で役割が変わっていくことが想定されます。

顧客に合わせて最適化していくことで、長く使えることが IoT 家電のメリットです。

高級機はより顧客の嗜好やライフスタイルに合わせて最適なサービスを自分から提案していきます。

例えば、壊れる前に故障を予知してメンテナンスパッケージなど新しいサービスも生まれてくるなど、家電が単なる道具から、生活を一緒に支えるパートナーと進化していくと想定されます。

一方、普及機は、操作 UI もよりシンプルなハード構成となり顧客が達成した目的をシンプルにかなえる存在となると考えられます。

パナソニック

技術的には、すべての家電をIoT化することは可能だと思いますが、当社としては、ネットワークに繋がる事で生活者にとって新たな価値やお役立ちを生み出す事が出来るのであればIoT化するという考えです。

三菱電機

IoT化はすべての家電で進むと考えています。製品単独だけでは実現できないようなAIやIoT技術との連携で生み出されるサービスやソリューションが近年で大事な要素になってきています。様々な用途に応じつつ、1人1人に寄り添う提案が家電にも求められており、家電のIoT化は今後更なる展開が見込まれます。

東芝

家電の方向性はIoT化であるのは間違いないです。

弊社製品でも、見守りやレシピ提案などの機能を搭載しておりますが、生活家電でIoT化を進めていくなら、IoT化のメリットをしっかり提案できる製品開発を進めていく必要があると考えております。

日立

進んでいくと考えています。

Q6:この 30 年の進化で、生活家電は十分便利になっていると思います。これから先、どんなところに進化の余地があるとお考えでしょうか?

シャープ

少子高齢化で世帯数が減少していく国内市場は、従来のようなハード売り切りのビジネスだけでは、成長は見込めません。

そこで成長の鍵となるのが「AIoT」です。「AIoT」は、AI と IoT を組み合わせたシャープの造語ですが、製品購入後お客様にネットを通じてサービスなどを提供することで価値を高めていく、スマートライフの実現を目指しています。

また、家電の使用履歴データをもとに新規ビジネスを創出することで、事業の拡大を図ります。

パナソニック

先ほどの質問にもあった省エネ性能はもちろん、環境や人々の生活の変化に合わせて使い勝手の良い形状、デザイン、機能等々、進化出来る余地はまだまだあると思います。

三菱電機

これからは、ユーザーニーズの変化のスピードがさらに速くなり、また、個人ごとに「使う機能」「使わない機能」が分かれると予想しています。

例えば、エアコンは、省エネ性などの基本性能は製品本体として向上も、さまざまな付加機能は製品の中に組み込まず、クラウド側に置かれたソフトウエア上にメニューが用意され、ユーザーニーズ合わせて展開されると予測しています。付加価値機能は、必要な人と不必要な人に分かれるのでサブスクリプション型(以下、サブスク)となるかもしれませんが、クラウド上で要否を選択するような提供方法の可能性もあります。お客様にはとっては、製品本体の価格が安いというメリットに加え、その後、自分の好きなようにカスタマイズできる自由度も増すので、将来的には主流になる可能性はあると考えています。

東芝

今までの家電は、家事の負担を減らすことに注目しておりましたが、これから先は、生活を豊かにすることに特化し進化していくのではないかと思います。

日立

例えば、食事を準備する際の家事フローにおける冷蔵庫の提供価値を考えると、食材の鮮度保持や収納・取り出し時の使い勝手などが挙げられますが、IoT化等により提供できる価値が増えていくと考えています。この動きを見据えて当社では、スマホとつながり、食品のストック管理や購入をアプリでサポートする「スマートストッカー」を3月に発売しました。今後もフードサプライヤー様との協創等により、さらに便利な食材ストック管理ソリューションの開発を推進します。

Q7:日本のお家芸だった家電ですが、中国や韓国をはじめ、多くのライバル企業が生まれていると思います。その中で御社はどんな部分で差別化していきたいとお考えでしょうか?

シャープ

Q7と同回答

パナソニック

人々の生活に寄り添った幅広い家電商品のラインナップがございますので、1つ1つの商品での特長づけはもちろん、家電同士が繋がる事で生み出せる価値をお客様にお届けしていきたいと考えております。

三菱電機

・確かな性能と品質をベースに、お客様の潜在的な市場ニーズや、手にしたときに期待以上の製品価値が伝わるような、尖った製品でお客様の期待に応えることこそ、当社が市場から求められていることと考えています。

・また、Q5で述べたように、機種単独だけでは実現できないようなAIやIoT技術との連携で生み出されるサービスやソリューションが求められており、様々な用途に応じつつ、1人1人に寄り添う提案が家電にも求められています。当社も「お客様ごとのパーソナライズ化」、「使う楽しさやワクワク感の提供」、「家族構成や嗜好などライフサイクルを通じた変化への対応」など、製品単体(モノ)だけではできない、お客様に面白いと思ってもらえる「コト」も含めた暮らしのソリューションを展開していきます。

東芝

当社が重視している、製品開発における「ユーザー・セントリック」な視点です。製品開発の根本的な部分は変えずに、新たなライフスタイルに合う製品を投入していきたいと考えています。

日立

家電から得られるデータを活用した新たなサービスやソリューションは、これから成長が期待される事業の一つだと思います。日立グループでは先進的なデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジーの総称であるLumada事業を展開していますが、例えば、家電分野においてはコネクテッド家電を活用した洗剤自動発注など、新たなチャレンジを始めています。家電とLumadaの親和性は高いと考えており、Lumadaを活用して生活者の課題解決に向けたサービスやソリューションを拡大し、差別化も図っていきたいと考えています。

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文/DIME編集部

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