https://www.apple.com/jp/newsroom/2018/05/ios-11-4-brings-stereo-pairs-and-multi-room-audio-with-airplay-2/
アップルはHomePodの販売を終了した
今後は廉価モデルのHomePod miniへと注力する
高級スマートスピーカーに未来はあるのだろうか
需要を掴めなかったHomePod
https://www.apple.com/jp/newsroom/2018/05/ios-11-4-brings-stereo-pairs-and-multi-room-audio-with-airplay-2/
米アップルから2018年に発売されたスマートスピーカー「HomePod」は、高さ172mm x 幅142mmの大型の本体に、1基のウーファー、7基の指向性ツイーター、6基のマイクを搭載した高級スマートスピーカーだった。また、音声アシスタントのSiriを搭載することで音声での操作が可能だ。
HomePodは市場で中心的な廉価なスマートスピーカーとは一線を画する高い音質を実現し、オーディオ製品として優れた製品という評価だった。しかし349ドル(約3万8000円)という高価さにくわえ、Siriと他社サービスとの連携が遅れたことにより、販売が振るわなかったのも事実だ。
その後、アップルは2020年に小型化したスマートスピーカーの「HomePod mini」を発表。小型な本体に十分な音質と音量、そして99ドル(約1万1000円)と廉価な価格により、人気を博すことになる。一方で、HomePodは今年3月に販売を終了した。
HomePodに対抗できるハイエンドEcho
https://www.amazon.co.jp/dp/B07NQDQWW6
HomePodに対抗しうる高級スマートスピーカーは、実は米アマゾンからも発売されている。同社が投入する「Echoシリーズ」の最上位モデルとなる「Echo Studio」は、本体に5基のスピーカーを内蔵。さらにDolby Atmosに対応することで、低音から中音、そして高音まで高い音質を実現したとうたっている。
本体には音声アシスタントの「Alexa(アレクサ)」を搭載。話しかけることで音楽をコントロールしたり、ニュースを読み上げたり、タイマーをセットしたり、カレンダーの予定を編集したり、リマインダーが設定できる。またAlexa対応スマート家電の操作も可能だ。
さらに、Amazon MusicやApple Music、Spotify、radikoなどの対応サービスの幅広さも魅力だ。HomePodシリーズではSpotifyやAmazon Musicに対応していない(スマートフォン経由での再生は可能)のが、大きな弱点となっている。対応ストリーミングサービスの幅広さでEchoシリーズを選択するのもありだろう。
グーグルはラインナップを縮小
https://store.google.com/jp/product/nest_audio?hl=ja
実はグーグルも2017年に高級スマートスピーカー「Google Home Max」を発売していた。同製品は2基の4.5インチウーファーと2基のカスタムツイーターを搭載。また本体幅が33.5cmとかなり大きく、価格も399ドル(約4万3000円)と高価だった。残念ながら、こちらの販売はすでに終了している。
グーグルが現在販売している高音質なスマートスピーカーは「Nest Audio」が相当する。本体にはウーファーやツイーターを搭載し、ソフトウェアチューニングにより低音が響きやすい設計となっている。また、設置環境に合わえて音が調整される機能も搭載されている。
音声アシスタントとしては「Google アシスタント」を搭載。音声によりさまざまなコマンドが実行できる。さらに、Google カレンダーやGoogle マップといった、グーグルのサービスとの密な連携も魅力だろう。
現時点では高級スマートスピーカーへの需要は大きいとはいえず、むしろそれぞれの部屋に小型スマートスピーカーを設置する使い方が増えている。今後、スマートスピーカーでは購入しやすさと他社サービスとの連携が重要となることだろう。
文/塚本直樹