リモコンのスイッチを入れればすぐに好きな番組を見られるテレビと、スマホやPCをクリックすればすぐに見たい動画に飛べるYouTube。どちらも生活者にとって身近なメディアだが、小中学生の子どもとその保護者の視聴状況はどのようになっているのだろうか?
テレビ視聴「毎日2時間より多い」と答えた保護者は2~4割で親子の視聴頻度に連関性がみられる
小中学生の動画の視聴頻度は保護者の視聴頻度と関連があるのだろうか。2020年9~10月にモバイル社会研究所が行った調査結果をもとに報告する。
まず、小中学生の保護者に「テレビ番組の視聴を自宅でどのくらい行っていますか」と聞いた。そして、子どもの学年と地域別に集計をした。
その結果、保護者のテレビ視聴頻度は、子どものテレビ視聴と同様の視聴頻度となり、子どもが中学生になると、テレビ視聴を「行っていない」層が10ポイント程多くなる傾向が見られたが、「毎日2時間より多い」はいずれの学年・地域でも2~4割程だった(図1)。
それでは、長時間テレビ番組を見ている子どもの保護者は、どの程度テレビ番組を見ているのだろうか。毎日2時間以上テレビ番組を視聴している子どもをもつ保護者のみを集計した結果(図2)、「毎日2時間より多い」と答えた保護者は6割程となった。テレビ番組は親子で視聴する機会が多く、親子の視聴頻度に連関性が伺える。
YouTube視聴は「1日1回より少ない」と答える保護者の層が最も多く、視聴頻度は親子で異なる傾向
続いて、YouTubeの視聴頻度を親子で比較をした。その結果、保護者は、いずれの学年でも「1日1回より少ない」の層が最も構成比が大きくなった。その一方、中学生の子どもは「毎日2時間より多い」や「毎日1時間くらい」の層が最も構成比が大きくなり、対照的な結果となった(図3)。
それでは、長時間YouTubeを見ている子どもの保護者は、どの程度YouTubeを見ているのだろうか。毎日2時間以上YouTubeを視聴している子どもをもつ保護者のみを集計した結果(図4)、小1~小3の子どもを持つ保護者はYouTubeを毎日2時間より多く視聴する割合が33%となった。
その一方、小4~小6、中1~中3の子どもを持つ保護者は子どものYouTube視聴状況とは顕著な連関性が見られない結果となった。
<調査概要>
調査方法:訪問留置調査
調査対象:全国在住の小中学生の子どもとその保護者
有効回答数:1,100組の親子
サンプリング:
層化二段抽出[クォータサンプリング法(都市規模別性年代)]
7~15歳の都市規模別人口構成比に応じて、町丁目(100地点)を比例配分して抽出し、抽出された町丁目において、7~9歳、10~12歳、13~15歳の都市規模別性年代人口構成比に応じて個人を割り当て、該当者をランダムウォーク法で抽出
調査時期:2020年9~10月
出典元:NTTドコモ モバイル社会研究所
構成/こじへい