お部屋の空気がじめじめする梅雨の季節。
部屋干しすることも増え、カビの発生が心配になる方も多いでしょう。
そんな時は除湿機の活躍が期待できますが、より効果的に使う方法や、種類別の特徴を知っておけば、もっと効率的に部屋の湿度を下げられます。
カビの発生を防ぐ! 除湿機の効果的な使い方は?
カビの発生には、「温度」、「栄養」、「湿度」がカギになります。
カビが発育するのに適した温度は5~35℃程度。一般的な家庭の室内平均温度はだいたい10~30℃なので、温度をコントロールして防ぐことは難しいでしょう。
また、カビにとってホコリや汚れ、建物のほとんどの建材は栄養になります。頻繁に掃除をしていても、カビの栄養を完全に取り除くことは難しいのです。
しかし、カビの発育には湿度80%以上が適しているといわれています。つまり、除湿機を使って湿度を下げられれば、カビ発生のリスクを下げられます。
除湿機を効果的に使うには、部屋の空気を回す(循環させる)のがおすすめ。エアコンや扇風機、サーキューレーターなどを一緒に使い、部屋の空気が回るようにしましょう。
除湿機から出た乾燥した空気が湿った空気と入れ替わり、効率的に部屋の湿度を下げられます。
種類によって得意な季節があるって知ってた? 除湿機の選び方
除湿機は主に梅雨時や夏場に使うシーンが多い家電ですが、中には冬にも除湿機を使うことがある人もいるでしょう。
しかし、同じ機種でも、季節によって効果を感じにくいことはありませんか?
除湿機にはい主にコンプレッサー式、デシカント(ゼオライト)式、ペルチェ式があり、さらにコンプレッサー式とデシカント式を組み合わせたハイブリット式の4種類があります。
それぞれに特徴があり、得意な季節があります。
夏に強い除湿機:コンプレッサー式
コンプレッサー式除湿機は、エアコンと同じ方法で部屋の湿度を下げます。
部屋の空気を吸い込んで、冷却器で冷やして水滴にし、除去する仕組み。夏場など、気温が高いと特に除湿能力が高くなります。ただし、やや動作音が大きい傾向にあります。
冬に強い除湿機:デシカント(ゼオライト)式
【参照】パナソニック デシカント方式 衣類乾燥除湿機 F-YZUX60
デシカント式除湿機は、乾燥剤とヒーターを使って湿度を下げる仕組み。
湿った空気を吸い込み、乾燥材に水分が付きます。空気はそのまま乾燥した状態で部屋に吹き出され、乾燥材に付いた水分はヒーターの熱によって水滴となり、タンクに溜まっていきます。
コンプレッサーがないので、比較的サイズはコンパクト。冬など温度が低い季節でも除湿効果を発揮しますが、ヒーターを使うので暑い季節には不向きといわれています。
コンパクトな除湿機:ペルチェ式
ペルチェ式除湿機は、パソコンなどにも使われる「ペルチェ素子」を使って、湿度を下げます。コンプレッサーやヒーターを使わないため、コンパクトな製品が多く、また本体価格も安い傾向にあります。
ただし、気温が低いと効果を発揮しづらく、またコンプレッサー式やデシカント式と比べると除湿能力が低いため、クローゼットなど狭い空間に「サブ機」として使うと良いでしょう。
コンプレッサー式とデシカント式を組み合わせたハイブリット式除湿機
【参照】パナソニック ハイブリット方式 衣類乾燥除湿機 F-YHUX120
ハイブリット式は温度と湿度に応じて、コンプレッサー方式とデシカント方式の運転比率を自動的に判断。気温に左右されにくく、優れた除湿力を発揮して無駄な電気代も抑えます。ただし、両方の仕組みを搭載しているため、本体サイズが大きい傾向があります。
窓を開けていると除湿機の効果がない!?
空気中に含まれる水分は、多い場所から少ない場所に移動する習性があります。そのため、せっかく除湿機を使っていても、窓を開けていると、屋外の湿った空気と部屋の乾燥した空気が入れ替わってしまうのです。
コンプレッサー式とデシカント式ではどっちの方が電気代は高い?
コンプレッサー式除湿機はヒーターを使わないため、デシカント式除湿機よりも電気代を抑えられる傾向にあります。Webサイトで電気代の目安を書いているメーカーもあるため、ランニングコストが気になる方はチェックしてみましょう。
衣類乾燥機能付き除湿機を効果的に使う方法
梅雨時など、雨が多い季節は洗濯物の「部屋干し」をしますよね。
除湿機の中には、「衣類乾燥機能」が付いているタイプもあります。
洗濯物を効果的に乾かすには、乾燥した空気と「風」が欲しいところ。洗濯物が乾きにくいと感じた場合は、除湿機を置く場所や風向きを変えて、洗濯物に風が当たるようにしたり、サーキューレーターや扇風機と一緒に運転し、洗濯物に風を送るのがおすすめです。
【参照】サイト一覧
パナソニック 衣類乾燥除湿機
アイリスオーヤマ 除湿機比較表
※データは2021年3月下旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全・正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用、操作はあくまで自己責任にてお願いします。
文/髙見沢 洸