新卒社員のリモートワークストレス事情。25%の人事担当・経営者は「離職・休職してしまった人がいる」と回答
在宅勤務には向き不向きがある。家のほうが集中できる人もいれば、一方で、会社オフィスのほうが能率UPする人もいる。後者の場合、リモートワークは大きな心理的負担になりそうだが、コロナ元年の昨年入社した新人たちはどの程度、在宅勤務にストレスを抱えていたのだろうか?
そんな「新卒社員の在宅勤務によるストレス状況」に関する意識調査がこのほど、株式会社デジタルシフトにより、企業の人事担当者、経営者400名を対象にして実施された。
86.3%が「新卒社員はリモートワークによるストレスや悩みを感じている」と回答
86.3%の人事担当者、経営者が「新卒社員は在宅勤務によるストレスや悩みを感じている様子」と回答。新卒社員の在宅勤務での「ストレス問題」は大多数の企業での課題になっていることがいえる。
62.1%の人事担当者、経営者が「在宅勤務によるストレスや悩みによって離職を考えている新卒社員がいた」と回答。さらに「実際に離職に至ってしまった」と回答した人事担当者・経営者が25.0%いたことが判明。「在宅勤務によるストレス」は“離職リスク”にまで発展する可能性もあるといえる。
「業務外コミュニケーションの場の設定(52.3%)」「リフレッシュできるツール・場の提供(42.8%)」など「仕事の場を離れたコミュニケーションの場」がストレスに対して効果的という回答が目立った。
在宅勤務制度に合わせて、浸透策を打った多くの企業は良い結果を得ているということが判明した。
■「ワーケーション」の効果検証実験
株式会社NTTデータ経営研究所、株式会社JTB、日本航空株式会社が、慶應義塾大学 島津 明人教授の監修の下で実施した、新しい仕事のスタイルである「ワーケーション」の効果検証実験では、ワーケーションが生産性・心身の健康にポジティブな効果があることが分かっている。
参加企業の中から18人がワーケーションを体験し、その間、活動量計と睡眠時間を測定するリストバンド型の測定器「Fitbit Charge3 HR」を装着し、期間中ウェブアンケートに回答し効果を測定した。
結果、仕事のパフォーマンスの向上だけでなく、職業性ストレスにおいても同様の効果が見られた。初日からワーケーションの最終日の朝まで全ての指数が37.3%改善し、実証試験のあとも5日間、効果が持続した。
職業性ストレスのグラフ。紫の線は「活気」で、ワーケーション実施後に上昇している。ほかの線は「イライラ感」「不安感」「抑うつ感」「疲労感」「身体愁訴」の値。これらが低くなっているため、職業性ストレスは低下している。
以上のことから、会社としてワーケーションを積極活用すれば、社員のストレスを軽減し、仕事への活力を高めることができるかもしれない。
出典元:株式会社デジタルホールディングス
構成/こじへい