
2021年2月8日。本格焼酎「さつま白波」でおなじみの「薩摩酒造株式会社」より、開封してすぐ飲める小容量ボトルタイプの「白波ブランド」の3銘柄が発売されました。
発売した「白波ブランド」3銘柄は以下のとおり。
・「さつま白波」
・「黒白波」
・「さくら白波」
なぜ今、「白波ブランド」の小容量ボトルタイプが発売されたのか。その理由を探るため、薩摩酒造に話を伺うと、そこには「普段焼酎を飲まない人にこそ試してみてほしい!」という強い想いがありました。
なぜ、今「白波ブランド」の200mlボトルタイプが発売されたのか
なぜ、今「白波ブランド」の小容量ボトルが発売されたのでしょうか。その理由を探るため、薩摩酒造の本坊さんにお話を伺いしました。
本坊さん「昨今は手軽に飲めるRTD飲料(※)が市場で人気を博しており、様々な種類のものが市場で広まっていました」
※RTD飲料=Ready To Drink飲料のこと。広義には開封してすぐに飲める缶やペットボトルのこと。例:缶ビールなど
本坊さん「さらに、2021年現在は昨年から続くコロナ禍の影響で、家庭内の感染防止も叫ばれています。このことから食品の小分けや個包装にも注目が集まっており、焼酎にも〝飲み切りサイズ〟の小容量ボトルの需要が高まったことが商品開発のきっかけです」
コロナ禍でお家時間が増えた現在。お家で楽しくお酒を飲むには、「白波ブランド」のような、〝飲み切りサイズ〟の小容量ボトルがピッタリなのかもしれませんね。
本坊さん「また、焼酎は様々な割り方や自分にあった割合で楽しめるお酒ですが、水や炭酸水や氷で割るのが〝面倒〟と考える方もいらっしゃいます。そういった方でも『開けてすぐに飲める』小容量の飲み切りサイズであれば、お試していただける機会が増えるのではないか? と考えました」
また、白波ブランドに限らず、焼酎を愛飲する方の年齢層は比較的高い傾向にあります。そこで普段、焼酎をあまり口にしない若い方達にも、白波の良さを手軽に知っていただきたい。そんな想いも含めて誕生したのが白波の小容量ボトルサイズなのだそうです。
なぜアルコール分は12%?
かつて薩摩酒造は「ロクヨン」のキャッチフレーズで一世を風靡しました。ロクヨンとは、焼酎6:お湯4の割合のこと。このロクヨンの割合で、既存の白波(アルコール分25%)を割ると、アルコール分は15%前後となります。
しかし、今回発売された小容量ボトルタイプのアルコール分は12%。ロクヨンの割合ではありません。ではなぜ「ロクヨン」の定義に当てはめず、あえてアルコール分12%で開発されたのか、本坊さんに伺ってみました。
本坊さん「現在、市場で人気を博している、いわゆる『ストロング系』RTD飲料のアルコール分はだいたい約10%未満です。一方で私たちがおすすめしている『ロクヨン』の割合で白波を割った場合、アルコール分は約15%となります。
白波の小容量ボトルタイプを多くの方に手に取っていただくためには、このストロング系と同じく10%未満のアルコール分に抑えたいところですが、実は焼酎はアルコール分を低くし過ぎると酒質が安定しづらく、本来のおいしさを味わっていただけないかもしれないのです。
そこで『ロクヨン』と『ストロング系』の間であるアルコール分12%を採用することになったのです。普段、ストロング系を愛飲されている方や、白波ファンの方にもご満足いただけるアルコール分だと思います」
アルコール分25%の瓶タイプと飲み比べ! 味わいや香りに違いはある?
新しく発売された小容量ボトルタイプと、既存の「白波シリーズ」五号瓶タイプで味や風味に違いはあるのか。実際に水割りにして飲み比べてみました。
マイルドな香りと味わいが特徴の「さつま白波」。原材料には様々な銘柄の芋焼酎で多く使われている「コガネセンガン」というサツマイモと、白麹を使用しています。
小容量ボトルタイプのキャップを開けると、まず濃厚な芋の甘い香りが漂ってきました。口に含むとマイルドな味わいが広がります。これまでも比較的飲みやすい「さつま白波」でしたが、小容量ボトルタイプになり、さらにその飲みやすさがUPしたと感じました。
焼酎独特のクセが少ないため、多くの人に選ばれるのではないでしょうか。
「コガネセンガン」を黒麹で仕上げた「黒白波」。重厚な辛口で、芋の深みを十分に味わえるのが特徴です。
五合瓶タイプの水割りと比較すると、元々あったキレのある味わいに加えて、多少の甘みを感じました。ですが「これぞ芋焼酎!」といった、力強い芋の風味とコクは健在です。
黄麹由来の華やかな香りが特徴の「さくら白波」。芋焼酎ですが、黄麹を使っているため、フルーティーな味わいを楽しめます。焼酎が苦手な方や女性にもおすすめしたい一品。
小容量ボトルタイプでは、特徴的な華やかな香りがさらに際立っており、口当たりも軽やかかつフルーティー。3銘柄の中では最も〝焼酎焼酎〟していないため、飲みやすい芋焼酎といえるでしょう。
ちなみに小容量ボトルタイプはすべて「水割り」となっています。使っている水は火山の噴火物でできた鹿児島の「シラス台地」、その下層に流れる良質な地下水を使っているのだそうです。
もっとおいしく飲みたい! そんな時は「シャーベット」にするのもアリ!?
小容量ボトルタイプをさらにおいしく飲みたい! そんな方にはどのような飲み方がおすすめなのかを本坊さんに聞いてみました。
本坊さん「さつま白波のおいしさをそのまま味わっていただくため、まずは『そのまま』飲んでいただきたいです。また、グラスに注げばより香りを楽しんでいただけます。
また、暖かい季節になったら、冷凍庫に開封済みの白波ペットを入れておいてみてください。白波は完全には固まらず、シャーベットのような新しい感覚で楽しむことができますよ」
さつま白波に合うおつまみは?
おいしい飲み方を聞いた次は、さつま白波に合うおつまみを伺いました。
本坊さん「銘柄によって合うおつまみは異なります。例えばさくら白波の場合、さっぱりとしたお刺身やトマトスライス、カルパッチョとよく合いますね」
本坊さん「また、黒白波は味が濃くこってりした唐揚げやステーキにぴったり。さつま白波なら和風出汁がきいた肉じゃがやさつま揚げがおすすめですね。鹿児島にいらっしゃった際はぜひ、鹿児島名物の『鳥刺し』と一緒にさつま白波を飲んでみてください」
あっさり、こってり、和風と銘柄によって相性の良いおつまみが異なるため、味や風味に飽きにくい点も、「白波ブランド」の魅力の1つなのではないでしょうか。
「さつま白波」でおなじみ「薩摩酒造」とは?
薩摩酒造は1936年に薩摩合同酒精株式会社として設立した、深い歴史を持つ鹿児島県枕崎市にある酒造です。「ロクヨンのお湯割り」のキャッチフレーズは、TVCMで薩摩酒造の認知度を高めました。
66年の歴史を誇る「さつま白波」ブランドに加え、希少なサツマイモ「エイムムラサキ」を使った「赤薩摩」や米100%の原酒を熟成させた米焼酎「白鯨」なども人気を博しています。
【参照】薩摩酒造
商品情報
商品名:『さつま白波12度ペット』『黒白波12度ペット』『さくら白波12度ペット』
品 目:本格焼酎
原材料:さつまいも(鹿児島県産・コガネセンガン)、米こうじ(国産米)
アルコール分:12%
内容量:200ml
参考小売価格:198円
発売地域:全国
販売方法:全国酒販店、薩摩酒造公式通販サイト、薩摩酒造花渡川蒸溜所「明治蔵」
【参照】薩摩酒造公式通販サイト
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取材・文/髙見沢 洸