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10倍ズームはどこまで使えるか?キヤノン「RF24ー240mm F4ー6.3 IS USM」と「EOS R5」の動物瞳認識で野鳥撮影に挑戦

2021.04.11

■連載/ゴン川野の阿佐ヶ谷レンズ研究所

10倍ズームはほんとに使えるのか?

私は広角レンズ好きである。そこで不満だったのが28ー300mmの高倍率ズームレンズ。なぜ広角側が28mmなのだろうか。そんな不満を解消してくれるのが24ー240mmなのだ。望遠側はやや削ったけど、その分、広角側はサービスしときましたというレンズである。されど10倍ズーム。重さはフルサイズ用で750gとかなり軽量化されている分だけ写りが気になる。Canon「RF24ー240mm F4ー6.3 IS USM」、その実力はいかほどか?

使用ボディはEOS R5でレンズとのバランスはいい。レンズフードは別売で3850円

EOS R5の動物瞳認識が気になる!

今回のもう一つのテーマはEOS R5の動物、瞳認識である。動物の中にはもちろん鳥も含まれている。マイブームは鳥なので、これが気になる。

詳しく言えば、動物とは犬、猫、鳥であり、瞳、顔、全身が検出される。どの動物も本気で動くとかなり素早いので、AFが追従できるかどうかも問題だ。さらに秒20コマの高速連写機能と、EOS R5には鳥の撮影には欠かせない機能が揃っている。

Canonのハイエンドフルサイズミラーレス機EOS R5は実勢価格約45万5000円

電子シャッターを選択すると連写速度20コマ/秒になる

AFで動物認識させる場合、検出する被写体で動物優先を選ぶ

EVF設定で「なめらかさ優先にする」を選択するとフレームレートが高速化される

鳥の瞳をロックオン!

それでは早速、動物優先でAFを使ってみよう。液晶モニターに撮影後の静止画を再生すると赤枠でピントを合わせたフレーム位置が表示される。これを使って、鳥のどこにピントが来たのかが撮影後にも確認できる。サギサイズの大きさなら全身認識してピントを外すことはなかった。ハトサイズでも問題ない。

さらに入り組んだ枝の中に止まったカワセミも全身が認識されていた。従来ならピントが迷ってMFを使うシーンなのだが、動物認識AFはかなり優秀である。距離が近ければカモメサイズの鳥で瞳認識ができた。もう少し小さなサイズでも認識可能だ。実際には秒20コマの連写でスズメを撮影したが、こちらもピントは極めてシャープでMFでは追従できな素早い動きに反応してくれた。これから他メーカーの動物認識も試していきたいが、EOS R5はハイエンドモデルだけあって、かなりの確率で鳥を認識してくれる。時々、認識しないことがあるが、体感だと95%ぐらいは認識でき、追従性も高い。

オオサギの場合は全身が動物として認識される

カワセミでも顔または全身が認識された

カモメ、ハトぐらいの鳥なら瞳認識してAF追従が可能だった

エサに群がるスズメの集団を連写。ピントは非常にシャープだ
Canon EOS R5 RF24ー240mm F4ー6.3 IS USM 1/250sec、F6.3、ISO100

防塵防滴ではないがハイコスパで汎用製の高いズームレンズ

RF24ー240mm F4ー6.3 IS USMは、フルサイズミラーレス用に開発されたRFレンズ、U15万円で買えるハイコスパモデルだ。レンズ内に手ブレ補正機能を搭載して、AFにはナノUSM駆動が使われ静音性が高く高速である。高倍率10倍ズームにもかかわらず画質は良好でボケ味も好ましい。240mm側でも甘さはなくシャープなピントで鳥が撮れた。

弱点は防塵防滴仕様でないこと、ズームリングよりコントロールリングが手前にあることに違和感を感じるぐらいで、最初のズームレンズとしても最適、購入時にはレンズフードも忘れずに。

枝に止まるムクドリ。AFは瞳認識している
Canon EOS R5 RF24ー240mm F4ー6.3 IS USM 1/250sec、F6.3、ISO100

池に飛び込み、飛び出してくるムクドリ。1/320secでは羽根の動きを止められなかった
Canon EOS R5 RF24ー240mm F4ー6.3 IS USM 1/320sec、F11 +1、ISO500

身体を膨らませるヒヨドリ。ハトよりやや小さい鳥、こちらもAFで追従できた
Canon EOS R5 RF24ー240mm F4ー6.3 IS USM 1/250sec、F11 +1.67、ISO2000

広角で撮った池の上を飛ぶ鳥の群れ。歪みは少なく周辺光量も落ちていない
Canon EOS R5 RF24ー240mm F4ー6.3 IS USM 1/1250sec、F5.6 -1.33、ISO100

写真・文/ゴン川野

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