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その手があったか!「アサヒスーパードライ」の生ビール缶を飲んでわかった泡立ちの仕組み

2021.04.04

 1月の発表以降、話題を集めてきたアサヒビールの『アサヒスーパードライ 生ビール缶』が、4月6日から酒類の取り扱いがあるコンビニで、4月20日から全業態で発売される。缶を全開した瞬間に泡が立つ様はまるで、サーバーからジョッキに注がれた生ビールのよう。気になって発売が待ち遠しい人もいることだろう。メディア向けの先行体験会で試飲する機会に恵まれたので、泡立ちの仕組みや飲んでみた印象をお伝えしたい。

新開発の特殊塗料と飲料缶初のダブルセーフティー構造の採用が、サーバーからジョッキに注いだ生ビールの見た目と味わいを実現

『アサヒスーパードライ 生ビール缶』は、「お店で生ビールが来た時のワクワク感と美味さを家でも楽しみたい」というインサイトから誕生した。このインサイトの背景には、外飲み時に求める気持ちとして「おいしいものを食べたい」「リフレッシュ」「気分転換」が高いことと、家飲みに対する不満として「飲食店のような本格的な生ビールが味わえない」「居酒屋の雰囲気が味わえない」が高いことがあった。

外飲みに求める気持ちと家飲みに対する不満

 こうしたことから同社は、家飲みでも生ビールが味わえ、居酒屋にいるような高揚感が得られる缶ビールを、看板商品の『アサヒスーパードライ』で実現することにした。メインターゲットはビールの新規ユーザーと20〜30歳代の若年層。ビールが持つコミュニケーションを活性化する力と楽しいビール文化を後世に伝え広めていきたいという想いから、新規ユーザーと若年層をメインターゲットに据えたという。

 フタを全開した瞬間に泡立つのは、缶体内面の新開発の特殊塗料(特許出願中)に採用したためである。缶体内面には風味保持や金属素材の腐食防止を目的にコーティングが施される。通常の塗料で缶体内面をコーティングすると平滑な状態だが、新開発の特殊塗料を使うとクレーター状の凹凸をつくる。この凹凸が発泡を促進し、湧き出るような泡立ちを実現。飲み終わるまで泡が出続ける。凹凸は焼き付け処理されており融解する心配はない。

 また、フタを全開にすることで手や口を切ってしまわないか心配になる人もいるだろう。この点に関しても、『アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶』では飲料缶では初のダブルセーフティー構造を採用し、安全に最大限配慮した。

 ダブルセーフティー構造は、フタの端と飲み口の端の両方を丸めるようにするもの。一部の食品缶詰に採用されている技術だが、開けると鋭くなっている端が手や口に当たらず切る心配ないので、安全性が高い。

『アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶』に採用されている容器のイノベーションポイント

 缶体内面の特殊塗料とダブルセーフティー構造により、『アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶』はサーバーから注いだ生ビールのような見た目と味わいを実現した。同社によれば次の3点が特徴だという。

①きめ細かい泡

 缶を開けグラスに注いだときにできる泡よりも細かく濃密な泡ができる

②麦の香りと流量

 フタが全開できることにより、今までより麦の香りがよくわかるほか、飲み口が広いのでゴクゴク飲める

③ガス圧

 サーバーからジョッキ注いだときと同レベルのガス圧を維持し、ジョッキに注いだビールを飲むような炭酸感を実現

『アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶』の特徴

『アサヒ スーパードライ』との違いは、泡立ち、泡の質、ゴクゴク飲めてしまうところ

 これら3点を念頭に置き『アサヒスーパードライ』との違いも意識して試飲したが、まず何よりもフタを全開した瞬間に泡立つ様は、わかっていても初めて目にすると驚いてしまう。濃密で細かい泡も同社の言っていた通り。一目見ただけで『アサヒスーパードライ』の泡と違うことがわかるほどで、見るからにクリーミーだ。

フタを全開にした直後の『アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶』。これだけのきめ細かい泡があっという間に発生する。泡質は見るからにクリーミーだ

 泡が出続けるというのもその通りであった。撮影した写真を確認するために、フタを全開にしてから少し目を離してしまったが、その間に泡が缶からこぼれ出たほど。フタを開けたら時間を空けずすぐ飲んだ方がいい。

飲まずにフタを開けっ放しにしたままにしておくと、泡は缶からこぼれるほど発生し続ける。写真はこぼれた泡を拭き取った後だが、泡の勢いは衰えることなく、山盛り状態になった

 飲んでみると、味は飲み慣れた『アサヒスーパードライ』そのもの。大きな違いはなく、おなじみのキレは健在だ。ただ、フタを全開にしたことで麦の香りは『アサヒスーパードライ』より感じられ、それにより飲んでいるときに麦感が増した印象を受けた。

 フタを全開にして飲むことで得られる流量増加は、飲み応えの向上に直結している。もともとのキレの良さと相まって『アサヒスーパードライ』よりゴクゴク飲めてしまい、飲むペースが上がるだろう。感覚的な捉え方になるが、普段『アサヒスーパードライ』の350ml缶を1缶飲み干すより早く、飲みきってしまった気がする。ガス圧については、確かに普通の缶ビールより強い。これも飲み応え向上に貢献している要素だ。

『アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶』は4℃〜8℃が飲み頃で、美味しく飲むにはしっかり冷蔵することがポイント。缶を手で包むと泡が出やすくなる。泡立ちは温度によっても変わるが、12℃以上だと吹きこぼれる恐れがあるという。

 家で過ごす時間が長くなった、リラックスできるといった理由から、家飲みが楽しくて仕方がない人も多いことだろう。『アサヒスーパードライ 生ビール缶』は家飲みでも外飲みの楽しさや高揚感を味わいときにピッタリ。さらに家飲みが楽しくなってしまいそうだ。

製品情報
https://www.asahibeer.co.jp/superdry/namajokkikan/

文/大沢裕司

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